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村田修一、丸佳浩ら他球団の大物打者を獲得してきた巨人の歴史後編

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丸佳浩,ⒸSPAIA

江藤智、小久保裕紀、小笠原道大ら獲得

中田翔を電撃的に日本ハムから獲得した巨人は、これまでも他球団から多くの主力級の打者を獲得してきた。2000年以降「巨人に移籍した他球団の強打者」を振り返る。


2000年代に入っても、巨人はFAで強打者獲得を続けた。2000年には広島から本塁打王2回、打点王1回のスラッガー江藤智が入団した。

この時期は生え抜きの松井秀喜、高橋由伸にFA移籍の清原和博、江藤智が中軸打線を組んでいたが、松井秀喜は2002年限りでMLBヤンキースに移籍。巨人はこの穴を埋めるべく近鉄のタフィ・ローズ、ヤクルトのロベルト・ペタジーニら外国人選手を獲得した。

さらにダイエーの主軸・小久保裕紀を2003年オフに無償トレードで獲得。小久保はダイエー球団側に不満を抱いていたとされるが、移籍の真相がはっきりせず「疑惑の移籍」と言われた。小久保は巨人に3年間在籍し、最初の2年は主力打者として大いに活躍した。

ユーティリティプレイヤーだった木村拓也は2007年、トレードで巨人に移籍。巨人での4シーズンでは内外野だけでなく捕手も守り、スタメンでの出場も多く貢献度が高かった。

引退後も巨人コーチとして活躍したが、2010年4月2日、広島戦の前にシートノックをしていて突然倒れ、5日後に息を引き取った。野球界に大きなショックが走った。

小笠原道大は2006年に日本ハムで本塁打、打点の二冠王を獲得しMVP、翌2007年にFAで巨人に移籍したが、この年も31本塁打88打点、打率.313と活躍しMVP。リーグをまたいで2年連続のMVPは史上初だった。小笠原は移籍から4年間は30本塁打90打点、打率3割をマーク、以後は衰えたが、圧倒的な実績を残した。

小笠原と同じ年にオリックスの谷佳知もトレードで移籍。「右のイチロー」と言われた安打製造機で、移籍1年目も3割を打ったが、それ以降は次々と新戦力が登場して、出場機会に恵まれなかった。

谷はオリックス時代に1406安打を打っており、2000安打は確実と思われたが、巨人では515安打にとどまり「あと79本」を打つためにオリックスに復帰したものの2年で計7安打。通算1928安打でキャリアを終えた。

村田修一、片岡治大、陽岱鋼、丸佳浩らがFA移籍

2010年代になって、FAを中心とした巨人の補強はさらに頻繁になった。


2012年には横浜ベイスターズから本塁打王2回の大物、村田修一を獲得。成績に波はあったがベストナイン3度、ゴールデングラブに3度輝いた。2017年の時点で2000安打まで135本に迫っていたが、巨人はこのオフに村田と契約せず、独立リーグで1シーズンプレーしたのち引退。「非情な人事」と言われたが、現在は巨人のコーチを務めている。

西武の片岡治大は4年連続盗塁王のスピードスター、巨人でも大いに期待されたが、移籍後は規定打席到達は1年だけ。けがや故障が多くなって34歳で引退した。片岡も巨人のコーチを務めている。

2017年の陽岱鋼は、日本ハムで一番、三番を打った攻走守そろった外野手。出身地の台湾では国民的英雄になっており、巨人移籍のニュースは台湾の新聞では一面で報じられ、推定5年15億という大型契約も話題になった。

しかし、陽は1年目から故障がちで怪我に悩まされ、1度も規定打席に到達することなく契約満了年を迎えている。2021年はシーズンの大半を二軍で暮らし、8月終盤に一軍に昇格したが、代走や守備固めに甘んじている。

2019年には広島の丸佳浩をFAで獲得。丸は前年まで2年連続でMVPに輝き、広島のリーグ3連覇の最大の立役者だった。同一リーグへの移籍の衝撃は大きく、広島は翌年からBクラスに転落、一方で巨人は連覇を果たした。

また同年、西武の正捕手だった炭谷銀仁朗をFAで獲得。西武では森友哉の成長に伴って控えに回っていた。巨人は阿部慎之助の後釜の正捕手争いが起こっていたが、炭谷はこれに割って入った形だ。

2020年になって大城卓三が正捕手になりベストナインに選出されると、原辰徳監督は翌2021年7月に炭谷を楽天に無償トレードに出した。出場機会を求める炭谷の意向を尊重した形だ。

そして2021年にはDeNAから梶谷隆幸をFAで獲得。梶谷はスピード感のある外野手で、陽岱鋼や丸佳浩とポジションが重なるが、原辰徳監督は躊躇しなかった。大枚をはたいて獲得した選手でも、働かなければ控えに回すという固い決意が見て取れた。しかし悩ましいことに梶谷も故障がちで、期待通りの活躍とは言えない。

張本勲と酷似している中田翔の球歴

今回移籍した中田翔はFAではなく、無償トレードでの巨人入団だ。FA選手は大型契約に加え、人的補償などのコストもかかっているので移籍当初は優先的に起用することになる。

しかし、中田翔は日本ハムでの年俸の一部を肩代わりしただけであり、獲得コストは小さかった。そのこともあって、結果が出なければ出場機会は減っていくと考えられる。それだけ厳しい境遇での再スタートなのだ。

広島県生まれで大阪の高校を出て、日本ハム(かつての東映)に入団し、背番号「10」をつけて巨人に移籍。

中田翔は巨人の大型トレードの最初の1人である張本勲と驚くほど状況が似ている。張本は長嶋巨人初優勝の原動力になったが、中田翔も原巨人の優勝に貢献できるだろうか。

※成績は9月1日現在

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記事:広尾晃

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