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なぜシャアはガンダムを鹵獲できたのか?〜成功へ導いた5つの要素〜|『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』第2話「白いガンダム」考察

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

2025年4月8日(火)より日本テレビ系列で放送中のTVアニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』(※以下よりジークアクスと記述)。その第2話「白いガンダム」において、1月に劇場で先行公開された『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』における1年戦争パートの一部が遂にベールを脱ぎました。

まさか過ぎる展開の連続に、きっとシリーズ最初の作品である『機動戦士ガンダム』(※以下よりファーストガンダムと記述)をご覧になられたことがある方は驚きの連続だったと思います。『-Beginning-』ではTVシリーズにはない描写が存在しています。まだ劇場で鑑賞しておらず、今回の第2話で興味を持った方は、まだ上映中の劇場へ足を運んでみるのがおススメです。

そんな『ジークアクス』の第2話「白いガンダム」では、アムロ・レイと並ぶ知名度を誇るライバルキャラクターであるシャア・アズナブルが、連邦の白いモビルスーツことガンダムを鹵獲(ろかく/戦いの中で敵の武器や物資、兵器などを奪い取ること)してしまいました。

本稿では、その背景にある5つの要素を考察してみたいと思います。なお、本記事は考察に過ぎず『ジークアクス』の公式設定などとは一切関りがありませんので、その点はご注意いただければ幸いです。

【写真】シャア・アズナブルをガンダム鹵獲へ導いた5つの要素|『ジークアクス』考察

1.ジーンという最初の特異点

『ファーストガンダム』第1話「ガンダム大地に立つ!!」も『ジークアクス』第2話も、どちらも地球連邦軍のモビルスーツ開発計画・V作戦を察知したシャアの部隊が、サイド7を調査するという流れは同一です。しかし『ジークアクス』では、ある人物のザクが何故か故障したことからシャア自ら最初の段階でサイド7に潜入することになっていました。

カット割りから何から何まで意図したかのようにほぼ同じなのに、潜入する3機のザクの内の1機が赤いことに、『ファーストガンダム』を知るファンはワクワクが止まらず面白くなってしまったのではないでしょうか。

とはいえ、シャアという人物はあの目立つ格好や目立つモビルスーツで敵地に潜入を試みる描写がいくつか存在しているので、部隊の指揮官が自ら敵地に潜入や偵察をかけるといったことにあまり違和感がないんですよね。

『ファーストガンダム』で最初にサイド7に潜入したのは『ジークアクス』でもシャアに同行したデニム&スレンダーに加え、ジーンという人物でした。『ジークアクス』で故障したのはそんなジーンの搭乗するザク。ジーンという人物はまだ新兵で、出世をしたいと戦功を焦るあまり上官であるデニムの制止を無視して攻撃を仕掛けてしまいます。

『ジークアクス』ではこの時点で攻撃を仕掛けるのはシャアも同様でした。アムロがガンダムに乗り込むきっかけを与えてしまったことで“戦犯”扱いされてしまうことがあるジーンですが、やったことはシャアと殆ど同じなんです。

なぜ、起こした行動は同じなのに、ジーンでは『ジークアクス』と同じような流れにならなかったのか。次の項目ではその点について見ていきたいと思います。

2. デニムの信頼を得られていたか否か

先述した通りジーンというキャラクターは新兵で、功を焦るあまり上官であるデニムの制止を無視してしまうような人物でした。軍隊でこういった行動は本来あり得ないので、同僚から信頼を得られたかどうかと考えると微妙なところがあります。

しかし、発見した段階で即座に行動に移したのは『ジークアクス』のシャアも同様。これはひとえに、シャアとジーンの役者の違いにあるように思います。部隊の指揮官の判断ならば、命令に忠実に動こうとするデニムは即座に従ったことでしょう。

また、『ジークアクス』には「さすが赤い彗星……いつもながら臨機応変だ」とその判断を素直に称賛するデニムの台詞もあるので、シャアは普段から部下の信頼を得ていることがわかります。決定的だったのは、この信頼度の差にあるように感じます。

その結果、『ファーストガンダム』ではジーンとデニムが発見する頃にはアムロがガンダムに乗り込んでおり、歴史上初のモビルスーツ戦が繰り広げられていくという流れになっていきます。

しかし『ジークアクス』の場合は、シャアとデニムが迅速に行動を起こしたのでガンダムの鹵獲に、ガンキャノンの撃破、ダメ押しばかりにペガサス(※ホワイトベース)の強奪まで成功。もしかしたらジーンが普段からデニムをはじめとする同じ部隊の同僚たちの信頼を得ていたのならば、シャアのようにはいかずともまた違った結果になっていたのかもしれません。

ジーンが特異点になったことは間違いありませんが、もしも何かが違ったらこうまでその後の流れが変わってしまうというのは非常に興味深いところがあります。

主題歌である米津玄師さんの楽曲「Plazma」でも、「もしもあの改札の前で……」ともしもの未来を歌っているところがあるので、もしかしたら『ジークアクス』ではこういった“もしもあの時こうだったら”という部分が大切になってきたりするの……かも!?

3. 連邦軍の新型モビルスーツがドズルに近づく手土産になると洞察した?

『ジークアクス』でデニムから報告を受けたシャアは、ガンダムを破壊するのではなく鹵獲するという選択を取ります。これはきっと、この時点のシャアの直属の上司であるドズル・ザビ中将の反応を考えてのことだったのではないでしょうか。

シャアの正体はジオン・ズム・ダイクンの遺児のキャスバルですが、シャアは父であるジオンを暗殺したザビ家への復讐を考えています。そんなザビ家の人間に近づくために手柄が必要なので、戦功を焦るという面では実はジーンと同じような状況。

『ジークアクス』で実際にドズルが登場するシーンはなかったように思いますが、『ファーストガンダム』第2話「ガンダム破壊命令」には、ドズルにV作戦の情報をキャッチしたことを報告したシャアが「V作戦のデータは何でも良い。必ず手に入れろ、できるならそのモビルスーツを手に入れろ」との命令を受けるシーンが存在しています。

優秀かつ勘の良いシャアのことですから、『ジークアクス』でガンダムを見た瞬間にこれを手に入れればドズルの気を引けるのではないかと考えても不思議ではありません。実際、ガンダムが今後の戦略の鍵になるかもしれないと語るのは01ガンダム(※ゼロヒトガンダム)との交戦後なので、あの時点ではドズルへの手土産とする考えが強かったのではないでしょうか。

4. ガンダムのコックピットの状況

『ファーストガンダム』では、まるで運命に導かれるかのようにアムロはV作戦のマニュアルを手に入ます。その直後、トレーラーに横たわるガンダムを発見。攻撃される可能を知りながらガンダムに近づき、コックピットのハッチを覆っていたシートを払いのけ、「こいつ…動くぞ!」と発言します。アムロはガンダムに近づくまで動くかどうかどころか、シートに隠されていたので本当に乗れるかどうかも定かではなかったのです。

『ジークアクス』ではデニムの報告を受けてガンダムを発見したシャアは、自身の赤いザクを乗り捨ててその場に向かいます。しかもコックピットのハッチを覆うシートは無く、この段階から乗り込むことは可能であることがわかった状態でした。そして、ガンダムに辿り着いて発した台詞は「やはり、動くか」。

本当に細かいけれども大きな違いです。『ファーストガンダム』アムロの場合はコックピット周りがシートで覆われていたので、実際に近づいてシートを払いのけるまで、乗り込むことができるかもわからないのです。ですが実際はまるでこれからメインパイロットになるアムロを待っていたかのようにコックピットは開いており、運命に誘導されるかのようにガンダムが動き始めます。

『ジークアクス』シャアの場合は最初からコックピットに当たる部分が開いており、遠くからでも乗り込めることがわかっている状態。また、すぐ乗り込める状態になっていたので、近づく前からおそらく動かせるだろうと推察していたのではないでしょうか。だからこそ「やはり」という言葉が出てきた。

限られた尺の中でシャアをガンダムに乗せるためと言われてしまえばそれまでですが、何か作為的なものを感じずにはいられないのが妙。この時、『ジークアクス』でもガンダムのコックピット周りにシートが被せられていたならば、シャアならまた違った判断をしたのではないでしょうか。

また、『ファーストガンダム』のアムロが運命に導かれたのならば、『ジークアクス』のシャアは一体どのようなものに導かれたのかという部分も気になりますよね。

5. 赤い彗星の「勘」が覚醒!

偵察任務は指揮官自ら行かなくても構わないように思いますが、『ジークアクス』のシャアは『ファーストガンダム』第30話「小さな防衛線」のように自ら赴くことを選びます。ジーンのザクが何故か故障したことも大きな理由ではありますが、考えてみればザクはシャアの赤いものがあるので一応3機はこの時点で用意できるはず。

シャア用のセッティングなどがされている可能性はありますが、最悪戦闘ではなく偵察だけならデニムあたりに自身のザクを貸して、『ファーストガンダム』と同様にデニム、ジーン、スレンダーの三人で向かわせることもできたのではないでしょうか。他にも、デニムとスレンダーだけ向かわせてふたりに無理はさせないということも可能ではないでしょうか。

ですが、シャアは最初から自分でサイド7へ行くことを選びます。この理由について、『ジークアクス』第2話でドレンにシャアが「赤い彗星の勘」だと語ったとされる描写があります。この“勘”という言葉で思い出されるのがガンダムシリーズ、それも宇宙世紀を舞台とした作品で頻出する“ニュータイプ”と呼ばれる存在のこと。

ニュータイプたちは非常に勘が鋭く危機察知が異様に早いといった特徴があり、シャア自身も実際にそんなニュータイプへと覚醒するのですが、少なくとも『ファーストガンダム』ではアムロやララァ・スンよりもその能力は少し劣っているところがあったはず。

しかし、『ジークアクス』のシャアはこの段階から非常に勘が優れているように思います。後に「私はただ勘の良いだけの男です。大佐のお役に立てるとは思いませんが」と謙遜するシャリア・ブルに対しても、「君ならできる。私の勘だ」と自身の勘を信じて大きな信頼を寄せています。

もしかしたら、『ジークアクス』のシャアは『ファーストガンダム』のシャアよりもニュータイプ能力に優れている可能性があるのではないでしょうか。α型サイコミュとビット(※おそらくララァが乗るはずだったモビルアーマー・エルメスに搭載されるはずだったものか?)をガンダムに搭載させて使いこなしていることも気になります。

赤いガンダムにビットを搭載したシャアの上げた戦果は凄まじいものがあり、次々と地球連邦軍の主力艦隊の戦艦たちを撃沈していました。この時点のシャアがサイコミュでこれだけの活躍をするなんて、もしかしたらララァやアムロと並ぶくらいにはニュータイプ能力がある……のかも!?

もし本当に、シャアのニュータイプ能力が『ジークアクス』では『ファーストガンダム』から続く正史世界よりも高まっているとして、そんなシャアがアムロやララァとめぐりあいをしたら一体どんなことが起こってしまうのか。シャアは、ゼクノヴァで行方不明になってしまいましたが、そんな状態のシャアがどんな光景を見せてくれるのかも気になるところです。

以上、『ジークアクス』第2話「白いガンダム」の考察記事をお届けしました。ぜひみなさんも様々な側面から色々な作品の世界を考え、SNSなどを通して共有してみてはいかがでしょうか!

[文/胃の上心臓]

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