出社回帰やABW普及の影響は? コクヨが最新レポートでオフィスづくりの傾向を分析
コクヨ(大阪府大阪市)は10月24日、同社が手掛けたオフィス構築の図面から得られる情報を集計・分析したレポートを公開した。オフィスの人数規模別の解析などを通じて、今後のオフィスづくりにおけるキーポイントを考察している。
「2025 OFFICE DATA BOOK」では、執務エリア、会議・ミーティングエリア、支援エリアなど、5つのゾーンに分類して分析を実施。なかでも執務エリアの面積やデスクスペースの割合は、約6割で定着していることが明らかとなった。
執務エリア面積もデスクスペースの割合もほぼ「6割」で定着
通路を除いた執務エリアのうち、デスクスペースが占める割合は59.9%だった。オフィスの過半数(55.6%)がABWを導入しており、デスク以外のスペースを含めた面積の割合も、いずれも2024年度版とほぼ同程度となっている。レポートでは、ABWが普及してきた近年の傾向が、数値として定着しつつあると分析している。また、デスク幅は約8割のオフィスで1200mmが採用されている。
オフィス全体に占める執務エリアの割合は64.3%だった。2024年版との差は約1ポイントにとどまり、こちらも6割程度で定着していることがうかがえる。
フリーアドレスの席設定率は、2024年度版と同様に、在籍者数に対して座席数を80%以上と設定しているオフィスが約6割を占めた。Web会議ブースやソファ席などの採用率は、前年度に比べてやや低下している。また、一人あたりの面積は8.8平方メートルだった。
会議室の割合に大きな変化、「来客用」が大幅増加
一方で、大きな変化が見られたのが「会議・ミーティングエリア」だ。来客用会議室の割合は45.2%と、社内会議室(17.2%)の約2.6倍に上った。両者がほぼ同割合だった2024年度と比べ、来客会議室の比重が大きくなっている。
会議室の規模に着目すると、13人以上が利用可能な大型会議室の割合が26.6%と最も多く、12人用の会議室と合わせると、来客会議室の方が社内会議室よりも約20ポイント高い割合を占めている。
また、ミーティングスペースも大型化が進んでおり、「8人用」の割合は2024年度の5.2%から、2025年度には26.0%へと大幅に増加した。
レポートでは、「会議室・ミーティングスペースの在り方が変化していると言えるのではないか」と指摘。出社回帰の影響により、対面でのコミュニケーションや社外との打ち合わせの機会が増加している可能性があると考察している。
多様な働き方サポートに向け、執務エリアに支援機能を連携させる方法も
倉庫や書庫、印刷室、更衣室、食堂といった「支援エリア」が占める割合は、オフィス全体の7.2%で、2024年度より減少した。レポートでは、支援エリアの機能について、今後はサーバールームや医務室など、執務エリアに組み込むことが難しい機能のみが残っていくのではないかと分析している。
同社のワークスタイルコンサルタントは、「会議室は企業の特色や働き方が現れやすく、変化しやすい要素といえる」とコメント。その上で、オフィス全体の約65%を占める執務エリアの機能向上に注力することの重要性を指摘し、利用しやすさの観点から支援機能を執務エリア内に取り込むことの検討を提案している。
「2025 OFFICE DATA BOOK」は、同社のオフィス空間設計部門が手掛けた2024年竣工しゅんこう案件のうち、用途・設計範囲などの条件がそろう36件を対象に調査を実施。500人以下の規模のオフィスが9割を占めている。資料は同社の公式ウェブサイトからダウンロードできる。