パリ クラシック殿堂の今 ル・タイユヴァン 24年8月号
1946年創業、フランス料理界の伝説的なレストラン「ル・タイユヴァン」。美食とサービス術を豊かな文化として融合させ、34年間ミシュラン三つ星を守り続けた2代目オーナー兼客室責任者、故ジャン=クロード・ヴリナ氏の魂が息づく。そんな名店に2021年、9代目シェフとしてイタリア人であるジュリアーノ・スペランディーオさんが就任した。
異邦人だからこそ見出せた、フランス伝統料理の理想郷
「ル・タイユヴァン」のシェフに就任して丸3年が経ちましたが、この店の特異性を心から愛しています。実験的な料理を楽しむ店でもないし、ミサのような静寂を要求する店でもない。一言で表すと「ビヤン・マンジェ(食べる悦び)」とは何か、という哲学に触れることができる稀有な場所だと思います。
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ジュリアーノ・スペランディーオ Giuliano Sperandio
1982年、イタリア・リグーリア州生まれ。99年AEHT(欧州ホテル調理師・観光学校協会)賞を受賞。2006年渡仏、ミシュラン三つ星「ピエール・ガニェール」、ギィ・サヴォワ傘下一つ星「シベルタ」などで働く。現二つ星シェフのクリストフ・プレ氏と出会い、07年より「ビガラード」、「ラ・クラランス」でスーシェフを務める。21年4月より現職。
ル・タイユヴァン le Taillevent
15 rue Lamennais 75008 Paris
Tel +33 1 44 95 15 01
12:00〜13:30 LO 19:15〜21:00 LO
土・日・月ランチ休
text: Aya Ito photo: Yuji Ono
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