真鶴町で28年ぶり 地元有志 旗挙祭を復活 3月23日、2千人大鍋も
源頼朝の船出の浜として知られる真鶴町の岩海岸で3月23日(日)、「源頼朝旗挙祭(はたあげさい)」が開催される。外周9・3mに及ぶ大鍋を使ったイベントを28年ぶりに復活させようと、町の有志からなる一般社団法人MMKが企画した。
会場となる岩海岸は、石橋山の戦い(1180年)に敗れた頼朝が仲間と安房国(現・千葉県南部)へ船で渡ったとされる場所。その際、地元の人々が食事でもてなしたといういわれにちなみ、1989年から真鶴町商工会青年部の主催で大鍋によるふるまいを中心とした「源頼朝旗挙げフェスティバル」が行われていた。
当時は、鍋を目当てに長い行列ができ、流鏑馬や相撲大会、鎧や甲冑を着て町内を走るマラソン大会も開かれるなど、子どもから大人までが参加する町の恒例行事として親しまれていたが、1997年を最後に開催が途絶えていた。
同法人は昨年、地域活性化を目的に設立。農業や建設業、飲食業、観光業など、町内の幅広い人材が集まり、地域を盛り上げる取り組みの一つとして今回、旗挙祭を復活させた。かつての旗挙祭に参加したメンバーの青木良磨さん(40)は「大盛り上がりで、今でも当時のことを覚えている」と振り返る。
当日は、伊勢海老などの魚介類や地元野菜を使って、修繕した当時の大鍋で2000人分の海鮮鍋を一気に調理する。また、スペシャルゲストにTikTokのフォロワーが5万5000人を超える動画クリエイターのバヤシさんを迎えるほか、先着2000人にブランド米配布、ビンゴ大会など多彩な催しを用意。午後6時15分からは海上花火1500発を打ち上げ、夜空を彩る。
時間は午前11時から午後7時まで。雨天延期(同法人ホームページで告知)。真鶴駅からの送迎あり。代表の山田一也さん(44)は「次につながっていくための旗挙げとしてできれば」と意気込みを話している。