【葉山 イベントレポ】森戸大明神「畜霊社 例祭」 - ペットと共に参拝する。大切な家族の健康と幸せを願って
2026年4月6日、葉山の森戸大明神にて「畜霊社 例祭」が執り行われました。
【葉山 観光スポットレポ】森戸大明神 - 伝統を守り、時代を読む。禰宜(ねぎ)と地...地元では「森戸神社」と呼ばれ親しまれているこの神社に、近年多くの観光客が訪れるようになりました。週末ともなれば国内外から参拝者が押し寄せます。単なるパワースポットブームの影響でしょうか?葉山で生まれ育ち、お宮参りから七五三、子どもの頃の遊び場、大人になってからの散歩コースまで、人生のあらゆる場面でこの場所と関わってきた私には、その変化の背景に別の理由があるように思えます。今回は、その変革の秘密に迫るべく、森戸大明神の禰宜(ねぎ)・守屋隆広氏にお話を伺いました。※禰宜(ねぎ):神職(神社に奉仕す...
湘南人
本殿の傍らに佇む末社の畜霊社は、食べ物を司る保食神(うけもちのかみ)を御祭神とし、古くから家畜やペットの守護神として信仰を集めています。かつて、多くの家畜が疫病にかかった際、このお社にお参りすると病から免れることができたという言い伝えがありました。
年に1度のこの例祭は、大切なペットの健康と長寿を祈願できる貴重な機会です。当日は、愛犬などを連れた20名以上の参拝者が集まり、静かに祈りを捧げました。
潮風が吹き抜ける、清々しい朝の森戸大明神
森戸大明神の目印は、県道207号に面した赤い鳥居。参道を進むと歴史を感じさせる石造りの狛犬が迎えてくれます。
さらに二の鳥居を抜けると、そこには葉山の総鎮守らしい、威厳あらたかな風景が広がっていました。
実は、森戸大明神には今回はじめて訪れました。森戸川の注ぐ、海に面した絶好のロケーションにそびえる本殿。葉っぱ1枚落ちていないほど隅々まで清められた神域に、さらさらと心地よい潮風が吹き抜けていました。
「畜霊社 例祭」が始まるのは午前9時。8時半から受付が開始されると、境内には少しずつ愛犬を連れた飼い主たちの姿が増え始めました。待ち時間の間、みそぎ橋を渡った先にある森戸海岸の波打ち際を、愛犬と散歩する参列者の姿も見られました。
本殿をお参りした後、わたしも時間が来るまで境内とその周りを歩いてみました。境内には、喉を守る神様として知られる「おせき稲荷社」や、岩の上に力強く根を張る「千貫松(せんがんまつ)」、はるか沖合に見える赤い鳥居が目印の「名島(なじま)」など、見どころが尽きません。
例祭の始まり。ペットと共に祈りを捧げる
午前9時になりました。畜霊社があるのは、二の鳥居をくぐってすぐ右手の総霊社の隣。例祭のため、新鮮な野菜や犬用のガムなどがお供えされたお社の前に、参加者とペットが共に集まりました。
愛犬を連れた方はもちろん、中にはうさぎと共に参列する方も。木漏れ日が差し込み、鳥のさえずりが響く爽やかな朝の空気の中、いよいよ例祭が始まりました。
厳かな装束に身を包んだ宮司(ぐうじ)と権禰宜(ごんねぎ)が登場すると、場は一気に神聖な空気に包まれました。まずは権禰宜が修祓(しゅばつ)を行い、大麻(おおぬさ)を振って、お供え物や参列者を祓い清めます。
続いて、宮司による祝詞の奏上です。祈願者一組一組のペットの名前が丁寧に読み上げられ、これからの健やかな日々が願われます。
驚いたのは、参加したペットたちの様子です。大事なことが行われている時間だと感じたのか、どの子も飼い主の傍らでじっと静かに控えていたのが印象的でした。
その後、権禰宜から参加者へ、榊の枝に紙垂を付けた玉串(たまぐし)が手渡されました。
参加者は一組ずつ神前へ進み、自身のペットへの想いを託した玉串を奉奠しました。その真剣な表情からは、家族の一員であるペットへの深い愛情が伝わってきます。
最後に宮司から「どうか健やかにお過ごしください」と温かな言葉がかけられ、式典は無事に終了しました。
絵馬に込めたペットの幸せ
例祭を終えた参加者は、畜霊社から絵馬書所へと移動し、それぞれの絵馬に愛するペットへの願いを書き込みました。丁寧に絵馬掛けに結び、改めてペットの幸せを祈るみなさんの姿は、大事な家族の幸せを祈る気持ちそのものでした。
解散後も、お社の前でペットと一緒に記念撮影を楽しむ姿が見られるなど、終始穏やかで温かな空気に包まれていた森戸大明神。飼い主のペットたちへの愛情と祈り、そしてそれに応えるようなペットたちの絆を強く感じる時間となりました。
▲参列されていたテリちゃん。撮らせてくれてありがとうございました!
神社は地域と共に歩むもの。守屋禰宜に聞く「畜霊社」と「葉山」
ペットと共に暮らす方が多い葉山。普段から愛犬と共にお参りに訪れる方が絶えないという畜霊社ですが、その成り立ちについて、森戸大明神の禰宜・守屋隆広さんにお話を伺いました。
「詳細な創建の時期は定かではありませんが、古来よりこの地で大切に祀られてきました。現在の葉山にはハイソな印象があるかもしれませんが、元々は半農半漁の土地。そのため、当社には家畜を守る畜霊社のほかに、漁業の神様を祀る龍神宮も鎮座しています。神社とはその地域と共に歩むもの。畜霊社はまさに葉山の歴史と地域性を象徴するお社です。」
昨今、全国的にペットを連れての参拝を制限する神社も増えています。そんな中、森戸大明神がペットと共に参拝できる場所であり続ける理由を伺うと、守屋さんは切実な願いを語ってくださいました。
「かつて、神社にペットを連れてきてはいけないという明確な決まりはありませんでした。しかし、神社はあくまで神様をお祀りする神聖な場所。境内が汚されてしまうケースが増えると、どうしても禁止せざるを得なくなってしまいます。
森戸大明神では、今もペット連れの参拝を歓迎していますが、これが10年後、20年後も続けられるかは分かりません。これからもこの大切な場所を、皆様と一緒にきれいに守り続けていけたら嬉しいですね。」
気持ちよく掃き清められた境内を愛犬と歩く。その当たり前のような光景が、参拝者ひとりひとりのマナーによって守られていることを改めて実感しました。
まとめ
ペットの幸せを、その姿を傍らに感じながら祈願する。それは、葉山という土地が持つ動物との絆を象徴するような、あたたかい祈りの時間でした。年に1度の「畜霊社 例祭」。健やかな未来を願って、ぜひ大切な家族と共に参列してみてはいかがでしょうか。
畜霊社 例祭
開催日時
2026年4月6日 9:00〜9:30
開催場所
葉山郷総鎮守 森戸大明神
住所:神奈川県三浦郡葉山町堀内1025
駐車場:あり
アクセス:JR横須賀線「逗子駅」、京浜急行「逗子・葉山駅」から京浜急行バス 海岸回り・葉山一色行き「森戸神社」バス停下車すぐ
祈願料
5,000円
主催
葉山郷総鎮守 森戸大明神