日本屈指の大物トラウトフィールド『中禅寺湖』で50cm超えレイクトラウトをキャッチ!
日本屈指の大物トラウトのフィールド「中禅寺湖」。偶然にもベテランと知り合ったことからレイクトラウト釣行が実現。陸っぱりとボートで挑戦し、待望のレイクトラウトをキャッチすることができた模様をお届け!
中禅寺湖トラウトフィッシング
中禅寺湖は日本屈指の大物トラウトのフィールドだ。レイクトラウトについては1m5cmが記録されている。
そんな大物トラウトを狙いに一度は訪れたいと思う一方で、ボウズも珍しくない難しい釣り場、いつかモンスターがHITする事を夢見て上級者が通うフィールドだ。
特にレイクトラウトは中々釣れない魚、そんなネット情報を見てはなかなか釣行に踏み切れないでいた。
中禅寺湖の釣りベテランとの出会い
そんな中、8月に訪れた大鳥池で同じく釣行に来ていたEさんと知り合う機会があった。釣りをしながらお話を伺うと、Eさんは中禅寺湖での釣り歴40年以上のキャリアをお持ちのベテラン。
厚かましいとは思いながらも、中禅寺湖の釣りをご教授頂けないかお願いしてみたところ、コーチ兼ガイドを引き受けて頂ける事になった。こうして念願だった中禅寺湖トラウト釣行が実現した。
中禅寺湖とトラウト
中禅寺湖は約2万年前の男体山の噴火で誕生した堰き止め湖と言われている。標高1269mの高所に位置することから、明治時代以降に外国人避暑地として開発が始まった。
この頃外国人の要望でカワマスやレインボートラウトといったトラウトの放流が行われた。その後、ブラウントラウトやレイクトラウトも導入され、今日では多様なトラウトが狙える国内有数の湖の一つとなっている。
釣りをする前に
中禅寺湖も他の湖同様に遊漁規則が定められている。今回はベテランのEさんに同行させて頂いたので現地で困るということは全くなかったが、必ず釣行前に確認しておくことをおすすめする。
中禅寺湖の釣りルール
主だった注意点は下記。
釣りができる時間は朝4時から午後6時まで(時期によっては午後7時まで)。これは陸っぱりでも船釣りでも同じで夜間の釣りは全面禁止となっている。
湖の西側は禁漁区域なのでここでは絶対に釣りしない事。また西側と東側の中間地点には時期によって釣り可/不可となる水域があるので事前に確認しておこう。
遊漁券は当日券を現地にある販売所でのみ購入可能。また釣りをする時間数に関わらず、必ず1日券の購入が必要だ。遊漁券の前日購入や販売所以外での購入などは出来ないので注意しよう。詳しくは中禅寺湖漁業組合のHPをチェックしてみてほしい。
圧倒的な景観に感動
色々と連絡を取らせて頂き、ついに中禅寺湖での釣り第一日目を迎えた。当日は思いが通じたのか朝から快晴、絶好の釣り日和である。馬返し駐車場で大鳥池以来となるEさんと再会、有名な日光いろは坂を上って初の中禅寺湖へ向かった。
初めて見た中禅寺湖の第一印象はデカい!だった。山上湖ながら外周は約25kmもあるらしい。また深いブルーの湖面も印象的だ。最大水深160mを超え、その深さがこの湖面の青さを生み、トラウトが生息出来る低水温を保っているとの事だ。
初日は陸っぱりで挑戦
国道側と呼ばれる湖岸沿いにクルマを走らせ、まずは13番と呼ばれるポイントに到着。すぐ目の前の水面には小魚たちが群れており、湖面の深いブルーがさらに気分を盛り上げてくれる。先行者に声をかけ隣に入らせて頂く。
ついでに釣果を聞いてみるが、やはり釣れていないらしい。何しろ真夏の8月である。人間がエアコンを効かせた室内にいるように、魚も水温の低い深場にいる。ただでさえ冷水を好むトラウトにこの時期の陸っぱりからの釣りはかなり厳しいのだ。
手当たり次第にルアーを変えつつ何度もキャスティングを試みるがあたりはない。普段ならここで飽きてしまうところなのだが、この日は不思議と全く退屈を感じない。
中禅寺湖の綺麗で雄大な景色の中で釣りをしていると釣果すらどうでも良くなってしまった様だ。気持ちの良い時間が過ぎて初日の遊魚時間終了を迎えた。
2日目は念願のレイクトローリング
2日目は念願のトラウトのレイクトローリング。実はこれがしたくて数年前に小型船舶免許も取得していたのだが、その専門性の高さから最後は実行に移せないでいた釣りの一つだった。
まだ日の出前の朝4時に出航。いよいよトローリング開始。Eさんからタックルと釣り方についてレクチャーを受けながら最初はヒメマスを狙い、昨日とは反対の湖岸である山側と呼ばれるポイントを流してゆく。
時々水面を割るボイルにキャスティングを試してみたりもするが朝マズメはHITなし。周りのボートもどうやら釣れていない様子だ。
待望のレイクトラウトと対面!
ここからレイクトラウトやブラウントラウトに狙いを変更して探ってゆくことになった。
フランス大使館別荘前(通称フランス前)のポイントを流していたところで突然リールが鳴り、Eさんがボートを急加速させる。
トローリングの仕掛けは数十mもの長さを流しているので人の手で竿を煽ったくらいでは仕掛けはほとんど動かない。その為、こうやってボートの急加速でフッキングするのだそうだ。
重いトローリングタックルに戸惑いながらどうにか巻き上げると、上がってきたのは何とレイクトラウトだった。高水温に弱い為、手早く写真だけ撮ってリリースする。
40cmの小型サイズではあったが、念願の中禅寺湖で念願のレイクトローリングで念願のレイクトラウトを手にすることができたのだ。念願だらけで感無量である。
「釣れてホッとしました」Eさんは中禅寺湖初挑戦である私の釣果をずっと気にしてくださっていたらしい。いや、ホントありがとうございます。
ジギングで50cm超えレイクトラウト
「魚探に反応があります。真下にルアーを落としてみてください」Eさんの言葉に従い真下にジグを落として数回軽く竿を煽ると急に重い当たりがきた。
今度はジギングでレイクトラウトが釣れた。しかも先ほどより大きい 50cmオーバーだ。手早く写真を撮ってリリースしようとした時、ふと思った。「どんな味だろう?美味いのかな?」滅多に手にすることのないレイクトラウトである。
どうせなら味も知りたい。探究心から1匹だけ持ち帰って食べてみることにした。尚、持ち帰りについては尾数制限があるので注意。
ビッグヒット到来
さらにポイントを移動しつつ流していると再びリールが鳴った。巻き上げようとするが手ごたえが重すぎる。根掛かりですかね?とEさんに聞くと、「魚ですよ」との答えが。マジですか?こんなゴツいタックルでこんなに重いなんて……。
なかなか巻き取れないので少しドラグを締めてみることにしたのだが、ここで痛恨のミス。ダイヤルを逆に回してしまったのだ。慌てて締め直したが、ラインが緩んでしまったせいか巻き上げ途中でバレてしまった。「ん〜、もしかしたらデカかったかもしれないですね……。」
ブラウントラウトもHIT
再び国道側に移動しポイントを流しているとEさんの竿にあたりがきた。ずっとガイドに徹してくれていたEさんだったが、長く重いトローリングロッドとリールを慣れた手捌きで扱い、グングン魚を寄せてゆく。経験に裏打ちされた安定した動きだ。上がってきたのは50cmオーバーのブラウントラウト。
「ちょっと小さいけど……」と言いながらもEさん嬉しそうだ。しばらく流していると今度はレイクトラウトがHIT。落ち着いた動きでネットに入れると水から上げず水中で素早くフックを外しそのままリリース。
その後またまたレイクトラウトがHIT。またまた手早くリリース。曰く「サイズが小さいですから……」とのことだが、針にかけてからリリースまでの時間の短さや手際の良さからはEさんの魚を思いやる気持ちが伝わってくる。あれなら魚へのダメージも最小限だろう。釣りの技術以上に見習うべきはその姿勢だった。
レイクトラウトは美味!
持ち帰ったレイクトラウトは翌日調理してみたのだが、淡白なトラウト系の中でもかなりしっかりとした味がする。個人的にはこれまで食べたトラウトの中で一番美味しく感じた。
唐揚げのレモンバターソース
半身を一口大に切り、片栗粉をまぶす。最初に低温で火を通した後、油を高温にして2度揚げすると表面がカリッと仕上がる。耐熱容器にバターを入れ、レンジで1分程度加熱する。液状になったバターが冷めないうちにレモン果汁を加えて混ぜ合わせる。唐揚げを器に盛ってソースをかけたら完成。
夏野菜でホイル焼き
アルミホイルにオリーブオイルを塗り玉ねぎ、人参などの野菜を敷く。塩とコショーで下味をつけたトラウトを置き軽く白ワインをふる。その上に輪切りにした夏野菜を並べてホイルに包む。フライパンに置いて蓋をしたまま弱火で蒸し焼きにする。火を止めてバターを置き、蒸らしたら完成。
アテンドに感謝
実はこの釣行の最後は豪雨になり、満足にお礼も言えないまま慌ただしく現地解散となってしまった。Eさんのおかげで初の中禅寺湖釣行で釣果を得ることができただけでなく、貴重な知識や経験を積ませて頂いた。
ここで改めてお世話になったお礼を述べたい。本当にありがとうございました。ぜひ来年また中禅寺湖でご一緒しましょう!
<夏野/TSURINEWSライター>