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実は『イヌ科』に属している動物7選 犬とは遠い親戚にあたる?意外な関係性とは

わんちゃんホンポ

生物の系統分類

まず、イヌ科動物の位置付けを地球上に現存している生物の位置付けから探ってみます。

現在、地球上にはバクテリア、菌類、動植物など数えきれないほど多くの生物が存在しています。

全く別物に見えるこれらの生物には以下の共通点があります。

✔DNARNAタンパク質による共通の情報伝達系を持っている
✔タンパク質の立体的な形状が同じである
✔エネルギー源としてATP(アデノシン三リン酸)を用いる

このことから、現在地球上に存在している全ての生物は、共通する祖先から進化したと考えられており、この進化の道筋を反映させた「系統分類(自然分類)」によって界、門、網、目、科、属、種などに分類されます。

私たちの身近にいる犬は、動物界―脊椎動物門―哺乳網―食肉目―イヌ亜目―イヌ科に属しています。食肉目には、イヌ亜目の他にネコ亜目があります。これは、犬と猫が同じ共通祖先から別れて進化してきたことを意味しています。

犬が属しているイヌ亜目には、イヌ科以外にもクマ科、レッサーパンダ科、スカンク科、イタチ科、アライグマ科、セイウチ科、アシカ科、アザラシ科なども属しています。次章では、イヌ科に属している主な動物たちをご紹介します。

イヌ科に属している動物

1.アカギツネ

キツネの中にもさまざまな亜種が存在しますが、日本人にとって身近なキツネの代表が、アカギツネです。

体長62〜72cm、尾の長さ40cm程度の体格で、低木地、草原、森林、砂漠、内陸の湿地などに生息し、北米、ヨーロッパ、オーストラリアや日本を含むアジアなどの広範囲に分布しています。

本州のアカギツネの他、北海道のキタキツネも、アカギツネの亜種に属します。小型の齧歯類、大型の哺乳類、鳥類、昆虫、魚類などを食べる肉食動物です。

2.タヌキ

タヌキも日本人に身近なイヌ科の動物です。体長49〜71cm程度、尾の長さ15〜23cm程度で、森林、草原、低木地帯などに生息します。

ただし、日本を含む東アジア大陸、中央および東ヨーロッパと、分布範囲はあまり広くありません。昆虫、齧歯類、両生類、鳥類、魚類、爬虫類などの他、木の実や果物なども食べる肉食系雑食動物です。

3.ハイイロオオカミ

一般的にオオカミと呼ばれているのが、ハイイロオオカミです。体長105〜160cm程度、尾の長さ29〜50cm程度で、森林、砂漠、いわば、低木地、草原、内陸の湿地などに生息します。

ユーラシア大陸や北アメリカ北部などの広範囲に分布し、大型の有蹄類や小動物、死肉などの他、果実なども食べます。

かつて日本に生息し、現在は絶滅してしまったニホンオオカミやエゾオオカミも、ハイイロオオカミの亜種です。

4.コヨーテ

北米の森林、砂漠、低木地、草原などに生息しているコヨーテも、イヌ科の動物です。体長100〜135cm程度、尾の長さ40cm程度で、小型・大型の哺乳類の他、果物や昆虫などを食べる、雑食性を持つ肉食動物です。

5.キンイロジャッカル

現存しているジャッカルの中で最も数が多いのがキンイロジャッカルです。体長60〜132cm程度、尾の長さ20〜30cm程度で、森林、草原、低木地、サバンナなどに生息し、東ヨーロッパ、中東、南アジアに分布しています。

小〜大型哺乳類、鳥類、魚類の他、果物、昆虫などを食べる肉食系雑食動物です。

6.ドール

アジアの野生犬と呼ばれているドールもイヌ科の動物で、体長90cm程度、尾の長さ40〜45cm程度の体格です。森林、草原、低木地に生息し、東南アジアに分布しています。

多くのイヌ科動物と同じように集団で狩りを行い、有蹄類や小型の齧歯類、ノウサギなどを食べる肉食動物です。

7.ディンゴ

オーストラリアで古くから野犬(Wild Dog)と呼ばれているのがディンゴです。体長100cm程度、尾の長さ30cm程度の体格です。ディンゴにはオーストラリア大陸の動物というイメージがありますが、東南アジアにも生息しています。

うさぎ、齧歯類、鳥、トカゲなどの小動物や果実や植物、人が捨てたゴミなども食べる、雑食性を持つ肉食動物です。

ディンゴはタイリクオオカミの亜種とされていますが、犬との交配で子孫を残せるため、現存するディンゴの多くが犬とのハイブリッドとなってしまい、純血種はかなり少なくなってしまったと言われています。

イヌ科に属している動物の共通点

イヌ科に属している動物には、いくつかの共通点があります。それは、食性が肉食を中心としている、優れた嗅覚と走力を持っている、集団で狩りをするといった点です。これらの共通点は、進化の過程で獲得してきた特徴だと考えられています。

犬と猫の共通祖先は、森に住むミアキスという動物でした。森に残ったミアキスが猫に、森から草原に出ていったミアキスが犬に進化していったと考えられています。

生活環境の変化は、それぞれの狩猟スタイルの変化をもたらしました。木の上や岩陰などで獲物を待ち伏せし、短期決戦で獲物を仕留めるネコ科動物とは異なり、イヌ科の動物たちは、優れた嗅覚と走力を活用して集団で獲物を追い詰める狩猟スタイルになったのです。

このように進化したイヌ科動物の中でも、特に穏やかな性格で賢い動物が人と一緒に暮らし始めて進化した結果、現在の犬が誕生したと考えられています。

まとめ

犬と比較的姿形が似ているオオカミ、キツネ、コヨーテ、ジャッカル、ディンゴなどとは異なり、足が短くてモコモコしているイメージのタヌキがイヌ科の動物だと聞いて、驚かれた方もいるかもしれません。

しかしタヌキも、夏毛に変わるとほっそりして足が長く見えるため、その姿を見ると納得されるかもしれません。

また、体格差がほとんどない猫が属しているネコ科動物にはライオン、トラなどの大型動物が存在するにも関わらず、体格差が大きい犬が属するイヌ科動物には、あまり大きな体格差がないというのも面白い点でしょう。

愛犬家の目線でイヌ科動物やネコ科動物を、進化の過程も含めて比較していくと、集団生活をする犬と単独生活をする猫の習性の違いなど、面白い発見が得られるかもしれません。

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