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通信制高校は不登校だから選ぶわけじゃない 「学びを続けたい」に応える魅力

Sitakke

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8月28日発表の最新のデータによりますと、全国の高校生の、実に11人に1人が「通信制高校」で学んでいます。

「学校の先生から勧められた」
「不登校で学校に通えるか不安だった」

通信制高校を選ぶ理由は様々ですが、星槎大学(通信制大学)の手島純教授は「不登校は学校に行かないだけであって、学びを放棄してるわけじゃない」と話します。

多様化する学びの形。いま注目される通信制高校を取材しました。

札幌市中央区にある札幌静修高校です。
2023年に、全日制に加え通信制課程を創設しました。

初年度は28人だった新入生も、2024年度は109人に増えました。

木無真人主幹教諭は「心身の不調が多い子や全日制に入れない子の受け皿として通信制高校が存在していると思っていた」と言いますが…実際にはそれだけではなかったといいます。

「通信制は時間を有効的に使うことができるので、その中で自分が目指す進路に向けて、勉強をもっとしたいという目的を持って通信制高校に入る子たちもいます」

学校に行かないだけで学びたがっている

高校には、大きく分けて「全日制」と、夜間や昼間の特定の時間に学ぶ「定時制」、そして、郵送やインターネットを使って通信教育を受ける「通信制」の3つの課程があります。

いま通信制高校に通う生徒が増えている理由について、星槎大学(通信制大学)の手島純教はこう断言します。

「不登校の児童生徒は増えてます。ただ不登校は学校に行かないだけで、学びを放棄してるわけじゃない。みんなかなり学びたがっているんですよ。学びを続けたいわけです。だから通信制高校を選択する」

通信制課程の単位を取得するには、「レポートの提出」と、学校で授業を受ける「スクーリング」。そして、学校で受ける「試験」の3つが必要となります。

札幌静修高校の通信制課程は、自宅学習を中心に学ぶ「通信型」のほか、学校に登校して学ぶ「通学型」の二つのスタイルから選ぶことができます。

週に1回、登校する「通学型」で学ぶことを選んだ野坂すずなさんに、通信制高校へ進学した理由を聞いてみると…。

「不登校で中学校には行ってなかったんですけど、通信制高校は楽しくて、最初は放課後に来て、でも先生は何も言わなくて温かい目で見てくれて。『学校に遊びに行こう』って気持ちからどんどん来られるようになりました」


ユニークな学びを得られる魅力も

全国には、さまざまな通信制高校がありますが、それぞれの学校が差別化を図り、入学者の確保を目指しています。

語学やダンス、声優のほか、中には起業や投資など、特徴的な学びを得られる課外授業やコースを設定している通信制高校もあります。

札幌静修高校では、農業を学ぶ「アグリコース」があり、今年度は2人が選択。
週1回農作業を通して、栽培から収穫を体験します。

不登校の経験がある早坂祥太さんは、他の学校にはない魅力を感じて、「アグリコース」を選択したといいます。

「育てること自体初めてなので、すごい楽しいです。完全に自分で考えて自立できるので通信制高校はすごく楽しいです」

木無真人主幹教諭は「農作物を作って『おいしいね』っていうことがゴールではなくて、自然の中で経験し対峙する中で、人の都合ではなく自然に合わせていかなければいけないことや、失敗の連続を経験する、心の教育の部分がアグリコースには含まれている」と話します。

「農作物を作りながらいろんなことを感じてほしい」そんな願いを込め、生徒たちを見守ります。

全国拠点の通信制高校では

通信制高校の中で、生徒数が国内で最も多い「N高グループ」。
その数、約2万8000人にのぼり、全国に拠点があります。

N高グループの卒業生で札幌出身の市東美晴さんは、コロナ禍の影響で、全日制高校から通信制高校に転校。
在籍中に、起業の勉強をし、ネイルの会社を立ち上げ、現在は大学生です。

「通信制高校に転校したことで、私のやりたかったことができるようになってきているという実感は、入学して過ごしていく中で感じていて、自分の達成感であったり、やりたいことに打ち込めるっていううれしさが、だんだん勝っていった」

通信制高校の未来について、札幌静修高校の西田丈夫校長は、「不登校の子どもたちはどんどん減ってほしい」と話します。

「真に通信制の柔軟性のある教育課程を選んでくれる社会になってほしい」と願っています。

星槎大学の手島純教授によりますと

■通信制の生徒増加の理由 
・登校日数が選択でき、不登校生徒の受け皿になる
・多種多様のカリキュラムがある
・オンライン学習中心で自分の時間を自由にもてる
⇒一方で、自分で勉強を進める必要があり、学習内容が理解しにくいこともある

■通信制高校を選ぶポイント
・複数の高校を見比べる
・実際に校舎へ足を運び、どんな施設・どんな教員がいるかを確認する

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2024年8月29日)の情報に基づきます。

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