釣りに関する自由研究のススメ:ライトルアーゲームで釣れる「毒を持つ身近な魚」を調べてみよう
夏休みの自由研究に、ルアーフィッシングをテーマにしてみるのもいい。その中でも、比較的子どもでも入門しやすい、小さな魚を狙うライトゲーム――さらに深く、「ライトゲームで釣れる魚の中で、取り扱いに注意が必要な毒のある魚」をテーマとすれば、上質な研究となりそうだ。海の沿岸には、意外なほど多く毒を持つ魚がいる。クサフグは猫も避けて通る毒魚だが、触るだけでもマズイのもいるのだ。
毒を持つ沿岸の海水魚たち
専用のライトタックルを使って、アジ・メバル、その他小さな魚を狙うルアーフィッシングを、「ライトゲーム」と言う。夏場は日中から根魚(ねざかな。例:カサゴ、メバルなど)を狙うことができる。エサ釣りとは違って、釣り人がアクションを入れて誘わなければ食わない。そこに高いゲーム性がある。
カンタンに魚が釣れるので、ライトゲーム入門そのものを自由研究のテーマとしてもよい。しかし、もう少しこだわった内容にしたいならば、「毒を持った魚」を特集するのもいいだろう。自らの知識のためにも、あるいは釣りの世界をきわめていく上でも、毒を持つ魚を知るのは重要なことだ。
沿岸の海水魚で、毒を持つものとして有名なのは、クサフグである。皮や身に猛毒がある。その他、大きいヤツでは、アカエイも尾に危険な毒を持つ。その他いろいろとヤバイ連中がいるのだ。
研究の目的「毒魚の知識を得ること」
この自由研究の目的は、最終的に、「毒を持つ魚の知識を得ること」そのものにある。まさか毒を持つヤツをあえて食べたり触ったりするわけにはいかないので、図鑑を引きながら調べてみるといいだろう。
毒魚の一覧を写真とともにまとめて、魚種や、毒を持つ部分を赤字表記するなどすれば、見た目にも見やすいものとなる。毒魚はおうおうにして、自分が「ヤバイ魚だぞ」と知らせるために、独特な姿かたちをしているものだ。そいつらの写真を並べるだけでも、なかなかのインパクトがある。
毒魚を調べる研究の実践について
さて、ではどのように、毒を持つ魚を実際に釣って調べていこうか?
やはり、方法としては「実践(実釣)あるのみ」となる。実際にオカッパリのライトゲームで、ひととおり魚を釣ってみることだ。クサフグはどこにでもいる魚で、特に日中は簡単に反応するので、そいつを釣ってパシャリと撮影すればいいだろう。
その他、クリアな水質の沿岸では、ゴンズイやアイゴ、オニカサゴもよく釣れる毒魚だ。どれも神経毒なので、触るだけで手が腫れたりするほか、意識に障害が出る可能性がある。くれぐれも素手で触れないように、必ずフィッシュグリップでつかもう。
ゴンズイやアイゴは、口が小さくて、釣りにくい。ライトゲームであえて狙って釣ろうとするならば、極小のハリを用意して、おまけに匂いの強いイカゲソなどを用いるといいだろう。
研究時の注意点「せっかくなら釣りも楽しもう」
毒魚をあえて狙う釣り――ツウな釣り野郎でも、なかなかしない趣味である。しかし、そんなことに純粋に興味を持てるのなら、少年諸君は潜在的な「魚博士」かもしれない。ぜひこのツウな自由研究に挑んでみてほしい。
しかし、実際にやってみるとわかるだろうが、毒を持つ魚は意図的に狙うことが難しい……。魚種を伸ばすこともできないかもしれない。それならば、たとえば、クサフグだけを釣り、クサフグを専門とした研究をするのもいいだろう。「クサフグの毒の種類、毒によって起こりうる危険、なぜそのような毒を持つのか、フグはおいしい魚でもあるが毒を持つ魚を調理するためには何か免許が必要なのか」など。
それにしても、せっかくの夏休みだ。釣りそのものも、おおいに楽しみたい。おりしも夏は小学生でも保護者同伴で出歩きやすい日中も、冒頭で述べたような根魚がよく釣れる。ライトゲームを純粋の楽しむ中で、毒を持つ魚を研究するもよし、楽しむ中で見えてきた題材を研究してみるのもいいだろう。
<井上海生/TSURINEWSライター>