大師地区住民有志 名物サポーターを映画化 「水色に染めろ」1年後の完成目指す〈川崎市川崎区・川崎市幸区〉
サッカーJリーグの川崎フロンターレの黎明期の応援団をまとめ、2018年に45歳で亡くなった石渡俊行さんの半生を題材にした映画作りを大師地区の住民有志が進めている。「まちを盛り上げようと頑張り、結果を出した。そのエネルギーに触れてもらいたい」と、協力者集めを本格化させている。
『水色に染めろ』は、川崎大師本通り商店会副会長の松原章浩さん(60)が発起人。大師地区青少年指導員会会長の清水善之(59)さんがプロデューサーを務め、土持幸三監督(53)が脚本と監督を手掛ける。土持監督は『探偵事務所5』シリーズなどを手掛け、川中島、東門前、旭町小学校で映像制作授業を行うなど、大師地区と縁が深い。
石渡さんは、川崎大師駅前の商店街・ごりやく通りに店を構えていた金物屋「忠ぶね商店」の3代目。川崎市商店街連合会青年部長として、クラブと地域をつなぎ、市民クラブに発展させるために力を尽くした。私設応援団「川崎華族」の初期メンバーで相談役を務めた。作品は、石渡さんが短い人生の中でさまざまな人と出会い、衝突し、困難があっても決して諦めることなく「川崎を誇れる街にする」夢を、フロンターレと共に実現する様子をドラマ仕立てで描く。
「俺、使ってもいいんだぜ」
映画作りのきっかけは2022年の秋。就寝中の松原さんの枕元に亡くなった石渡さんが現れてこう言った。「兄さん、俺を使ってもいいんだぜ」。松原さんと石渡さんは商店街の先輩後輩の間柄。常日頃から大師の活性について考えていた石渡さんに対し一目置いていた松原さん。「彼を題材にすることは、まちおこしにはうってつけかもしれない」との考えがよぎり、石渡さんの母親・美彌子さんに相談。「うれしい」と快諾を受け、昨年7月に製作委員会を立ち上げた。
映画製作に必要なキャストや上映などの資金の目標額は5000万円。地元大師を中心に3分の1ほどの協賛金が集まっているという。
プロデューサーの清水さんは「地元の人を題材にした物語。我々の生活とつながっていることを実感できるはず」と協力を呼び掛ける。作品の上映時間は90分を予定。1年後の完成を目指す。協賛は専用フォームから申し込むことができる。協賛は企業団体向けもあり、問い合わせは松原さん(【メール】mizuiro.somero@gmail.com【FAX】044・572・2067)。