蛇口ひねるとミカンジュース テスト販売好評で本格スタート 砂糖不使用で「こんなに甘いの!?」
■伊東市のフルーツパーラー伊豆旬実堂 7月13日から販売開始
オレンジジュースの不足や値上げが続く中、静岡県伊東市の「フルーツパーラー伊豆旬実堂」が7月13日から「蛇口からみかんジュース」の販売を始めた。テスト販売期間で好評だったことから、本格的に販売を決定。砂糖を一切使っていないにもかかわらず、実際に口にした人からは「ミカンだけでこんなに甘いの!?」と驚いているという。
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フルーツパーラー伊豆旬実堂は伊東駅から徒歩30秒の距離にあるフルーツスイーツ専門店で、今年3月にオープンした。地元のミカンを使ったソフトクリームやフルーツソーダといった食べ歩きにピッタリなメニューや、フルーツソースをトッピングしたプリンやチーズケーキなどお土産にも好評なスイーツをそろえている。
6月にテスト販売したのが「蛇口からみかんジュース」。その名の通り、蛇口をひねると果汁100%の温州ミカンのジュースが出てくる。ミカン本来の味にこだわり、砂糖は一切使っていない。地元の農家が栽培した温州ミカンの外皮を1つう1つ手でむいて、果肉だけを丁寧に搾汁した。
テスト販売では子どもからお年寄りまで好評だったため、本格的に販売すると決めた。果実感たっぷりのトロンとした味わいに「みかんだけでこんなに甘いの!?」といった声が上がっているという。
■1杯360円 カップギリギリまで注ぐコツは…
伊東市とミカンの関わりは深い。温暖な気候と適度な降雨量、さらに肥沃な土壌は柑橘栽培に適しており、その歴史は江戸時代から続いていると言われている。特に明治以降、技術の進歩とともに栽培面積が広がり、全国的にも知られるようになった。戦後の名曲「みかんの花咲く丘」は伊東市の宇佐美がモデルになっている。
最近は原料の供給不足により、飲料メーカーが相次いでオレンジジュースの販売休止や値上げを発表している。オレンジは海外に依存しており、中でも最大の輸入先となっているブラジルで天候不順や病害による不作が続いている。供給不足に加えて、仕入れ価格も上昇しているため、日本では“オレンジショック”が広がっている。原料に違いがあるものの、オレンジジュース好きの口にはミカンジュースも合うだろう。
フルーツパーラー伊豆旬実堂(伊東市湯川1-16-13)の営業時間は午前9時から午後5時まで。定休日はない。蛇口からみかんジュースは1杯360円。注文したらカップ(150ミリ)を受け取り、蛇口をひねってミカンジュースを注ぐ。店によると、最初はしっかりと出してから徐々にゆっくり注ぐと、カップギリギリまで上手く入るという。
(SHIZUOKA Life編集部)