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【知ってた?】「幻の動物園」がかつて北海道に!1200頭の動物たちはどこへ?生き残りを発見!/七飯町

Sitakke

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視聴者の皆さんのギモンや地域の問題について調査する、HBC「もんすけ調査隊」。

今回は、ある「幻」の施設の調査です。

「幻の動物園」?

北海道南部の七飯町(ななえちょう)。

大小の沼が点在する美しい景観の国定公園「大沼公園」があります。

そんな大沼公園に、こんな情報が…

依頼人(HBCスタッフ・30代・札幌在住)
「昔、大沼公園に動物園があったと聞きました。どんな動物園だったのか?なぜなくなったのか?調べてください」

さっそく調査員が大沼公園に向かいましたが…駅前には、動物園の痕跡は見当たりませんでした。

そこで明治38年創業の老舗、「沼の家」で話を聞きました。
大沼公園を代表する銘菓「大沼だんご」が人気の店です。

大沼だんご(小折)430円

すると…「20年くらい前に環境の良い動物園があった」との情報が!

さらにマチの人に聞いてみると…
「ワニ、チョウ、鳥、あと何かでっかいのいた」
「遠足や修学旅行の場所になっていた」

なんと!大沼公園に動物園があったのです!しかも…

「昔の動物園って、スバルパークかなんかですか」という証言まで!

さっそくその場所に行ってみると…スバルパークの看板を発見!

※特別な許可を得て撮影しています。無断で入ると建造物侵入罪に問われますのでご注意ください

でも、中は草が生い茂っていました。

やはりスバルパークは閉園しており、今は立入禁止になっています。

いったい、どんな動物園だったのでしょうか?## 昔の映像を発見!

HBCの映像ライブラリーで、映像を発見しました。

1985年、オープンしたときの映像です。

スバルパーク(1985年)

そこにはたくさんのワニたちの姿が。

そして、巨大な恐竜の模型まで!

スバルパーク(1985年)

さらに、オープンから6年後の1991年、スバルパークを訪れた人の映像も発見!

ライオンやトラ、ヒョウなどの猛獣や…

Youtube「北海道タイムスリップチャンネル」より

ゾウやバイソン、サイなどの大型動物など、実にさまざまな動物たちがいたことがわかります。

Youtube「北海道タイムスリップチャンネル」より

なぜ閉園した?

では、そんな動物園が、なぜ閉園してしまったのでしょうか?

調査隊は、当時のスタッフを探し出すことに成功!

当時のことを話してもらいました。

1985年にオープンしたスバルパークは、1200頭の動物を飼育し、初年度は15万人が来園。

ブログ「北海道人の独り言」より

しかし、その翌年、運営会社が倒産してしまいます。

そこで元従業員らがボランティア組織を作り、運営を継続しましたが、その10年後、再び不幸が襲います。


1996年3月・HBC撮影

1996年、大沼公園にある活火山・駒ヶ岳が小噴火を起こし、12万トンもの噴出物が…。

「火山の噴火で、動物たちが逃げ出したら大変なことになる」

スバルパークは、動物の引き取り先が決まり次第、閉園することを決断。

噴火から1年後の1997年8月、1頭の動物を死なすことなく、閉園したのでした。

では、スバルパークの動物たちは、一体その後どうなったのでしょうか?

スバルパークの動物は今も生きている?!

実は…当時の動物園スタッフによると「スバルパークの動物は今も生きている」というではないですか!

閉園から26年。

様々な不幸に見舞われたスバルパークの動物たちでしたが、今は幸せに暮らしているのでしょうか?

確かめるため、調査員は海を渡りました。

そこは千葉県にある「市原ぞうの国」。

スバルパークにいたアフリカゾウのサンディが、今も生きていました!

スバルパークにいたアフリカゾウの「サンディ」と市原ぞうの国の坂本小百合園長

サンディは1997年に千葉県に移り住み、現在37歳。

ここで他の9頭のアジアゾウと暮らしています。

市原ぞうの国の坂本小百合園長は「うちのゾウたちはアフリカゾウであるサンディを受け入れていたけど、サンディはずっと一人でいたわけだし、ましてや見たこともないアジアゾウですから、慣れるのに相当大変だったと思う」と慮ります。

来園当初のサンディ(奥)(撮影:市原ぞうの国)

市原ぞうの国では、サンディだけでなく、ライオンやバッファロー、サイなどの動物を快く買い取りました。

そして今、唯一生き残っているサンディも、こちらに来たときには体調が悪く、他のゾウに慣れるのにも時間がかかったといいます。

しかし今のサンディの様子はすっかり群れになじんでいるようです。

坂本園長は、その様子をみて「サンディは今は自分はアジアゾウだという認識の元に暮らしているのではないかと思う」と話します。

アジアゾウたちとパフォーマンスをするサンディ(中央)

市原ぞうの国では、これまで赤ちゃんゾウ6頭の出産に成功し、そのうち2頭はゾウだけで出産。

そのとき、サンディも群れの一員として協力していました。

坂本園長は「サンディがあれだけ元気になって、生きがいを持って、他のゾウやお客さん、トレーナーとコミュニケーションを取っている。今サンディは幸せだと思う」と胸を貼っていました。

調査結果

調査結果です。

大沼公園の動物園「スバルパーク」は、駒ケ岳の噴火で1997年に閉園しましたが、動物たちはそれぞれ引き取られ、ゾウの「サンディ」は穏やかに暮らしていました。

文:HBC報道部「もんすけ調査隊」
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2023年10月13日)の情報に基づきます。

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