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InstagramもNFTを導入!?企業にとってのメリットと今後の可能性【大槻祐依のInstagram注目トピック第8回】

Marketing

NFTの導入は企業もファンとの関係性を深められるチャンス

InstagramがNFT機能の開発に取り組んでいることは、昨年(2021年)6月にアプリ開発などを行うアレサンドロ・パルッツィ氏がツイートしたのをきっかけに広く知られています。そのときのツイートでは、Instagramは「Collectibles」という新たな機能を開発しており、その中にNFT機能も含まれているようでした。

InstagramがNFTについてどのような機能を開発しているかは、現状ほとんど明らかになっていませんが、可能になることや実装後の影響などについて考えてみたいと思います。

ザッカーバーグ氏の発言では、うまくいけば数カ月以内にInstagram内でNFTをMint(※)できるようになるとされていました。もし実現するなら、作成されたNFTを購入するための決済機能や購入したNFTを閲覧するための機能も付くでしょう。また、NFTは歴代の所有者に関する情報を記録・確認できるため、「どこから購入したのか」「ほかに誰が所有していたのか」などの記録もInstagramで見られるようになるかもしれません。

※Mint(ミント):NFTを新たに作成すること。

ただし、NFT機能の実装後、Instagram上のすべての投稿をNFTとして販売できるようになるかといえば、そうはならないだろうと考えています。どんな投稿もNFTとして販売できるようにすると、粗悪品が交じるおそれもあるためです。おそらく、価値が高いと認められるアカウントの、価値ある投稿がNFTとして販売できるようになるのではないでしょうか。判断基準はわかりませんが、「フォロワー数○万人以上のアカウントから先行販売開始できるようにする」などの規制をしながらNFTを導入することもあり得ます。

条件はあるかもしれませんが、企業アカウントもアイコンやデジタルウェアなどNFTの作成はできると思います。普段から応援してくれているフォロワーのために限定のNFTを発行すれば、より関係性を深めるきっかけにもなるでしょう。

ちなみに下記は、海外のソフトウェアエンジニアがTwitterにNFTを統合する実験に取り組んでいることを伝えたツイートですが、ツイート内の動画のようにInstagramもNFTマーケットと連携し、所有するNFTをプロフィール画像などに設定できるようになる可能性は十分あり得ると考えています。とはいえ、これまでMeta社がプラットフォームとして中央集権的な役割を担ってきたこととは相反しているため、同社がNFTの拡大に対してどう対処していくのか注目したいです。

NFTの導入により広がる可能性と厳しくなること

InstagramがNFTのプラットフォームにもなり、クリエイターが自分の作品をNFTとして販売できるようになれば、現在テスト中のサブスクリプション機能と併せて、さらにマネタイズしやすくなるでしょう。

また、Instagram上の投稿を含むデジタルコンテンツは容易にコピーできますが、NFTはブロックチェーンの技術を用いてデジタルデータに唯一無二の価値を持たせられるため、無断複製防止にも役立つと思います。

一方で気を付けたいのは、NFTとして販売されるコンテンツの良しあしの判断が難しいことから、Instagramによる規制が厳しくなるおそれがある点です。Instagramは以前から、ユーザーに良いコンテンツを提供し、プラットフォーム上にできるだけ長く滞在してもらえるよう、規制を行ってきました。例えば、利用規約に違反したアカウントをBANしたり、ハッシュタグ検索の「最新」から投稿が見られなくなる、いわゆる「シャドウバン」の状態にしたりといった対応です。正しく運用しているつもりでも対象になるおそれがあるため、規制に関する情報はしっかりとキャッチアップしたほうが良いでしょう。

InstagramのNFT導入に備えて、しておくと良いこと

InstagramのNFT導入に備えることとして、まずは少額でもNFTを試しに購入してみるのが良いと思います。私も試しに買ってみましたが、私が購入したNFTはなかなか人気になる気配がありません。このように注目されず、誰にも取引されずに存在するNFTもあるので、NFTの人気はとても偏っていると感じています。しかし、実際に購入したからこそ、事前にいろいろ調べたり、NFTを拡散させる方法について考えてみたりする機会を得たと思うので、試しに購入してみて、Instagram実装時にどうなるかシミュレーションしてみるのがおすすめです。

また、日本国内でNFTに積極的にチャレンジしている企業はまだ少ないので、海外企業の動向をウォッチしておいたほうが良いでしょう。OpenSeaのような有名NFTプラットフォームは押さえておき、プラットフォームごとにどのような違いがあり、どんなビジネスが生まれているのか、流れを見ておくのが良いと思います。

NFTは基本的にオンラインで完結するため、SNSとの相性が良いことからも、InstagramだけでなくTwitterやYouTube、TikTokなど各プラットフォームがNFTへの参入を進めています。基本的にデジタルコンテンツで完結する点が、SNSと相性が良いのでしょう。各SNSの参入が進めば、世界中がつながる新たなマーケットプレイスが誕生し、オンライン完結型のショッピング体験が得られるかもしれません。

InstagramにNFT機能が導入されたら、まずは弊社アカウントのSucle(シュクレ)で試行錯誤し、クライアント企業の支援に生かしたいと考えています。

【Profile】
大槻 祐依(おおつき・ゆい)
株式会社FinT代表取締役。
1995年生まれ。早稲田大学在学中の2017年3月にFinTを学生起業。「世界をまるごとハッピーに」というビジョンのもと、Sucle(シュクレ)という若年層女性向けSNSメディア(総合70万フォロワー)やSNSマーケティング事業を展開。主要事業であるInstagram運用代行にて、大手企業を中心に累計100以上のアカウントを企画、撮影から投稿までサポートしている。日経ビジネスやマネー現代、DIAMOND SIGNAL(ダイヤモンド・シグナル)などの媒体に、SNSマーケティングの最新傾向やSNSのユーザーインサイトに関する記事を多数寄稿している。
株式会社FinT:https://fint.co.jp/

記事執筆者

佐藤綾美

株式会社CINC社員、Marketing Native 編集長。大学卒業後、出版社にて教養カルチャー誌などの雑誌編集者を経験し、2016年より株式会社CINCにジョイン。
Twitter:

@sleepy_as


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