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加西市から世界を目指す―。アートギャラリー『Void(ヴォイド)』の挑戦 加西市

Kiss

酒見寺や住吉神社の門前町として発展し、江戸期には宿場町として賑わった加西市の北条地区。現在もレトロな街並みが残るこの町に、“世界”を目指す新進気鋭のアートギャラリー『Void(ヴォイド)』があると知り、取材に訪れました。

壁に描かれたライブドローイングは、現代アーティスト『NAZE(ナゼ)』と『酒井建治』の合作

ギャラリーが開業したのは2019年12月。現在7年目を迎え、絵画・焼き物・彫刻・音楽など、ジャンルにとらわれないアートの展覧会や音楽ライブ、イベントが行われています。

大正生命ビル。2階にはおしゃれなレコードショップ『Tobira Records』が入居

地域のローカル線・北条鉄道の北条町駅からほど近いビルの1階・3階にギャラリーを、4階に事務所をそれぞれ構えており、1~2か月に1回のペースで展覧会を企画しています。

◆地元に戻り、大好きなアート・音楽を仕事に

伊藤大悟さん。地元で建築・内装の事務所を開設後、現在はギャラリーと一棟貸しの宿『YASURAGI』を運営している

オーナーの伊藤大悟さんは加西市の出身。大阪芸術大学の映像学科へ進学し、卒業後は横浜で建築関係の仕事に携わってきました。数年後に地元へUターンし、「学生時代から大好きだった“アート”や“音楽”について、自分なりのアウトプットをしてみたい」との思いから、『Void』を開業されました。

3階のギャラリー。コンクリート打ちっぱなしのアーバンな雰囲気がたまらない
大型作品の展示は1階のギャラリーで行われます

業界へのコネクションやアーティストとのつながりもなく、まさに“手探り”の状態から始まったギャラリーの運営。

伊藤さんは、自身が好きな音楽や作品を生み出したミュージシャン・アーティストに電話やメール・DMで連絡を取ったり、ほかのギャラリーで開催される展覧会を訪れて挨拶をしたりと、フットワークの軽さを武器に独自のネットワークを築いていきました。

ギャラリーでは、過去に展覧会を行ったアーティストの作品や画集の展示・販売も

「自分が好きな人に頼んでいるからこそ、“熱い思い”を伝えることができますし、ファンがいる場所で展示をしたいと思ってくれる作家の方は多いんです」と、当時を振り返る伊藤さん。

現在も、関西を中心にさまざまなギャラリーに足を運び、加西市という立地ながら、アートシーンの中で存在感を高めつつある『Void』。アーティストからの問い合わせも増えたと話します。

◆取り扱うのは、同じ時代を生きるアーティストの作品

現代アーティスト『NAZE(ナゼ)』の作品

『Void』がギャラリーとして掲げるテーマは、「同じ時代を生きている人」。今、会うことができるアーティストの作品だけを取り扱うようにしているそうです。

音楽ライブに使用されるレコードプレーヤーや音響装置、楽器は、学生時代の友人の力を借りながら集めたもの。ここにも“出会い”の力が感じられます

その理由について伊藤さんは、「アーティストとともに過ごす時間は、自分にはない視点や思考、感覚、発見との出会いにあふれています。そうした人たちと一緒に展覧会をつくり上げることに、僕は“お金に換えられない価値”を感じています」と話し、ギャラリーを訪れる人にも、そんな“出会い”を楽しんでほしいといいます。

◆「本屋さん」のようなギャラリーを目指して

ギャラリーでは、加西市で栽培された酒米「山田錦」を使った日本酒を楽しむことも

そんな伊藤さんが、ギャラリーを始めるにあたり参考にしたのは「本屋さん」。本をきっかけにアートや音楽と出会ってきた自身の経験から、目的がなくてもふらりと立ち寄れる、本屋のような空間を目指しているそうです。

カップやおちょこも作家さんの作品。これは気分が上がります♪

その一環として、展覧会の会期中はギャラリー内で「カフェ」も営業。肩ひじ張らずに、ゆったり過ごしながらアート鑑賞を楽しめます。

メニューはドリンクのみ。食事の提供は行われていません

◆次なる挑戦は、「地方から世界へ」

ゼロからギャラリーを立ち上げ、多くのアーティストと縁を紡いできた伊藤さん。そうした活動を続ける中で、いつしか「加西という地方からアートの可能性を世界に向けて発信したい」という夢が芽生えたといいます。

東京を拠点に活動するアーティスト『COOL』の作品。ともに「ART BUSAN 2026」へ出展

そんな「地方から世界へ」という挑戦の第一歩となるのが、今年5月に韓国・釜山で開催される国際アートフェア「ART BUSAN 2026」への出展。

二人の若手アーティストとともに参加予定で、「大規模なアートフェアに参加するためには、主催者の目に留まる必要があります。今回はご縁があって声をかけていただき、“加西から世界へ打って出る”大きなチャンスをもらえました。この挑戦が、地方のアートシーンが世界とつながるモデルケースとなり、加西市や周辺地域の若手アーティストに『可能性はゼロじゃない』『チャンスを掴める』というメッセージになれば嬉しい」と話します。

姫路を拠点に活動するアーティスト『安野谷昌穂』の作品。ともに「ART BUSAN 2026」へ出展

現在、出展に必要な活動資金を確保するため、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」で支援の募集が行われています。興味のある方はチェックしてみてください。

◆展覧会情報

1月17日より、熊本県を拠点に作家・画家・音楽家・建築家として活動する坂口恭平氏の展覧会「体は見えてる」がスタート。会期は2月28日まで、期間中の月曜日・水曜日・土曜日・日曜日に開催されます。

初日(17日)・2日目(18日)にはオープニングイベントとして、ドキュメンタリー映画『TRUE KYOHEI SAKAGUCHI SHOW -坂口恭平生活-』の上映会も予定されています(17日は上映後に小宮雄貴監督とアーティスト・安野谷昌穂さんを交えてのゲストトークも実施)。

展示作品(一部)。絵画だけでなく、坂口氏が制作した家具や書籍等も展示されます

場所
アートギャラリー Void
(加西市北条町北条142-9 大正生命ビル 1F・3F)

営業日・時間
展覧会やイベントによって異なります

展覧会
坂口恭平 “体は見えてる”

【会期】
2026年1月17日(土)~2月28日(土)

【時間】
土曜日、日曜日
11:00~17:00
月曜日、水曜日
13:00~17:00

【入場】
無料

【オープニングイベント】
ドキュメンタリー映画『TRUE KYOHEI SAKAGUCHI SHOW -坂口恭平生活-』上映会

①1月17日(土)13:00~15:30
※上映終了後、小宮雄貴監督とアーティスト・安野谷昌穂さんを交えてのゲストトークを実施

②1月18日(日)13:00~15:30

料金 1,500円

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