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自閉症息子、きょうだい児、家族全員にメリットが!わが家が土曜日に放課後等デイを利用する理由

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自閉症息子、きょうだい児、家族全員にメリットが!わが家が土曜日に放課後等デイを利用する理由

監修:鈴木直光

筑波こどものこころクリニック院長

なぜ平日だけでなく、土曜日も利用するのか?

私は当初、息子の放課後等デイサービス利用は平日だけを考えていました。なぜなら放課後等デイサービスの利用日数には限りがあるからです。私は在宅ですが仕事をしていますし、平日、息子が学校のあとに過ごす場所があることが最も助かると思っていました。

しかし、息子の特別支援学校入学前、夫と放課後等デイサービスの利用日を話し合った時のことです。夫から、「土曜日を入れたほうがいいんじゃないか」という提案がありました。

わが家には、息子より4歳年下の娘がいます。「娘には息子の事で我慢させてしまうこともあるかもしれないから、土曜日は娘だけのチートデイにしてはどうか」というのが夫の意見でした。それを聞いて、私も「確かに」と思ったのです。

娘は毎日保育園に通っているので、平日の放課後等デイサービスがない日は、娘より息子のほうが早く家に帰ってくることになります。
平日の放課後等デイサービスがない日は息子の日、そして土曜日は娘の日、そうやってそれぞれに向き合う時間をつくるのもいいのではないかと思ったのです。

きょうだい児の娘にも、やりたいことを我慢してほしくない

娘は今5歳。女の子向けのアニメにもハマっていて、映画やキャラクターイベントにも行きたいと言い出すお年頃です。そして、活発な娘は思いきり体を動かす公園や、動物と触れ合える場所なども大好きです。しかし、そういう場所に休日に行くと、どうしても混雑はまぬがれません。息子を連れて行ったらぐずってしまわないか、動きづらくならないかと不安もあります。しかも、息子は娘とは逆であまり動きたがらない性格なので、公園遊びなどのアクティブなことはあまりしないのです。そうなると、娘と息子、2人とも楽しめる場所というのはなかなか難しいものでした。

しかし、土曜日に息子が放課後等デイサービスに通うようになってからは、娘が行きたい場所は、土曜日に心置きなく行けるようになりました。娘はきょうだい児だけど、できる限り好きなことをさせてあげたいし、息子がいるから……と、やりたいことを我慢させたくない。私にはそんな強い思いがあったので、土曜日は重要な意味のある日になったと思っています。親としても、混雑する場所やアクティブな遊びの場へ行く際に、子どもを2人連れていくよりも負担が減るので、助かっています。

息子にもメリット、土曜日だからこそできる活動も

土曜日の放課後等デイサービスは、息子にとってもメリットがあると感じています。土曜日は平日よりも時間が長いので、平日はできないようなプログラムが組まれることもあるのです。学校がある平日では行けない、ちょっと遠い所へのお出かけなどに連れて行ってもらえることもあります。お昼ごはんやおやつをみんなでつくる日もあります。

このように、息子は息子で土曜日を楽しめているのではないかと思うのです。息子としても、妹につき合って苦手な場所に行くよりも、大好きな先生やお友達とのんびり過ごすほうがいいことだってあるかもしれません。

日曜日は家族でのんびり過ごす日

土曜日は娘のチートデイとして、娘がしたいことをする日にしているわが家ですが、日曜日はだいたい家族で一日のんびり過ごします。
息子も行けそうな場所なら家族4人でお出かけすることもありますし、特に何もせず、家でゆっくりすることも多いです。
そうして昼下がりに家族で夕飯の買い物に行って、近所のショッピングモールをぶらぶらしたり、または外食をしたり。そんな、家族水入らずの過ごし方をしています。

放課後等デイサービスのおかげで、バランスのとれた一週間に

わが家が放課後等デイサービスの利用を始めてから3年が経ちますが、一週間がうまい具合にバランスがとれて回っていると感じています。息子は小学1年生の頃より成長し、今ではそれほど苦手な外出先もないかもしれません。しかし、それでも娘は今後成長していくと共に、きょうだいと一緒の外出しかできないことに不満を感じたり、親も気がつかないうちに我慢をさせてしまうことがあるかもしれないと思うのです。今後も土曜日という娘のための日を維持していくことで、娘の発散になってほしいと思いますし、何かあれば普段は言えない気持ちを聞ける日になるといいなと思います。

私たち家族の生活は、平日も土曜日も放課後等デイサービスに支えられており、先生方にはいつも感謝の気持ちでいっぱいです。これからも、放課後等デイサービスのお世話になりながら、子どもたちそれぞれに向き合っていきたいと思います。

執筆/べっこうあめアマミ

(監修:鈴木先生より)
土曜日を娘さんの日にして、お子さんそれぞれに向き合う時間をつくったとのこと、とても良いアイディアだと思います。曜日が固定されていることは、こだわりのあるASDのお子さんにとってもいいことだと思います。外来で爪を噛んでいるお子さんにも「毎週土曜日は爪を切る日にしようね」とお話ししています。

病気や障がいを持ったお子さんのきょうだいには、どうしてもストレスや負担がかかりがちです。特に入院されているお子さんの場合は、付き添いなどで保護者の手が取られてしまうので、きょうだいは甘えたい時に甘えることができません。その結果、きょうだいが腹痛や頭痛など心身症の症状を呈する場合もあります。子どもだけでなく、ご家族の一人が病気になった時も同じです。アマミさんのご家庭のように、放課後等デイサービスなども利用しつつ、家族みんなで協力してやっていくことが大切なのではないでしょうか。

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

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