16mmフィルムで10年かけて子供たちを撮影する、奇跡のプロジェクト「刻」から生まれたオムニバス映画『満月、世界』
初⻑編映画『空(カラ)の味』で、「第10回⽥辺・弁慶映画祭」弁慶グランプリ・⼥優賞・市⺠賞・映検審査員賞と史上初の4冠に輝いた塚田万理奈監督の最新作『満月、世界』が、9月21日(土)より公開される。(長野ロキシーでは8月16日より先行上映)このたび、本予告と本ポスタービジュアルが解禁。さらに、塚田監督からコメントが到着した。
奇跡のプロジェクト「刻」から生まれた
本作は、「刻(とき)」(2020年から監督が出⾝地・⻑野市で地元の⼦ども達と制作を続けている、16mmフィルムで10年をかけて撮影するプロジェクト)撮影の中で、⼦ども達⾃⾝と触れ合い生まれたオムニバス映画。すでに「ロッテルダム国際映画祭」2023⼊選(『世界』)など、数多くの国際映画祭で上映され、「光の魔法、引き算の美学、詩的な世界(Filmexplorer・スイス)」など絶賛されている。
子どもだって絶望してる。だけどあなたは世界の光。
いつも通り過ぎていく日常の中で、小説を書いたり音楽に没頭しながら、自分の居場所を探す中学生の物語『満月』(主演・満月)。吃⾳のある中学⽣と、夢をあきらめつつあるミュージシャンの日々が交差していく『世界』(主演・涌井秋)。
自分の中学時代から、大人になるまでに感じたものを、残しておきたい、と思い、私の体験を基に、子どもたちが大人になるまでの10年間の物語を書きました。それを撮ろうと思った時、ひとりの子どもと、10年間かけてその物語を追いたい、と思い、10年かけて、ひとりの役をひとりに任せて、撮影することにしました。(「刻」現在撮影中です) その作品に出演してくれる子ども達を探し、色々な出会いを起こしました。
私は私の過去を残したくて、作品「刻」を作ろうと始めました。
けれど、子ども達と出会い、撮影しながら交流していくうちに、今を生きるあの子達、あの子達が生きる未来、それを見つめに生きるようになりました。膨大な可能性を持つ彼らは、その未知な未来に、不安や恐怖を抱いている。絶望も持っている。けれど、その膨大な可能性は、希望です。彼らはこの世界の光です。
彼らの光が残る世界でなければ世界はダメだ。あの光を残さねば。そう思い、彼ら自身から脚本をかいた作品が、この『満月、世界』です。ただあの子達を見つめただけです。
でも、私は光を見ている。残れ光。
子ども達。ありがとう。あなた達は世界の光だ。
(塚田万理奈)
『満月、世界』は9月21日(土)より渋谷ユーロスペースほか全国順次公開