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【北海道・旭川】普通のママが地域の子育てメディアの編集長になった理由|子育て情報誌「るんるん」佐々木響子さん

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【北海道・旭川】普通のママが地域の子育てメディアの編集長になった理由|子育て情報誌「るんるん」佐々木響子さん

北海道旭川市の子育てガイド「るんるん」や、妊婦さん向け冊子の「マタニティガイドるんるん」を企画・制作する「旭川のお母さん応援企画室ルンルン」で代表を務める佐々木響子(ささき きょうこ)さん。自分のお子さんが小さかったときは車がなく、子育て情報も求めにくく、子育てが大変だったことがきっかけなのだそう。佐々木さんに子育てガイドの作成についてお話しを伺いました。

普通のママが立ち上げた地域子育てメディア『るんるん』。

via mami sumimoto

るんるん

2019年3月、北海道旭川市の主婦「佐々木響子」さんが主体となり、子育てガイド「るんるん」が発刊されました。1冊500円で販売された子育てガイドには、子どもと一緒におでかけできるスポットや飲食店、車がない人でも公共交通機関を使って利用できる子連れスポット、子育て支援についてなど子育て中の保護者にとって欲しい情報がぎゅっと詰まった冊子です。

手描きの優しいイラストや写真をふんだんに取り入れながら、子育て情報を多く掲載した冊子は、大変人気。インターネットが普及した現在でも、「調べ方がわからない」「得たい情報にたどり着けない」「情報がない」と感じる子育て中の保護者にとって「るんるん」は、穴場スポットや子育て中のママやパパと出会える場所の紹介を掲載。

子育てに孤独感を感じやすい保護者にとって、温かく優しい冊子です。

元々は主婦だった佐々木さんが『るんるん』をつくったきっかけは、子育てのしにくさを感じたから。

via mami sumimoto

この冊子を作ろうと立ち上がったのは、主婦の佐々木響子さん。宿泊業や留学を経て、旭川のホテルへ就職し、ご主人と出会い結婚。今は小学生の男の子のお母さんです。

冊子を作ったきっけかは、「子育てがしにくい……」と感じたことが理由だったのだとか。佐々木さんはお子さんが小さなとき、車がなく、また子育て情報などを得にくい、情報が散らばっていると感じていました。

「子育て情報が一つにまとまっている情報誌が欲しい……。今すぐ作りたい!」と思ったのがきっかけ。SNSで「子育て情報誌を作りたい!作ります!」と発信したところ、手伝いたいと言ってくれる仲間が集まりました。お店の広告を自分で募り、販売費用で出版に至りました。

「旭川市の協働事業やクラウドファンディングなど、資金についての調達方法は知っていたけれど、思い立ったらすぐに作りたかったんです。出版費用は広告費や販売費用で賄えましたが、作る方はボランティアでしたね。」

と佐々木さん。それでもいち早く多くの困っている保護者へ、子育て情報を伝えたかったと言います。

「冊子は過去の自分に向けて作りました。一人目の子育ては辛かったですね。未経験の業種に突然転職したような感じです。子育ての事を教えてくれる人は誰もいなかったです。きっとみんなそうでしょう。」

佐々木さんは、自分が使える車を持ち合わせていなかったので、子どもとのお出かけはいつも公共交通機関だったのも大変なことでした。

「旭川は車がないと不便な街です。子育てをしている保護者にとって、とても大変なことですね。けれどある時コーチングを受け、それをきっかけに”ないこと”ではなく、”今あること”に価値があるのだと視点が変わりました。」

・バスの移動は、旅行気分で楽しむ!
・市のイベントは無料やリーズナブルなものが多く、行きやすい場所で開催される!
・ママ友に会うと、愚痴や子育ての話しができる!

ですが、前向きに子育てを楽しめる保護者もいれば、情報を得られず孤独な気持ちで子育てをしている人もいる……。過去の自分がそうだったように。そこで、半年後の発刊を目指し子育て情報誌を作ろうと決意しました。

理想のメディアができるまでは山あり谷あり。諦めずに続けられたのは、「過去の自分」があったから。

via mami sumimoto

るんるん

これまで母親同士の交流を目的とするイベントの企画・開催をしてきた佐々木さん。冊子づくりに共感してくれた子育て中のママ数人と、編集部がスタートしました。

佐々木さんは地元紙への寄稿経験はありましたが、編集の経験はありませんでした。それでも、様々な人にアドバイスをもらいながら、冊子に掲載するスポットのセレクト、スポット情報のリサーチ、文章の執筆、写真のキャプション、広告を掲載してくれる店舗など、佐々木さんがたたき台を作りました。

みんなで協力しながら作成をしていきますが、子育て中のママの忙しさは日々続きます。子育てが忙しかったり疲れていたりして、約束の日に打合せができないことや、担当原稿の提出期限から遅れることも多々ありました。ついイライラしてしまったり、何度も話し合ったり、佐々木さん自身も子育てをしながらの作成で、大変な日々だったと言います。

当時3歳だった息子さんに「おかあさん、もう絵本作らないで……。」と言われたこともあったのだとか。3歳11か月まで幼稚園に入園せず家庭で子育てをしていた佐々木さん。子育てをしながら時間を見つけ、睡眠時間を削りながら冊子づくりに没頭したそうです。

ですが、そんな苦労も報われ、半年後の2019年3月A5版48ページの冊子「るんるん」が完成しました。税込500円で販売、冊子を置いてもらうお店を探し、無事に販売のスタートです。

有料冊子の場合は公共施設に置いてもらえないため、店舗に置いてもらうしかありませんでした。そうすると目にした人には情報が届くけれど、知らない人には届かない……。情報が必要な人へどのように届けたらいいのか、という課題も残りました。

はじめてのメディア編集を追えて感じたこと。ここでやめず、2冊目に取り掛かった理由。

via mami sumimoto

るんるん

子育て情報誌「るんるん」は、佐々木さんや編集に携わったママたちの経験を基に作成。不安感や孤独感を少しでも減らし、楽しい気持ちで子育てできるような内容を目指した「かゆいところに手が届く」ステキな冊子となり、大変好評でした。応援も多かったけれど、情報内容やページ数の多さ、初めての作成は、本当に大変なこと。もうやめよう。これで終わりにしようと思っていたと言います。

読んだ人からは「2冊目は作らないの?」という声が多く寄せられました。また、出産祝いとしてプレゼントし喜ばれたという声も届き、大変うれしい気持ちになったのだとか。ただ、前回の冊子の「情報の欲しい方に届きにくい」という課題もありました。

そこで発刊から2年後、佐々木さんは「妊婦さんを笑顔にしたい、そのためにもう一度冊子を作成しよう!」と決意します。2021年2月に行われた旭川市の「市民の企画提案による協働のまちづくり事業」の一環として見事採択され、旭川市と協力して作成することになりました。

佐々木さんを含む5人のママスタッフで、情報収集や子育て経験をした方へのアンケート実施などを行い、2021年10月に「マタニティガイドるんるん」が完成しました。

この冊子の内容は、妊娠してから産後6カ月頃までのママが役立つ情報を掲載しています。初刊の子育て情報冊子「るんるん」のようにページ数や情報量は少なくなりましたが、初めての妊娠や子育てを経験していく保護者が、困ったときに自分で調べるきっかけに役立つ内容になっています。

「自分と同じように妊娠中や子育て中の孤独感を感じ、負のループに陥って欲しくない、出産を楽しみに、子育てを笑顔でできる、そんな手助けが少しでもできれば、という思いだけです」

と佐々木さん。生まれたての赤ちゃんとの生活に追われ、誰かと話してストレス発散したい……。そんな時、同じようなママが集まれる場所、子育て中に悩んだ際に頼れる公共の相談施設や児童センターを紹介。また、季節による赤ちゃんの服装の配慮、産後ケア事業の紹介、出産・育児経験者の体験談など情報がぎっしり。

母子手帳と一緒に旭川市から配布され、誰もが手にすることができます。また、インターネットでダウンロードしたり閲覧することもできるので、子育てしながらスマートフォンなどで気軽に読めるのも魅力でしょう。

マタニティガイド「るんるん」

メディアづくりを続ける秘訣は?キーワードは「細く、長く」

via mami sumimoto

るんるん

佐々木さんの原動力はどこからくるのでしょうか。

「子育てに不安を覚えて悩む、旭川のお母さんたちを助けたい。ただその一心。その思いだけです」
「その思いを大切に、細く、長く、続けていきたいですね」

と佐々木さん。佐々木さんはお子さんが小さなときから「旭川のお母さん応援企画室ルンルン」と題した子育て情報ブログを執筆しています。そこには、子どもの遊び場や子育ての相談窓口など自分が経験したことを掲載したり、子育て講座を企画し遠方から講師を呼ぶ、ブログで知り合ったママ友と「夕方ママ会」を開くなど、出版に向けた様々な活動の土台がありました。

子育ての孤独感、悩み、疲れやイライラなど、初めての子育ては大人の想像を超えた辛さや忍耐がたくさんあるでしょう。喜びや愛おしさだけではありません。そんな子育て中の辛い気持ちを少しでも和らげたい、笑顔で過ごしたい、そうすることで子どもに笑顔が還元されるのだと、筆者も感じました。

「楽しめることを細く、長く、続けていきたいですね。」と仰られました。

佐々木さんが旭川の未来のために叶えたいことは、やっぱり「子育ての情報発信」

via mami sumimoto

るんるん

佐々木さんは四季を通し、子育てのイベントを数多く企画・開催しています。

出産を間近に控えた妊婦さんの安産を願うイベント「ベビーシャワー」、子どもを抱っこしたままできる「ベビーダンス」、「キャンドルナイト」、「夕方ママ会」、キッチンカーを何台か集めるイベントなど、子どもだけではなく保護者も楽しめるイベントばかりです。

そして次には、子育てガイドの3冊目も発刊を予定しています。3歳頃までに役立つ情報と妊婦さん向け情報冊子『るんるんキッズ』を作成、市の協働事業で採択され作成中だと言います。様々なスポットや相談施設、幼稚園や保育園の入園に際する情報など、保護者が知りたい情報がたくさん詰まった冊子になることでしょう。

さらにその後は、未就園児の保護者向けの冊子も作成を予定しているそうです。目標は、子育てについての最新情報を発信できるホームページ作成。そしていつかは手元に報酬として還元されることも目標なのだとか。

佐々木さんの挑戦はまだまだ続きそうです。

文:炭本まみ

■ライタープロフィール
炭本まみ:北海道旭川市出身。保育士として10年勤務後、様々な仕事を経験し、フリーライターに。子育て・発達障害など保育士経験と子育て経験を基にした記事と、地元旭川、北海道の魅力をもっと地元民や道外の人に知ってもらえる記事を執筆中。

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