「小野路の気泡」調査終了 JR東海が発表 説明会開催へ
小野路町にある民家の玄関先で水がわき出し気泡が発生してから、およそ半年。「リニア中央新幹線の工事によるものでは」と周辺地域などから声が挙がるなか、JR東海は4月17日に地中を掘り進めていた調査を終了したと発表した。今後は結果を取りまとめ、小野路町周辺住民らに対する説明会を開催するとしている。
この気泡が発生したのは昨年10月。住民が発見し、町田市の水道課に調査を依頼したところ、水道水ではないことが判明。地域住民らで構成される「リニア中央新幹線を考える町田市民の会」が現地で気泡を採取し気体を酸素濃度計で計測すると、その他の場所でおよそ20%だった数値が1・0%に――。閉鎖した空間にたまると危険な「酸素がほとんど含まれていない状態の空気が発生している可能性がある」とし、リニアの工事に採用されている気泡式シールド工法と呼ばれる方法によって引き起こった可能性が高いとした。
また、「気泡が地表から漏れ出した後、道路の陥没事故が起こった事例もある」とJR東海に対して、原因究明や情報公開を求める申し入れ書を提出。地域住民が納得するまでシールド工法を進めるシールドマシンを再稼働させないことを求めた。
27日に勉強会も
それに対し、JR東海は工事の安全対策や周辺環境への影響に関する調査を17日に終了するまで進めてきたが、町田市民の会の奥村憲雄さんは「危険が払拭されたわけではない、質問事項をまとめ送付しようと話し合っている」と話す。4月27日(日)には鶴川市民センター内の会議室で、トンネルの専門家を招いた勉強会を会で開く予定といい「より多くの方に参加してもらいたいと思う」と呼びかけている。
町田市内のリニアに関するトンネル工事は能ケ谷―小野路町―上小山田町および相模原市との境界に至る約10キロの区間で行われているところだった。