新潟でのっこみマダイ&泳がせヒラメのリレー釣り満喫【安盛丸】両本命ゲットも活性はいまいちか
5月21日に、新潟県名立漁港の遊漁船『安盛丸』へ、【のっこみマダイ】と【泳がせヒラメ】のリレー釣行に出かけた筆者。両本命を無事にゲットし、最後の最後にドラマも生まれた釣行をお届けする。
マダイ&ヒラメ釣りリレー
5月21日に、新潟県名立漁港の遊漁船『安盛丸』から、のっこみマダイと泳がせヒラメ釣りに出かけた。
毎年の事ながら、この時期は寒冷前線が停滞し天候が左右される事が多い。人も魚も暖かくなれば活性が高いものの途端に冷え込むと鈍くなってしまう。今回も昨年と同じく天候に振り回されては何とか出船にこぎつけた。
雨の影響は無くとも、波浪で底荒れすれば途端にマダイ・ヒラメは機嫌を悪くしてしまう。前日は波浪の影響もあり、時間を遅らせての出船などで釣果も寂しいものであった。期待は高まるものの一抹の不安を抱えて釣行に向かいたいと思う。
片舷を貸し切る
午前中の1便の帰港と共に、荷物の積み替えを行い釣り座にて準備を行う。今回は、右舷貸切として釣り仲間と楽しんでいきたい。
※安盛丸では右舷・左舷の片側から貸し切りが可能であるため、のんびり釣りを楽しみたい方にはおすすめだ。貸し切りという事もあり右舷のトモにて2本竿にてマダイを狙っていきたいと思う。
釣り開始ポイントとなる場所は、直江津第三堤防からの沖合になる。水深は30m前後と砂地が続く産卵には適した場所である。船長の指示と共に釣り開始の合図だ。
2本竿で狙う
【棚はまず10mまで落とす。ビシは振らずびた止めで5mまで巻き上げ】との船長からの指示。この時期のマダイは敏感であるため、すぐに群れが散ってしまう可能性があるため慎重にPEラインの色を見ながら落とし込んでいく。
仕掛けは12m〜15mを目安に船長に確認しながら作り込んでいくと良い。今回は寒冷前線の影響もあったためマダイが浮いていない可能性も考えられるため、1つは軽い仕掛け。2つめは重い仕掛けと状況を把握するために用意した。
仕掛けの違いは仕掛けの2段テーパーに中通し錘を1号があるか無いかだが、その微妙な違いで狙える層が変わってくる。吹き流して自然に仕掛けを流すか、仕掛けが重いぶんより下の層を狙うかこの日の当たり具合を探していく。
軽い仕掛けに3kg級マダイヒット!
なかなか前半は寒冷前線の影響もあるのかマダイの反応が無い。置き竿でひたすら待ち続けると、軽い仕掛けを付けた竿に大きな当たりが出た。慎重にやり取りをすると、のっこみらしからぬ鮮やかなマダイが揚がってきた。サイズは3kg弱だが、良型であった。
この時期は、大型のマダイが釣れるためドラグは緩めの設定でも構わないと筆者は思っている。理由としては、不意のマダイに仕掛けを切られない事は当然だが、マダイが食いついた瞬間に下へ逃げるため針掛かりがしやすく向こう合わせとなりやすい。
逆に慌てて合わせればバレに繋がる。しっかり食い込んだのを確認してから合わせた方が確実だからだ。試行錯誤もするも続かない。
誘って4.5kgマダイ登場!
立て続けにHITかと思いきや後が続かない……。のっこみ本番には間違いないのだが、前線の影響なのかマダイは活性が低い。上がって来ないマダイを釣るには少なからず誘いが必要と感じ、重めの仕掛けを中心に1mの範囲のみで上下の誘いを加えていく。
重めの仕掛けは中通し錘を入れているため、若干ではあると思うが、下ハリスが跳ねるイメージだ。根気よく誘っていくと再び、竿が海中に突き刺さった。
再び、慎重にやり取りをしていくとサイズUPのマダイが揚がってきた。こちらも鮮やかなマダイで4.5kgであった。更に釣果を伸ばすよう意気込むも……。時すでに遅し、のっこみには寂しい釣果となってしまった。
泳がせのためのアジを釣る
コマセマダイの後は、後半戦の泳がせヒラメへ。泳がせヒラメの餌は、各遊漁船にて活アジを用意してくれる。今回は各6匹づつ用意してもらった。ただ近年は活アジの入荷も少ないようで、それ以上の注文は出来なかった。
もし、たくさんヒラメを狙いたいならウグイを用意する事もおすすめする。直江津周辺の釣具店で購入も可能なので検討してもらえればと思う。コマセマダイの時と同じく2本竿にて狙っていきたいと思う。
ただし、片方はアジ狙いだ。この時期は、良型のアジの回遊もあり大きい物で40cmを超える場合がある。お土産確保には、十分過ぎる。
ただ、単純にアジが食べたくて狙うのではなくアジを狙う本当の理由はヒラメを寄せる事だ。泳がせヒラメで効率よくヒラメを釣る一つの秘訣は、一緒にアジを釣ることだ。
アジは快釣
アジ釣りは難しい仕掛けは必要ない。通常の堤防のコマセかごにアミコマセを詰めて、底まで落とし2m前後巻き上げ待つだけだ。HAYABUSAから販売されている【実戦サビキケイムラレインボー】がおすすめだ。
アジさえ寄せれば、コマセ無しでも釣れる仕掛けだ。短時間でクーラーボックスもいっぱいなので本命のヒラメを狙っていく。
2.5kgのヒラメをキャッチ!
アジは寄っては来たが、なかなか本命のヒラメは掛からない。これも寒冷前線の影響か……。ただ、右舷貸し切りのため仲間も同様にアジ釣りをしており早々にヒラメを釣り上げていた。
確実に私の竿にも近づいてきていると信じ待ち続けるとロッドがゆっくり上下に動き始めた。この時間が毎回楽しみな反面、焦れったい瞬間だ。ただ食いつく瞬間をひたすら待ち続ける。
筆者の場合はある程度時間が経過してから竿をホルダーから外し、手にヒラメの感触を感じながら最後の食わせを待つ。
じんわりと魚の重みを感じながら、最後の追い食いの瞬間にアワセを入れる。この瞬間が最高にたまらない!
巻き上げていくと2.5kg前後のヒラメを釣る事が出来た。
最後の最後に5kg超えヒラメ浮上!
筆者の釣り友だが、本日は釣果に恵まれずマダイもボウズであった。仕掛けは全く同じはずなのだが……。こと【泳がせヒラメ】は運の釣りでもある。活アジ次第と言っても過言ではない。誘いや仕掛けのバランスより魚任せになる。釣れなくても仕方ないのだが、やはり釣果が無いのは寂しいものだ。
残り時間は刻一刻と過ぎていく。筆者もサポートに入るが、こればかりは魚の気分次第とは言えるため、元気な活アジを投入していくしかない。置き竿の場合でも波の揺れで竿が跳ねてしまうのでロッドホルダーから先のみ外して竿が海中に浸かるようにする。そうする事で波の影響を抑える事が出来る。
ラスト数分で起きた奇跡
最後の5分でも十分に可能性があると釣り友に檄を入れているが、無常の釣り終了のブザーが鳴って終わりかと諦めた瞬間、突然と竿が海中に突き刺さった。
「キターーーーー!」全員が筆者の声に釘付けだ。小型のヒラメではじれったいが、大物となると活アジを丸飲みする。私が釣るんではないです、〇〇さんが釣るんですよと竿を預ける。ゆっくり慎重に巻き上げていくと揚がってきたのは5kgオーバーのヒラメであった。
最後の最後まで分からないから釣りは楽しみがある。諦めたら試合終了ですよと有名漫画の言葉にあったが、まさに釣りも一緒と感じる瞬間であった。
<藤岡和貴/TSURINEWSライター>