『紅月』はいい男が多いんです~梶田拓希・武子直輝・神永圭佑インタビュー 『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』-Our First Fight-
大人気アプリゲーム『あんさんぶるスターズ!!』を原作とする舞台、『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』(通称:あんステ) の、2026年最初の舞台は『fine』と『紅月』にスポットを当てた「-Our First Fight-」だ。アプリ内ストーリー「決別!思い出と喧嘩祭」を上演する。夢ノ咲学院の生徒会長・天祥院英智と、副会長で幼馴染の蓮巳敬人が、互いのユニットの信念とプライドをかけた大勝負。舞台化するならこのストーリーを!と推す声も以前から多く、まさに待望の舞台化となる。
今回は伝統芸能を重んじる和風ユニット『紅月』のキャスト三人に話を伺った。蓮巳敬人 役の梶田拓希、鬼龍紅郎 役の武子直輝、神崎颯馬 役の神永圭佑のうち、武子と神永は前作より続投、梶田は今回の公演が初出演となる。
本インタビューでは、役作りへの悩みや個々のキャストの関係性、【喧嘩祭】への意気込みを伺った。
『紅月』は同じ目標に向かう同志たちのユニット(梶田)
ーー公演が決まっての感想、どんな舞台にしたいかを教えてください。
武子:僕と神永くんは『あんさんぶるスターズ!エクストラ・ステージ』~Destruction × Road~(2019年) 、『あんさんぶるスターズ!エクストラ・ステージ』~Meteor Lights~(2021)の 2作に参加したんですが、追憶(過去編)が多かったんですよね。初めて本編軸がメインのストーリーなので、新しい試みで挑めそうだなと思いました。
梶田:僕が今まで演じてきた役柄は部下やチームの参謀役が多かったんですが、蓮巳敬人くんは『紅月』リーダーで学院でも副生徒会長という立場。多くの人の代表になるような立場を務めることになって緊張していますし、僕で大丈夫かなという若干の不安もあります。
武子:でも、そういう人が蓮巳をやったほうがいいんだよ。彼はすごく頑張り屋さんだから、緻密な努力をする人のほうが役に合う。とことんがむしゃらにやっている人の方が、圧倒的にいい蓮巳になると思いますよ。
神永:うん。これでいいや~の人は多分向かないですよね。
梶田:……! その言葉を信じてがむしゃらに向き合っていきたいと思います。僕はまだそれしかできないので。
神永:がむしゃらに向き合うというのは、我々も一緒ですからね。
梶田:器用じゃないので二人に助けていただけると嬉しいです。
武子・神永:もちろんですよ。
神永:『紅月』がメインのお話に出演できることが、新たな『紅月』としてすごく楽しみであり、身が締まる気持ちでもあります。
ーーご自身のキャラクターやユニットをどのように捉えていますか。
武子:基本みんな硬派ですよね。芯が通っていて、男らしくてかっこいい人たちだと思います。でも自分の弱さを理解しているところもある。神崎や蓮巳も、紅郎と同じように自分の弱さを知った上で覚悟を決めて生きていることを、お互いに知っているように思います。まあ、ふたりに対しては若干親みたいな雰囲気の立ち振る舞いっぽいことをしているようにも見えますね。
梶田:他のユニットと比べて、仲良しというより同じ目標に向かう同志みたいなイメージが強いです。いい意味で馴れ合いをしない、そういうのが伝わってきますね。そして「血よりも濃い絆」!
武子:『あんスタ!!』ってすごく長く続いている作品で、今もさらに進化し続けているので、全体を把握するのがすごく難しい。初めて役を担ったときにも、すでにある莫大な量のストーリーの中からいろいろ探っていくのってすごく大変だなと思ったよ。
梶田:過去の『あんステ』作品を見ていた時に、この蓮巳はどの時間の蓮巳なんだろう? これから自分が演じる蓮巳はどんな経験をしていて、どんな立ち位置にいるんだろう? っていう時間軸や関係性の把握がなかなか難しくて。
武子:わかるわかる。僕もここは過去で、こっちは現在なんだとか、頭ごっちゃになるもん。
梶田:その先の彼を踏まえてしまうとまた違う人になってしまうと思って。そのあたりはしっかり整理しながら彼を見つけたいと思います。
神永:神崎も『紅月』も硬派であり、優しくもあり。誰かのために体を張れる連中で、その優しさが「思いやり」から形成されたものだなということは思っています。仮に蓮巳と神崎の関係にヒビが入っても、鬼龍はうまく癒すというか。誰もが何かを気にかけていて、そのベクトルがそれぞれしっかり人に向いているからこそ、すごく絆が強いユニットなのかなっていう印象はずっとありますね。
ーー自身の演じるキャラクターを初めて見たときの第一印象を教えてください。
武子:最初は「怖っ!」と思いました。一般的にアイドルにはすごくキラキラしたイメージがありますよね。例えば『Knights』はキラキラ眩しい華やかな騎士というユニットで、一目でアイドルだとわかる。でも『紅月』は和のスタイルだし、鬼龍は眉間にシワが寄っていたりとか硬い表情も多かったので、第一印象は、アイドルなのに「怖い!?」っていうのが先に来ちゃいました。でも作品に触れたら「めっちゃ推せる!」という部分がすごく多くて。妹の憧れのアイドルになって、『紅月』を経て本物のアイドルを目指すところとか。一人ひとりのキャラクターにこれだけしっかりしたエピソードがあると、感情移入しちゃう部分も出てきますね。
梶田:僕は「賢そうなキャラだな」というのが第一印象です。実際賢いけど、出来事に対して上手に感情を行動で表現できないような不器用さなど、可愛さもあるキャラクターなんだなって思っています。原作ストーリーの最初の頃はヒール役を自分から担っていく部分もありましたが、彼は泥臭いこともできる、賢いだけじゃなく男らしくて優しいキャラクターなんだなというのがわかったので、これから演じるのがすごく楽しみです。
ーー敬人くんはメガネをかけていますし、賢そうなイメージがありますよね。
梶田:はい。自分にメガネは似合わないと思っていたんですが、ビジュアル撮影で装着して「あれ? もしかして意外といけるかも?」って。
神永:めちゃくちゃかっこよかったよ!
武子:かっこよくて、度し難かったよ!
梶田:本当? 今後はメガネも愛していきたいなと思っています。
神永:僕は、『あんスタ!!』がまだ世に出る前だから、十代の時に颯馬に初めて会っています。当初はまだユニット数も少なくて、アイドルたちを可愛いなぁと見ていった中で「……刀? な、なんのキャラ?」みたいなことはまず思いました。その後、家の事情や流派のことは知りましたが、まず最初に思ったのは危ないやつなのかなと。
武子:紅月、三分の二は危ない!
全員:(笑)。
ーー見た目は危なくても、情に厚くて仲間思い。かっこいいし可愛いところもある。そんなギャップも魅力だと思います。
神永:そう、いい男が多いんです。
武子:『紅月』は男が好きになるアイドルだよね。
梶田:『あんスタ!!』初心者から見ていても、『紅月』はかっこいいなって最初に思いました。
武子:和のスタイルがいいよね。
「声も演じているからこそ、わからない」(神永)
ーー役作りについて苦労したこと、していることなどを教えてください。
武子:声です。僕は地声が高めなのですが、キャラクターの声を担当されている神尾(晋一郎)さんの声がとても低い! ゲーム原作の2.5次元の舞台をやるうえで、ビジュアルとボイスが思いっきり原作になるので、僕はまずそこから寄せようと思うんです。常に元になるものを意識したく。なので、神尾さんの声に近づけようと低く低くやろうとしていたんですが、そうなるとマイクに声が乗らない……。そういう部分でどう作っていこうかと『あんさんぶるスターズ!エクストラ・ステージ』~Destruction × Road~の時はすごく研究しましたね。その甲斐あってか、『あんさんぶるスターズ!エクストラ・ステージ』~Meteor Lights~の時はなんとなく普通にできていました。実は昨日Blu-rayで公演を見返したんですが、結構イケてましたね。『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』-Party Live-(2023年)では歌もできてるじゃん! って。
神永:アゲるねぇ(笑)。
武子:自分の評価をなによりも気にするので!
神永:僕は声も演じているからこそ、わからなくなった時期がありました。これでいいのか、どうすればいいのか。でも何にそう思わせられているのかもわからない。
武子:『あんさんぶるスターズ!エクストラ・ステージ』~Destruction × Road~の時、言ってたね。覚えてるよ。
神永:本当にめっちゃ悩んでた。その時、直くん(武子)や宮澤(佑)くんともたくさん話して、「お前が声をやっているんだから、お前が正解だろう」というようなことを言ってくれて。その一言に背中を押されて今があるという感じです。
梶田:まずは『紅月』や『fine』のことを、蓮巳がどう思っているかという部分の研究から始めています。特に今回は天祥院英智との幼馴染との話でもあるので、まずその周りの人物に対して蓮巳がどう思っているかを考えながら作っていけたらなって思います。あとは大先輩のお二人からたくさん教えていただくつもりです。
ーーでは、武子さん、神永さんから梶田さんに一言アドバイスをするとしたら?
武子:公に言うことではないことかもしれませんが、僕らは特段すごく仲良いっていうグループではない気がするんですよね。公演期間に入ると親密にはなりますが、プライベートで連絡をとることもなく、仕事として居合わせているというのがなんとなく話さなくてもわかるというか。舞台の『紅月』を守れるように一緒にやっていければいいですし、それが多分何よりも『紅月』らしくなるんじゃないかな。だから頼りたいところはガンガン俺にも神永くんにも頼っていいし、そういう気持ちでいてくれたら嬉しい。
神永:何かあったら聞いてほしいのはもちろん、『紅月』のセンターだから自信を持ってやってほしい。けれど新しい三人の『紅月』ではあるから僕らも一緒にもう一回作り直すし、逆に何か思うことがあったら言ってほしい。そういう高め合いをして舞台上でもプライベートでも嘘を付かないでしっかり作っていければ、男としてのかっこよさみたいなものが出て、今回の『紅月』もいいねって言ってもらえるかなと思います。こちらこそよろしくだし、一緒に頑張っていきましょうってね。
ーー個人的に気になるのが『紅月』の衣裳です。和がベースの衣裳なので、袖の長さなどダンス中の処理が大変そうでは? と思うのですが。
神永:衣裳よりは小道具のほうが大変ですね。
武子:過去に、ヒラヒラの長い布がついた扇子を使って踊った時があって。それをきれいに見せるのも大変なのに、踊りも特殊で! 三人の振りを揃えるのも非常に難しかったです。『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』-Party Live-では番傘も使いましたね。
神永:ああ、やりましたね。それも苦戦した思い出が。『紅月』は曲調が和ロックっぽいところもあるし、振りにあわせて小道具を使うのがなかなか難しい。「止め」、「力強さ」を意識しないといけないから、ワンフレーズだけでも大変。フルでやったら、倒れます(苦笑)。フルで通してやって、終わった瞬間に三人ともその場で倒れるという、過去の稽古動画がまだ僕のスマホに入っています。
武子:(笑)。文句を言いながら練習していた記憶はあるよね。「無理だろー! できねーよー!」って。でもできたら、すっごくかっこいいんです。ステージ上でやると楽しいんですけど、そこに行き着くまでが大変っていう……。
神永:何回も心が折れそうになります。
梶田:僕はヒップホップとかよりも、舞っぽいジャンルのほうが得意です。指先まで意識して動と静を表現するような、綺麗に見せる止め方とかですね。なので『紅月』のパフォーマンスは得意分野かもしれません。
武子:おおマジか! そうだよ、拓希はダンス得意なんだよね。
神永:頼もしい!
ーービジュアル撮影についての感想をお聞きしたいです。
武子:すげぇいっぱい撮りましたね。
神永:確かに。5、6時間ぐらい?
武子:今回は新しく喧嘩祭衣裳を着させていただいて。この素材がすごく良くて、袖を通しただけでテンションが上がるというか。もう舞台映え間違いない、って思いましたね。今まで制服とユニットの専用衣裳以外は着る機会がなくて。『デッドマンズ』と『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』-Party Live-のスーツ以外では初めてかな。
梶田:おふたりとも『紅月』としての新衣裳は初めてってことですか?
武子:ですね。原作の【喧嘩祭】では、鬼龍が衣裳を作ったのではなく、嬢ちゃん——プレイヤーさんが作ったというエピソードなので、そういうところも素敵な衣裳だと思います。
梶田:僕、この時に初めて「蓮巳敬人」のビジュアルになったんですが、今までたくさん舞台でキャラクターをやらせていただいてきた中でも特に馴染んでいて、自分に似合うなと思った印象でした。これは結構イケるのでは!? という自信になりました。
武子:うん、めっちゃ蓮巳敬人だ! って感じがしたよ。
梶田:嬉しい! でも喧嘩祭衣裳の撮影の時、足を入れるところを間違えていまして。片側に両足を入れていたから、ちょっと動きにくかったんです。脚を開くポーズの時にようやく気付いたという。
神永:本番でやっちゃったら怖いね。振付では足開いてっていうのもあるだろうから。
梶田:それはやばい! 早替えも気を付けないと。
神永:僕は今回、しっかり体を作ってみようかと。ビジュアル撮影に合わせてある程度まで整えたんですが、ここ数年の中だと自分的には一番軽い体重でした。でもまだまだだと思っています。公演時は、いつも着ている制服やユニット衣裳は言わずもがな、新衣裳でどういうシーンがあるのか、そしてその捌き方は気になるところです。
「日々樹 渉役の安井一真さんへお願いが」(武子)
ーーIf質問です。現在の「あんステ」メンバーやキャラクターと、もし何か対決をするとしたら、誰とどんなジャンルで挑みますか?
神永:じゃあ僕は、武子直輝くんとタッグを組んで、(三毛縞 斑役の)横井翔二郎くんをいじります。彼がそれを綺麗に捌けるかどうかという勝負です。
武子:我々のボケはもう大変! 『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』-Party Live-でステージに上がる前に、横井さんの顔がどんどん顔が険しくなっていくのは見物だったよね。「うるせえ、うるせえ~~!」ってめっちゃ言われてた(笑)。
ーー裏ではそんなことが!
武子:僕は、うーん。早食い対決とかかな。
神永:作るほうではなく?
武子:作るほうは得意だから誰にも負けないもん。お話になりませんね! あっ、『Valkyrie』の(影片みか 役)猪野広樹くんを誰が極限まで煽れるか対決とかいいかも。猪野くんは、仕事に対してすごいストイックなので、今ちょっと声かけても大丈夫かな? って雰囲気の時があるのですが、僕は猪野くんとすごく仲が良いのでプライベートでもガンガンいってます。猪野くんをあれだけ煽れるのは僕と(月永レオ 役の橋本)祥平くらいじゃないかな!(良い笑顔)
梶田:僕は、最近リズム感を鍛えるために「太鼓の達人」というゲームを買ったので、みんなでその勝負をしたいです!
武子:棄権しようかな。多分勝てない。
梶田:僕も下手なんですが、頑張って練習しているので少しずつ練習の成果が出てるかなって確かめたく。
神永:三人でやろうよ。
ーーリズムゲームは誰が上手なイメージですか?
神永:トラちゃん(仙石 忍 役の深澤大河)かな。ゲーセンに籠ってるイメージ。
武子:あとはまっきーさん(朔間凛月 役の荒牧慶彦)もゲーム上手いからやってそう。ていうか、そもそもなぜ「太鼓の達人」?
梶田:ボイトレにも行っているんですが、その他にも何か自分でできることないかなって思いまして。楽しく練習しています!
ーー最後になりますが、『fine』へのメッセージと、楽しみにしてくださっているファンの皆様へメッセージをお願いします。
神永:『fine』へ…よろしくね~。姫宮桃李くんも新キャストさんですし、実は今まで『fine』には会ったことがないんですよね。英智役のりっきー(富園力也)とは、ちょうど共演してる時にこの公演の決定の話がありました。『fine』も『紅月』も新しい体制ですし、みんなで頑張っていきましょう。
ファンのみなさまへ…『紅月』のストーリー、本当にお待たせしました。世の中にこの物語が出てからずっと楽しみにしてくれていた方もいらっしゃると思います。みんなで頑張って作って、素敵な作品を見せられるように頑張りますので、楽しみにしていてください。
武子:僕は日々樹 渉さんにひとつお願いがあるのですが。原作では神崎(颯馬)に催眠術をかけるシーンがありますよね。もしできるなら、日替わりシーンを楽しみにしていますね! 渉を演じるのは、神永とも仲の良い安井一真なので盛大に面白いことをやってほしいなって。
神永:最悪なんだけど! (苦笑)
梶田:そのシーン楽しみですね~。
神永:でもそれは一真くんへのお願いだもんね? 僕は脚本通りにやるし。
武子:そう。そもそもそのシーンがあるかもわからないし、日替わりになるかということもまだわからない段階。でも僕はそのシーンに一番重きを置いているよ!
ファンのみなさまへ…新しくなった『紅月』ですが、我々の志は変わらず皆様に誠意をお見せしますので、今まで通り、いや、今まで以上に楽しんでいただければ嬉しいです。
梶田:『fine』へ…『紅月』として、『fine』にパフォーマンスで殴り合い、そして打ち勝ちたいと思っているので、稽古場からお互い全力を出し尽くしましょう。
ファンのみなさまへ…新しい『紅月』ということで、皆さんも期待が高まっていると思います。その期待を上回るようなパフォーマンスをお見せします。よろしくお願いします!
ーーありがとうございました。
梶田が宮澤から役のバトンを受け取り、新しい三人の関係を構築し始めている『紅月』。それぞれが持つ作品作りへの信念や悩みを共有し、より一層硬い絆で意義のある舞台を目指す。多くの人が望む舞台を成し遂げてくれるだろうという「安心感」を感じられたインタビューとなった。
『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』-Our First Fight-は2026年1月16日(金)より東京、兵庫で上演。
ヘアメイク:瀬戸口清香、新田彩加
スタイリスト:MASAYA(PLY)
取材・文=松本裕美 撮影=中田智章