10年日本刀を鑑賞してきた中で、個性が強すぎて忘れられない作品を個人的なランキングにしてみた
『刀剣乱舞ONLINE』。日本刀をモチーフにしたキャラクターが多数登場する育成ゲームだ。
筆者はこのゲームの影響で、かれこれ10年ほどいろいろな日本刀を鑑賞してきた。
最初は「日本刀ってどれも同じようなものじゃないの?」と思っていたのだが……
実際に見てみると思わず目が吸い寄せられてしまうようなインパクトの強すぎる刀も多く、すっかり日本刀を見るのにハマってしまった。
そこで、今回は今までに見てきた中で個人的に印象に残っている刀をランキング形式で5振りご紹介させていただきたい。
・第5位 表面の模様が派手すぎる刀
これは2018年に京都国立博物館で開催された「特別展 京のかたな 匠のわざと雅のこころ」で見た「唐柏(からかしわ)」という刀だ。
それまでは日本刀といえば、こんなふうに刃先の方にだけ「刃文(はもん)」と呼ばれる模様があるものだと思っていたんだけど……
唐柏はこんな感じ。
こんなふうに刀全体に刃文が入っている刀を見たのは、これが初めてだった気がする。あまりにも派手すぎてびっくりした。「めっちゃ強そう」と思ったのをよく覚えている。
ちなみに後で調べてみたところ、この刃文には「皆焼刃(ひたつらば)」という名前がついていることを知った。
・第4位 刃文で絵が描かれている刀
どこで見たのか、なんという名前の刀だったかは忘れてしまったのだが、この刀もとっても印象的だった。
なんと、刃文で桜が描かれていたのだ。
他にもいくつか同じように刃文で絵が描かれた刀があることを知ったけど、まさか刃文でこんな表現ができるとは思っていなかったなぁ。遊び心に溢れるかわいい刀だった。
・第3位 太すぎる刀
これは京都の「北野天満宮」で見た刀。「脇差」という比較的小さいサイズで作られることが多いタイプの刀のはずなのだが……
この脇差はあまりにも太すぎた。北野天満宮さんの公式Xでも「中華包丁」と例えられるレベル。
ここまでの太さの刀って、脇差より大きいサイズの「打刀」や「太刀」でもなかなか見かけない気がする。
北野天満宮には刀剣乱舞ONLINEにも登場する「髭切」という刀を見に行ったのだが、あまりの個性の強さに髭切と同じくらい記憶に残った刀だった。
・第2位 3Dの龍がいる刀
これは静岡県にある「佐野美術館」で見た刀だ。
表面に龍が「彫られて」いる刀はよく見かける。だけど……この刀では龍が「くり抜かれて」いるのだ。
刀身にぽっかりと空いた穴の中に、ドラゴンのキーホルダーみたいな立体的な龍がドン! と鎮座しているのを見て衝撃を受けた。
しかもこれ、はっきりとは覚えていないのだが結構昔に作られた作品だったように思う。
昔の人もこういうのが好きだったのかなぁ……鱗まで細かく彫られていて、超かっこよかったな。
・第1位 「おそらく」と彫られている刀
これも「佐野美術館」で見た刀だ。最大の特徴は、はっきりと「おそらく」と読める文字が彫られていること。
「おそらく」って何!? なんでそんなふわっとした文字を彫ったんだ……!? と思ったのだが、その理由はどうやらこの刀が「『おそらく造り』と呼ばれる形をしているから」らしい。
「おそらく造り」とは、大半が「切先(きっさき)」と呼ばれる部分でできている刀のことを言うんだそうだ。
ちなみにこの「切先」は、普通の刀なら先端の方に少ししかないはずの部分。
彫られている文字を抜きにしても、この「おそらく助宗」はすごく特徴的な刀だなと思った。
・日本刀鑑賞、楽しいよ
以上、個人的に印象に残っている刀ランキングでした。
「日本刀鑑賞」というとなんだか難しそうに思えるかもしれないけれど、こういった特徴的な刀を「なんだこれ!?」と思いながら見るだけでも結構楽しめるのではないかと思う。
あと単純にライトで照らされてキラキラ光っている刀はとっても綺麗なので、是非一度見てみてほしい!
日本刀の展示会は全国のいろいろな博物館や美術館などで開催されているので、是非機会があれば皆さんも足を運んでみてはいかがだろうか。
参考リンク:特別展 京のかたな 匠のわざと雅のこころ、北野天満宮、佐野美術館
執筆・イラスト:うどん粉
ScreenShot:刀剣乱舞-ONLINE- POCKET(iOS)