人や自然の多様性を金属で表現 鍛金作家三木瑛子さん(市川市在住)
第4回市川市文化振興財団 芸術文化奨励賞を受賞した三木瑛子さん。
旅を通じて出会った人・文化・自然にインスピレーションを受けて制作した作品は、金属の豊かな表情を引き出しています。
金属加工の技術を駆使して作品を制作
鍛金(たんきん)とは、金属を金づちなどでたたくことで形を変えていく金属工芸の技法。
三木さんは、東京藝術大学美術学部工芸科で鍛金を専攻。
金属をのせる当て金と金づちとの組み合わせからできる模様で、金属の表情を引き出し、曲げる、穴を開ける、溶接、メッキなどの技巧を駆使して、作品を制作しています。
「金属は色や質感の違いだけでなく、たたいたり熱したりした時に目の前で変化する様子や、大きさが自由自在なところが魅力」と、手のひらサイズからホテルのエントランスに飾られる大きな作品まで手掛けています。
2019年コロンビアで個展を開催
三木さんに転機が訪れます。
ギャラリーを経営しているコロンビア人と日本で出会い、自身初の個展を首都のボゴタで開くことに。
初めて訪れた中南米はとても刺激的で、原住民の人と交流し、その世界観に感銘を受けたそうです。
以前より自然を表すために鮮やかな色彩の糸を使ってきましたが、コロンビアを訪れてからは、より自然と人との関係について考えるようになり、彼女独自の魅力的な表現の源となりました。
市川市での活動が増え、喜びを実感
八幡小学校卒業後、都内の学校に通った三木さん。
2023年、市川市木内ギャラリーで個展を開催した際は、小学校時代の友人や知人が訪れ、とても懐かしかったそうです。
そして昨年末、目覚ましい活躍をしている市川市にゆかりのある若き芸術家として、芸術文化奨励賞を受賞。
「自分の活動を評価していただきうれしい。表現したいことをさらに強いメッセージとして伝えられるよう励みたい」と語りました。
毎年数カ月間、海外に滞在する三木さん。
旅で感じたことをアートとして生み出す過程を、実際に作品を鑑賞しながら話す講演会が3月20日に開催されます。
無限に広がる鍛金の世界を、堪能できることでしょう。
日時/3月20日(水・祝)午後2時~午後4時(午後1時30分開場)
料金/入場無料
場所/市川市文化会館 大会議室
住所/千葉県市川市大和田1-1-5
電話番号/047-379-5111 市川市文化会館
ホームページ/https://www.eikomiki.com/about