【鎌倉市】伊藤眞依子さん 街の魅力、「もよう」で紡ぐ 市元気アップ事業で最優秀
鎌倉市が地域経済活性化のために実施する「鎌倉市商工業元気アップ事業」の2025年度創業部門でこのほど、テキスタイル研究所「CasadePano(カサデパーニョ)」(雪ノ下)代表の伊藤眞依子さん(33)が手掛ける『LOCALTEXTILEPROJECT』が最優秀に輝いた。
同事業は、創業予定者や開業間もない中小企業者による新商品、新技術、新サービスの開発や新事業への挑戦を補助金等で支援する取り組み。
伊藤さんのプロジェクトは、鎌倉を中心に、湘南や三浦半島エリアで暮らす人々の「地域愛」を言語化し、「地域もよう」としてテキスタイル(布)に落とし込み、ローカル視点での暮らしの楽しみ方や街の魅力を発信する。審査員から、「鎌倉で暮らす人や営む人と共に、鎌倉の魅力を再発見・共有するデザイン事業」として、高い評価を受けた。
対話で得た地域愛をデザイン
慶應義塾大学卒業後、パナソニックで商品企画などに携わった経歴を持つ伊藤さん。鎌倉で暮らし子育てするなかで、「観光のお土産ではなく、地元民が誰かに贈りたくなるものが少ない」と感じ、自ら手掛けることを決意。手仕事感があり、街の風景や人々の記憶を共有できるプロダクト製作に乗り出した。
若手デザイナーと協働し、そこに暮らす人々や企業に取材を慣行。対話のなかで得た「地域愛」をデザインして、テキスタイルを完成させた。
補助金等を活用しながら、今年は江ノ電沿線の「地域もよう」を散りばめたテキスタイルやファブリックカレンダー、布小物など日用品を展開。他にも「湘南の花」や「三浦野菜」などをキーワードにした商品開発も行っている。
伊藤さんは「布を通して暮らしの楽しみの再発見や、魅力発信につなげていければうれしい」と話している。