日本サッカー界のレジェンド長谷部誠(藤枝東高校出身)が引退会見で語った家族愛「母親の元に生まれてきて良かった」
22年間の選手生活に終止符を打ったサッカー日本代表元主将の長谷部誠さん(40)=藤枝東高出=。引退会見では「ほとんど語ってこなかった」という家族に対して「大きな存在。家を空けることが多かったのでこれからはもっと家族との時間を大切にしたい」と感謝を伝えました。
会見の冒頭、現役生活や今後について語っていた長谷部さん。「こうしてプロサッカー選手として多くのメディアの皆さんの前で話をできる。これはやはり家族の存在が大きかった」と切り出しました。
愛情たっぷりに育ててくれた祖父母、公私ともに全力で支えてくれた姉と妹、自分にとって宝物のような存在の元気あふれる娘と息子、サッカーを与えてくれて厳しく育ててくれた父親と、それぞれへ思いを語りました。
特に感謝の思いを伝えたのが母親と妻。母親について「母親と僕の両方を知っている人から見ると見た目も似ているらしいが、とにかく真面目。世間的に真面目と言われている僕が真面目というのだからだいぶ真面目だと思う」と会場の笑いを誘いました。
「自分という人間を形成する上で一番影響を受けた人物。母親の元に生まれてきて本当に喜びを感じている」と語りました。
妻には「大きな負担をかけた。サッカーを軸に生きる自分に振り回され、大好きな仕事を犠牲にしなければいけないこともあった」と支援に感謝。「これからは彼女の夢や好きなことをサポートしたい」と恩返しを誓いました。
引退を決断し、最初に伝えたのが妻で、両親にもすぐに報告したとのこと。妻と母親は素直に受け入れてくれたそうですが、父親からは「いいのか、それで」と怒られたそうです。「多分お酒が入ってた。半分本音、半分お酒の力」と振り返ります。
時間をかけて引退の準備をしてきたため、あまり感情的にならなかったといいますが、現役最終戦後、子どもたちが駆け寄ってくると、感情がこみ上げてきました。娘は黙ってぎゅっと抱擁したそうですが、息子は笑いながら「パパ、えーんえーん」と言っていたそうです。
毎年のオフシーズンに入ったような感覚でまだ引退の実感がわかないという長谷部さん。今後は指導者の道を歩みます。