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町田駅のおすすめ待ち合わせ場所8スポット~クルクル・キラキラ……なぜか金属要素が多い街~

さんたつ

machiawase10-illust町田駅

「待ち合わせ」、それは情緒あふれる響きである。ところがスマホが浸透した現在、ひとは特に「待ち合わせ」をしなくても、なんとなく会えるようになってしまった。それでも駅に行けば、今日も多くの人たちが、誰かを待っている。皆はなぜ駅で待ち合わせるのだろう、そして駅のどこを目印にすれば相手に会えるのだろう。大型商業施設や飲食店などが密集する町田駅で、おすすめ待ち合わせスポットを探っていきたい。

「光の舞い」と、『町田マルイ』入り口の彫刻時計前【JRの町田駅北口デッキ上】

かつて、小田急線沿線に住む友人が「首都圏の他の私鉄は都会から郊外に向かうけれど、小田急線だけは都会から都会へ向かう」と自慢げに話していたことがある。「他の私鉄」沿線住民だった私は言い返すこともできず、ただギリギリと悔しがるしかなかった。この発言の真偽はさておき、友人が言わんとしていたのは「小田急線は都会(新宿)から都会(町田)へ」ということだったと思う。

南多摩地域を代表する街・町田は、周囲を川崎市や横浜市、大和市、相模原市といった神奈川県の各市に囲まれ、冗談で「神奈川県町田市」などと言われることもある。東京都の市部では八王子市に次いで多い43万人の人口を抱え、都心部に通う人たちが暮らすベッドタウンともなっている。特に町田駅周辺には大型商業施設や飲食店などが密集し、冒頭の友人が「都会」と自慢したくなる気持ちもわかる。この町田駅で待ち合わせをするならば、どこがよいのだろう。

町田駅には、JR横浜線と小田急線の2路線が乗り入れている。JR町田駅と小田急町田駅は少し離れており、両駅は「まほろデッキ」と称されるペデストリアンデッキで結ばれている。このペデストリアンデッキで最も目立つのが、JR町田駅の中央改札を出て右側、北口すぐに設置されている「光の舞い」ではないだろうか。

待ち合わせの人や選挙演説などでいつもにぎわっているクルクル前。

1980年の町田駅前再開発に伴い設置されたこのモニュメントは、「動く彫刻」の第一人者として知られる伊藤隆道の作で、常にクルクルと回転している。夜は特に、周辺の商業施設の光を受けてキラキラ輝ききれいだ。

ピンクリボン月間や年末年始などは、カラー照明で照らされるという。

町田っ子はこれを「クルクル」とか「グルグル」と呼び、町田駅では最も有名な待ち合わせ場所だ。なおクルクル前が混雑している場合は、すぐ近くにある『町田マルイ』入り口の彫刻時計前なども、待ち合わせには適している。

待ち合わせ場所に時計があると何かと便利。

サッカーの壁画【JRの町田駅南口】

一方、JR中央改札から左に進んだ南口側は、比較的落ち着いた印象である。こちら側で待ち合わせをするのであれば、駅すぐの『ヨドバシカメラ』や『デニーズ』などが適当と思われるが、

JR南口の2大待ち合わせ場所。

実は成瀬方面に向かう線路沿いには、巨大なサッカーの壁画がある。歩道も狭いため待ち合わせには不向きなのだが、待ち合わせ相手がなかなか現れない時など、散歩がてら眺めてみるのもいいだろう。

Jリーグ黎明期の壁画。JRの線路沿いなので、ジェフユナイテッドカラーのユニフォームだ。なおこの時まだ町田ゼルビアは「FC町田トップ」だった。
平成初期の雰囲気が漂うポップな絵柄。1994年に塗装されたらしい。

シティゲート【JRの町田駅ターミナル改札口】/メタルミョウガ【小田急線の町田駅北口】

JR町田駅にはもう1カ所、ターミナル改札がある。観光バスや長距離バスが発着するターミナルプラザが隣接し、『町田市立国際版画美術館』や『町田市民文学館』などの施設に行くにはこの改札が便利だ。ターミナルプラザ2階にも休憩スペースがあるが、このターミナル改札そばにある最も印象的なモニュメントが黒川紀章作「シティゲート」である。

ペデストリアンデッキの下を通る町田駅前通りを車で走っていると、「町田の中心地に入るな」と思わされる巨大なゲートでもある。
それぞれの根元に北・南の表示があり、方位磁針としても役立つ。

巨大な金属製のアーチ根元には方角が書かれており、「シティゲート北側の根元で待ち合わせね」といった利用もできそうだ。なおこちらも鏡面仕上げのため、夜には反射で光る。

「光る待ち合わせ場所」と言えば、小田急線町田駅も負けていない。北口を出てすぐのところに、金属でできたつぼみ形のオブジェが設置されている。

昼のメタルミョウガ。昼はミョウガ感は少し薄い。

位置情報ロールプレイングゲームのプレーヤーたちから「メタルミョウガ」と呼ばれるようになり、現在ではそれが正式名称になったという。夜には色付きの光に照らされて、さらにミョウガ感が増している。

夜のメタルミョウガ。ミョウガ色を含め七色に彩られる。

なお、このメタルミョウガ向かいには大小の植木鉢が並べられており、こちらも待ち合わせに使えそうだ。

町田稲荷【小田急線の町田駅南口】

一方、他の出口はどうだろうか。そもそも小田急線町田駅には、上下線ホーム上に上りエスカレーターが設置されている。出口かなと思って上ると、そこは『小田急百貨店 町田店』専用の改札口であり、この街における小田急の影響力の強さを感じさせるのであった。

ホームから何も考えずに上りエスカレーターに乗ると、そこは『小田急百貨店 町田店』。改札横には椅子もあるため、待ち合わせ場所としても適しているように思う。

改札階(2階)に下りると、東西南北4つの改札口がある。南口を出て階段を上がると、駅敷地内に祀られた小さな鳥居が見える。

由緒がわからないが、大切にされている印象である。

この町田稲荷、由緒などの詳細はわからないが、こちらもロールプレイングゲームのスポットとなっているようだ。

南口から西口方面に向かって進んでみる。小田急西口は上述のJR町田駅との連絡口につながり、最も人通りが多い出口だ。かつて噴水であったと思われる石が設置された三井住友銀行町田駅前出張所や、円筒型の建物が特徴で「円マック」とも呼ばれる『マクドナルド町田駅前店』などが、待ち合わせ場所としてはわかりやすいだろう。

かつては水が流れていたのかもしれないという痕跡がうかがえる。腰かけるのにちょうどいい高さのため、利用する人も多かった。
2026年で開業44年となる歴史あるマクドナルド。2025年末に大規模な改装工事が行われた。

小田急西口のペデストリアンデッキ下を歩いてみると、『小田急百貨店 町田店』1階正面入り口前に「町田駅バス総合案内システム」という機械が設置されている。

運用停止してから8年が経過するが、いまだその姿をとどめている。

多くのバス路線が乗り入れる町田駅ならではの装置で、目的地の停留所を番号で入力すると、乗るべきバス路線を示してくれ、1990年の設置当初はプリントアウトもできたという。

近未来感あふれる操作ボタン。プリントアウトを試してみたかった。

設備の老朽化やスマホの普及に伴って2018年で運用を終了しているが、2026年1月現在も装置は残されている。

旧カリヨン広場【小田急線の町田駅東口】

小田急東口を出たところには、広場が設けられている。

駅前に広々としたスペースが設けられている。

以前はここにからくり時計があったため「カリヨン広場」と呼ばれていたが、現在では撤去されているため、呼称は「旧カリヨン広場」となっているようだ。この広場には「絹の道」石碑、女性像、「四つのテスト」モニュメント、大黒像などさまざまな目印があり、待ち合わせにも便利である。

説明板によれば、「原町田中央通り」が横浜開港以降、山梨・八王子と横浜を結ぶ道として利用されていたことから設置されたようだ。碑の反対側には「此方 よこはま」と刻まれている。
朝倉響子の作という女性像。とても足が長い。
東京町田ロータリークラブにより、「国際ロータリー75周年記念」として1980年に設置されたという。考えさせられる内容である。
2008年設置と比較的新しい大黒像。周辺の寺社をめぐる七福神めぐりも行われているそう。

なによりこの広場には町田駅前交番があるため心強い。

駅前交番。『小田急百貨店 町田店』につながる横の階段は、現在は使われていないようだ。

この「旧カリヨン広場」すぐ近くにある宝くじ売り場「新宿屋」の屋根には、大きな招き猫の像が設置されている。

どちらから見ても招き猫。縁起が良さそう。

どちらから見ても顔が見えるようなつくりになっているため、目印としても利用できそうだ。

『町田駅前交流拠点 はっとまちだ』/「花吹雪」【駅周辺】

この宝くじ売り場の道(旧町田街道)を東側へ進むと、原町田大通りとの交差点に行き当たる。この交差点の角に、なんとも特徴的な三角屋根の建物がある。

小ぶりながらも、長い銅屋根が印象的な『町田駅前交流拠点 はっとまちだ』。期間限定ショップなど、さまざまに利用されている。

以前は民間交番があった場所に、2025年にオープンした『町田駅前交流拠点 はっとまちだ』で、地域の交流拠点としての役目を担っている。新たな待ち合わせスポットとしても機能しそうな『はっとまちだ』だが、そういえばこの特徴的な屋根も金属(銅葺き)でできている。近隣の商業施設「町田東急ツインズ」のパークアベニュー側敷地にも、北村西望作の銅像「花吹雪」が設置されているので、銅像好きの人はこちらを待ち合わせ場所にするのはどうだろうか。

町田東急ツインズのFacebook投稿によれば、東急ツインズの前身である「まちだ東急百貨店」が1980年にオープンした際に、文化的な街になるよう設置されたものだという。

町田駅周辺にはなぜだか金属製の目印が多い。そしてそれらは夜もキラキラと光り、多くの人の役に立っているのだった。

イラスト・文・撮影=オギリマサホ

オギリマサホ
イラストレータ―
1976年東京生まれ。シュールな人物画を中心に雑誌や書籍で活動する。趣味は特に目的を定めない街歩き。著書に『半径3メートルの倫理』(産業編集センター)、『斜め下からカープ論』(文春文庫)。

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