手先が不器用で時間がかかってしまう場合の解決方法とは!?【発達障害の専門家が教える 保育で役立つ気になる子のサポートBOOK】
手先が不器用で、何事にも時間がかかる
工作に取り組んだり、食事をしたりするとき手先が思うように動かせず、うまくできないことや、ほかの子より時間がかかることがよくあります。
例えば、こんな状況
画用紙に自分の顔を描くとき、クラスのみんなは終わっても、Rちゃんはまだ。最初にマルを描いた時点で、ペンを持ったまま止まっています。
あなたならどうする?
1.「早くしないと終わらないよ」と発破をかける
2.より取り組みやすいよう、環境を整える
【解説】おすすめは2!
指先は脳の発達や活性化に関連しているとされ、手先を使う活動は園でも積極的に取り入れたいところですが、急かすような声かけで楽しいはずの活動が苦痛になってしまわないよう注意。苦手意識を持つ子どもが「できないから嫌い」という気持ちにならないよう、前向きな言葉をかけながらサポートしていきましょう。
考えられる背景
「思ったように手や指を動かせないよ」
手先が不器用なことでペンを思うように動かせず、納得いくような絵が描けないために動きが止まってしまうのかもしれません。
こんな声かけ&サポートをしてみよう!
姿勢を整えることで全身を安定させよう
不器用さを根本的に克服することは、容易なことではありません。そこで意識したいのが、環境を整えることによるサポート。「姿勢を整えること」もその一つ。体の土台を安定させることで、手債を動かしやすくなったり集中しやすくなったりすることもあるためです。テーブルと体の距離が適切になるよう調整し、足がブラブラする場合は、適度な高さの足置きなどを活用してみましょう。
考えられる背景
「もし間違えちゃったらどうしよう、不安だな」
「失敗したくない」「取り返しがつかないことになるかも」といった不安が大きく、動き出すことをためらっている可能性もあります。
こんな声かけ&サポートをしてみよう!
「失敗してもいい」状態をつくり安心感を
不器用な子は工作などに苦手意識を抱いていることも多いため、失敗を恐れず取り組めるようなフォローも大切です。例えば、1枚しか紙を渡さずマジックで名前を書かせるのではなく、何枚か用意してやり直せることを示したり、下書きを手伝ったりすることが考えられます。声かけについても、間違いを指摘するような内容より、できたことを認める言葉が多くなるよう意識してみましょう。
ほかにもたくさん!サポート声かけ例
・間違えても大丈夫だよ
・楽しくできたね
・これでいいんだよ
・素敵だね
【出典】『発達障害の専門家が教える 保育で役立つ気になる子のサポートBOOK』著:湯汲英史