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大分トリニータ リーグ最少失点で「まずまず」の序盤戦 【大分県】

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限られた戦力で序盤戦を戦い抜いた大分トリニータ

 スタートダッシュとはいかなかったが、大分トリニータはリーグ戦8試合を終えて、3勝3分2敗、勝ち点12で9位にいる。手堅い戦い方でリーグ最少失点数を誇るなど、序盤戦の出来は「まずまず」と言えよう。しかも、開幕前にけが人が続出し、リーグ戦が始まってからも故障で離脱を余儀なくされた選手もいた。復帰のめどが立たない状況での、この位置は及第点だろう。

 

 選手個々で言えば、開幕から守護神としてピッチに立つ浜田太郎が好パフォーマンスを発揮。8試合中5試合で無失点と守備の安定にひと役勝っている。片野坂知宏監督は「(浜田)太郎に尽きる。試合において危ない場面は必ずあるが、太郎を中心に粘り強く守っている」と評価する。もちろん、失点の少なさは守備陣だけがもたらしたものではない。

 

 今季は前線から守備するハイプレスを掲げ、相手陣内でボールを奪うこと、起点を作らせないことを念頭に置く。たとえ相手にいなされたとしても、2度追い、3度追いできる選手を起用する。弓場将輝は持ち味を存分に発揮できている選手の一人だ。弓場は「守備の決まりごとがハッキリしていて、徹底できている。球際の部分で戦える選手でないと試合に出ることはできない」と迷いなくプレーできている。

 

守備に安定感をもたらす浜田太郎

 

 前からの守備は時として後方に広大なスペースを生み出す危険もあるが、片野坂監督は承知の上だ。「高い位置でボールを取るための場所やタイミングは共有できている。それでも蹴られたら全力で戻ればいいだけ。選手には前から行けと言っている」と手綱を緩めるつもりはない。例えゴール前でDFと相手の攻撃陣が1対1、2対2となっても、「GKを合わせれば2対1、3対2でウチが数的有利になる。シュートを打たせるコースやタイミングを限定できれば守れる」(片野坂監督)と自信を持つ。

 

 技術的なミスや連係不足も時折見られるが、そういった点は練習で改善が可能。伸びしろはまだ十分に残されており、プレーの質をさらに高めていけば順位は上がりそう。さらに、けが人が復帰すれば戦力が底上げでき、戦い方の幅は広がる。好転の兆しが見えてきた序盤戦だった。

 

序盤戦を勝ち抜いた大分トリニータの片野坂知宏監督

 

 

(柚野真也)

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