2年連続投手偏重だった楽天 今年は3年ぶりに野手が上位独占か【球団別ドラフト指名傾向】
初回入札は高校生重視
今年は10月24日に開催されるプロ野球ドラフト会議。本番まであと数日となり、各球団の編成担当は当日に向けて候補選手の最終確認、絞り込みに追われていることだろう。
本記事ではそのドラフトに向けてSPAIAに掲載している「ドラフト歴代指名選手一覧」を使用し、球団ごとにどのような指名傾向があるのか、過去のドラフトから探ってみたい。今回は楽天編。
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はじめに、全体の指名傾向を見ていく。2004年以降、楽天は合計174人(育成含む)の選手を指名しており、そのうち投手が91人で全体の約52%と半分程度となっている。高校生、大学生、社会人(独立リーグ含む)の割合は、それぞれ約36%、36%、28%。社会人がやや少ないが、ほぼ同程度の割合で指名している。
2004年以降の各分類別指名人数
次に、より具体的に近年の傾向を探るため、2014年以降の過去10年間において、上位指名(3位以上)を中心にどのような傾向があるのか見ていく。
まずは1位指名。楽天は2014年からの10年間で8度競合している。本命がいれば特攻も辞さず、「くじ運」は5球団競合の松井裕樹、4球団競合の早川隆久を引き当てるなど3勝5敗(再抽選も含めると4勝7敗)とまずまず。昨年は常廣羽也斗と前田悠伍の抽選に敗れ、古謝樹を獲得した。
過去10年のドラフト1位
ポジション別でみると、投手6人、内野手1人、外野手3人。他球団と違い、外野手を積極的に1位で指名している。また、初回の入札では高校生7人、大学生3人と高校生を重視しているのも特徴的だろう。
年度ごとに集中指名で補強ポイントを穴埋め
ここからは上位指名(3位以上)について見ていく。1位指名は初回入札が高校生重視、外野手指名に積極的という特徴があったが、3位まで範囲を広げると、「投手3」の年が3度、「投手2・野手1」が2度、「投手1・野手2」が3度、「野手3」が2度と、年度によっては偏った指名をしていることがわかる。
特に、最近4年は「投手3」が3度、「野手3」が1度と集中的に補強ポイントの穴埋めを行っているようだ。特に、2020年と2022年はともに支配下で指名した6人中5人が投手と、かなり投手偏重になっている。また、2022年はドラフト初参加となった2004年以来、高校生の支配下指名がなかった。
過去10年ドラフト3位までの指名選手(青色で塗られている選手は投手)
10年間では野手を約半分の14人指名しており、その内訳は捕手2人、内野手5人、外野手7人と、1位に引き続き外野手が一番多い。補強ポイントとみれば、高い順位を使ってでも、そのポジションの選手を指名する傾向にあると言えるだろう。
以上より楽天の指名傾向をまとめると、以下の通りとなる。
・高校生、大学生、社会人バランス良く指名
・1位の初回入札は高校生重視
・外野手も積極的に上位指名
・年度ごとに重点的に補強ポイントの選手を指名
年度によってかなり偏りがみられる楽天のドラフト。近2年はともに投手が上位を独占していたため、今年は野手の上位指名が多くなることが予想される。3年ぶりに野手が上位を独占するのか注目だ。
※選手のポジションは指名当時
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記事:SPAIA編集部