保育園で遺伝子検査!?
ある保育園で運動や勉強の才能に関わる遺伝子検査を行っていたことが判明した。5月14日の「くにまる食堂(文化放送)」ではXXCLUBの大島育宙がこのニュースの問題点を示した。
邦丸「5月14日の毎日新聞によると、東京都内にある2つの保育園が育児に役立つとして、子どもに遺伝子検査を受けるよう呼びかけ、保護者の3割が応じていたことが判明したそうです。費用は1人当たり9万円。この検査では運動や勉強の才能、性格の特性、それから血友病や筋ジストロフィーなど難病の原因となる遺伝子変異、認知症や糖尿病を発症するリスク、さらに男性・女性ホルモンのレベルや胸の大きさまで検査項目にあるそうなんです。保護者の関心が高いのが知能指数、IQや言語能力といった将来の成功に関わる項目だということで、あくまでも東京都内の2つの私立保育園が実施したということですが、大島さん、このニュースいかがでしょう?」
大島「結構色んな問題をはらんでいると思うんですけど、大きくは2つですよね。1つは科学的根拠が薄いことを科学的根拠があるかのようにして科学的根拠を検討できない一般の人の不安を煽るっていうのは商法としては、よくあるものです。ましてや子どもの教育など親御さんの価値観に影響するものがビジネスとして存在してしまうのは、ある種しょうがない部分であると思うんですけど、そこに保育園が加担してしまうというのは、あまりにも迂闊ではないかということが、まず1つです」
邦丸「はい」
大島「もう1つは教育のモラルということになってくると、僕は子どもはいないんですけれど、教育と功利主義というか、競争主義というものが、あまりにも結び付きすぎてしまうと、つまるところ優生思想に結び付くというところがありますよね」
邦丸「はい」
大島「得意なものがあるならば、それを最初に伸ばしたほうがいいというのは気持ちとしてはわかるんですけど、究極的には最初から子どもの人生を設計するということが是なのか。それってかなりのディストピアというか、地獄的な価値観だと僕は思ってしまいます。例えば、これが科学的に正しい検査だとしましょう。ですが、これが科学的に正しかったとて、それを適用するのか、それで保育園が流行ればいいのかっていう価値観は保育園側にはなかったのかっていうのが僕のモヤモヤするところであります。大きく分けると、この2つの問題があるなって気がしますね」