【姫路市】マッチの老舗、日東社がアグリ事業参入 ベビーリーフの無農薬栽培へ
国内シェア8割のマッチメーカー、日東社(姫路市東山)が、外食産業向けに野菜を生産・販売するアグリ事業に乗り出した。
同社は姫路を代表する地場産業の一つであるマッチ製造を明治期から手掛ける老舗。現在はライターやのぼり、販促品なども製造販売し、グループには国内最大級のテニススクール運営会社もある。2023年には事業の一部を譲渡するなど、経営環境の変化に対応しながら資源の選択と集中を進めてきた。
今回のアグリ事業は、既存事業で培った品質管理ノウハウを生かす新たな取り組み。栽培施設には工場内の遊休スペース約130平方メートルを転用した。植物の成長に最適な光だけを均一に照射する特殊なLED照明設備を棚状に並べ、養液入りトレーで水菜やルッコラ、ピノグリーンなどのベビーリーフ(若い葉菜)を無農薬・無害虫栽培していく。
天候に左右されにくい完全閉鎖型の環境で温度や湿度、光量などを厳格に管理するので、鮮度が求められるベビーリーフを年間通じて安定的に生産できる。また、受発注は代理店を通さずに料理人と直接やり取りするので、料理人が求める品種や色彩、大きさ、食感、食味などを聞いて、オーダーメイドで供給できるという。関西圏のホテルやレストランなどに週1〜2回の定期便で配送する。
年間の売上目標は5千万円。大西潤専務は、「野菜を売るだけが目的でなく、外食産業が抱える仕入の手間や安定調達への不安を解決したい」と話している。<2026/09/09>