ジュビロ磐田のホーム試合を支えるジェイ・プラッカの北本章さんがバイトから取締役に駆け上がるまで
SBSラジオの静岡サッカー熱血応援番組「ヒデとキトーのFooTALK!」に、磐田市を拠点にイベントスタッフ、警備業などを行う株式会社ジェイ・プラッカ取締役の北本章さんをお招きしました。聞き手はパーソナリティのペナルティ・ヒデさんと鬼頭里枝さん(2024年7月9日放送)
鬼頭:ジェイ・プラッカとはどんな会社なんですか。
北本:イベントスタッフとか警備員をやってる会社です。特にジュビロ磐田の試合当日の会場内外のスタッフや警備員、それからチケット販売、グッズ販売のスタッフ、あとジュビロくん、ジュビィちゃんってマスコットも弊社で請け負わせてもらっています。
ヒデ:へえー。
北本:それから、関係者の受付スタッフ、VIPルームのスタッフ。あとは試合の公式記録をつけるスタッフも。
ヒデ:じゃあ、まるっとですね。
北本:そうですね。ジュビロさんに関しては会場の設営撤去とかも含めてですね。
ヒデ:じゃあ御社がないともう試合すら…。
鬼頭:運営できないですよね。
北本:それ以外に、藤枝MYFCさんからは会場のスタッフや警備員の仕事をいただいています。あとはラグビーの静岡ブルーレヴズさんも。
ヒデ:皆さんがいるからこそ。必要不可欠なお仕事ですね。
バイトから取締役へ
鬼頭:北本さんはいつからジェイ・プラッカでお仕事されてるんですか?
北本:大学1年の時、1994年ジュビロがJリーグに昇格した年からジェイ・プラッカで働いてます。僕、大阪出身で、サッカーをやりたくて静岡産業大学に入ったんですけど、めちゃくちゃ下手だったので、サッカー部に正式なメンバーとしてなかなか入れなくて…。
当時、ジュビロさんでサッカースクールのコーチなどをやる人が不足してるとか、あと試合の記録をつける人が不足してるっていう話もあって、お手伝いさせてもらったりして。
ヒデ:大学生でバイトみたいな感じでスタートして取締役…やったな!!
北本:いやいや(笑)
ヒデ:夢あるなー!
鬼頭:ある!取締役まで何年かかりました?
北本:24、5年ですか。
ヒデ:ジュビロの黄金期も見てらっしゃるんですもんね。スコアをつけてるってことは試合も見られるってことですもんね。
北本:そうですね。大学生の4年のうち3年半ぐらいは試合記録をつける仕事に関わってました。
ヒデ:全試合ですか?
北本:ほぼほぼ。最初はすごい不埒(ふらち)な理由で…。Jリーグブームでチケットがなかなか手に入らなかったんですよ。
ヒデ:まあ当時はね。
北本:94年ファーストステージの最終戦。鹿島アントラーズとの試合がヤマハスタジアムであって、ジーコがその試合で最後だっていうことで、どうしても見たかったんですけど、どうしてもチケットが手に入らなかったので、ジェイ・プラッカでアルバイトしてる友達に「アルバイト来れば試合見れるよ」と言われて。
ヒデ:不埒だなぁ。
鬼頭:見れたんですか?
北本:バックスタンドのめちゃくちゃいいポジションで。チケットチェックをするのが僕の仕事だったんですけど、もうチケットチェックそっちのけで。
鬼頭:試合中ね。
北本:しっかりジーコさんのゴールも。
鬼頭:目の前で!
北本:でも、試合を見てたところを当時の社員なのかアルバイトのチーフの方々に見られていて。
ヒデ:バイトリーダーかわからんけども。
北本:はい。で、次の試合から場外の駐車場係ってことを言われて。
鬼頭:見てんだ、やっぱり先輩は(笑)
北本:僕は正直、働くつもりじゃなくて試合見に来ただけだから、そんなのいかねえよと思ったんですけど、紹介してくれた友達の手前、友達はきっとアルバイトを続けたいと思うんで、これはもう甘んじて受けようと思って。
レジェンドには今もドキドキ
鬼頭:北本さんが見てないジュビロの試合は、たった1試合だけって情報が入ってますけど!
ヒデ:えーっ!?
北本:仕事で入ってないのは、ジーコさんの最後の試合以来1試合だなって。
ヒデ:逆にその1試合って何ですか?
北本:2014年、ジュビロが初めてJ2に降格して、最初の開幕戦。コンサドーレ札幌戦ですね。
ヒデ:大事な一戦ですね。
北本:ジェイ・プラッカの別の仕事で、第1回目の静岡マラソンがあって。どうしても会社の中で僕がそちらに行く必要があったので…
鬼頭:すごい、それ以外の試合は全部ご覧になってる!
ヒデ:特に好きな選手は誰なんですか?
北本:それはゴンさんだったり、藤田俊哉さんだったり、名波浩さんだったり。仕事で近くにいられることももちろんあるんですけど、今でもめちゃめちゃドキドキしますね、やっぱり。
「磐田サポーターは温かい」
ヒデ:まさか就職して働くことになるとは当時は思ってもいなかったでしょう?
北本:思ってなかったですね。本当に1試合見るためだけに行ったので。
ヒデ:きっかけなんてわかんないですよ。
鬼頭:磐田のサポーターってどういう人たちですか?
北本:温かいですよ。温かいし、親切だし、話もわかるというか。僕のことをアルバイトの時から知ってくださってる方も多分いて、よくしてくださるのもあるかもしれないですけど。すごく理解も協力もしてくれる方ばかりですね。
ヒデ:サポーターの皆さんをずっと見守っている、サポーターみたいなお仕事をされてる方がいるってことよね。
サウナに行ったら名波さんが…
鬼頭:スタッフにはいろんな役割がある中で、どこが一番多かったんですか。
北本:一番多かったのは入場ゲート。お客さんが入場してからであれば、場内をいろいろ歩き回って、クレームやトラブルがあったところに行くみたいな仕事が一番多かったですね。
ヒデ:皆さんが楽しめる裏で、本当にいろんな方が支えてるってことでしょ。「うわっ、点入った、見てー」とか思っても、ずっと仕事を全うされてる。
鬼頭:そうそう、背中ずっと向けてね。
ヒデ:さぼってないもんね、あの人たちすごいね。
鬼頭:ミーハー心で、やっててよかったみたいなことってありました?例えば、ゴンさんからタオルもらうとか(笑)
北本:さっき言ったゴンさん、藤田俊哉さん、名波浩さんの3選手はもうスーパーレジェンド。仕事で鹿児島キャンプに行かせてもらった時、当時、名波さんがアドバイザーか何かをされていて、まだ監督をされる前でした。
宿泊していたホテルのサウナに行くと、名波さん1人でいて。もう緊張してすぐ閉めたんですよ。閉めて、「あれっ、これ名波さんだよな」と思って恐る恐る見たら、「来いよ」みたいな手でこうやってくれて。
鬼頭:かっこいい名波さん。
北本:で、中に入ると、ラグビーの試合がサウナの中のテレビでやっていて。そのことについて何か名波さんが話しかけてくれたことは覚えてるんですけど、「はい」しか言えなくて。
静岡SSUボニータにも
鬼頭:北本さんは静岡SSUボニータにも関わっているんですよね。立ち上げからですか?
北本:ボニータの立ち上げ自体は2008年、静岡産業大学の女子サッカー部が立ち上がったところから。ボニータがなでしこチャレンジリーグに入って、ホームゲームの運営のお手伝いをしていたのが最初です。
深く関わるようになったのは、2020年の1月にボニータを大学のサッカー部から一般社団法人に切り替えた時。ジェイ・プラッカで事務所の登記をして、社団法人にしたところからです。
ヒデ:サポーターの数も増えている?。
北本:おかげさまで年々増えてきています。最初は200人前後だったのが、今平均700人を超えています。
ヒデ:すごいですよ。
北本:本当にありがたい限りです。2、3年前からジュビロさんにお願いして、一般社団法人の運営に参画してもらっています。今シーズンはジュビロが契約してくれた本田美登里監督をボニータに派遣していただいて。
あとコーチと、運営スタッフ。私が運営責任者みたいなことをしてきたんですが、それを引き継いでくれるような形で、ジュビロで経験値の高いスタッフの方を送っていただきました。
フットサルチームDELIZIA磐田の立ち上げ
ヒデ:他にフットサルチームをやってますね。
鬼頭:はい。DELIZIA磐田やDELIZIA磐田レディース。
ヒデ:これ立ち上げは北本さん?
北本:そうですね。本当にどこにでもあるような話ですけど。大学の時、さっき言ったようにめちゃめちゃ下手だったんで、自分が試合に出たくて自分がプレーできるフットサルチームを作っただけなんですけど。
鬼頭:社会人フットサルチーム、DELIZIA磐田はどんなチームなんですか?
北本:今、男子の社会人と女子の社会人があります。あとは男子のOBで作ってるエンジョイチーム。
「一緒に素晴らしいスタジアムの空間を」
ヒデ:現在のジュビロについても最後に聞いておきたい!
鬼頭:現在J1で16位。
ヒデ:そもそも強い時代から知ってるから、もうJ2なんて考えられなかったわけじゃないですか。現在地、いかがですか。
北本:J2に何度か降格したり、紆余曲折はあると思うんですけど、5月に毎年やっている磐田市の小学生を招いての一斉観戦などはすごく胸を打たれますし、生活の一部にジュビロがあるっていうふうにだんだんなってきてるのかなと感じています。
ヒデ:御社は磐田とともに、だと思います。御社のPR、どうぞ熱く語ってください!
北本:ジェイ・プラッカではイベントスタッフや警備員も随時募集していますので、ぜひご興味ある方は当社のホームページからお問い合わせいただければ大変うれしいです。
ジュビロを応援していただいてる方は今日聞いてくれてると思うのでぜひ伝えたいんですが、日頃から、スタジアム運営にご理解とご協力をいただいて本当に感謝しています。
ジュビロ磐田を応援する気持ちは多分サポーターもスタッフも同じだと思います。サポーターとスタッフが協力し合って、これからも素晴らしいスタジアムの空間を作っていけたらと思ってますのでぜひ今後ともよろしくお願いします。