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【横須賀市】ドブ板通りの横地さん「スカジャン文化」再定義 市スタートアップオーディション金賞

タウンニュース

ドブ板通りにオープンするミリタリー服のセレクトショップ。中央に立つのが横地さん。本物志向のファンを迎える

創業や新分野に挑戦する事業者を応援する横須賀市のスタートアップオーディションが10月22日に開かれ、「次世代スカジャン文化創造プロジェクト」を提案したスカジャン絵師の横地広海知さん(大滝町在住)が金賞(賞金100万円)を受賞した。オリジナリティを重視したスカジャンのオーダーをオンラインで受け付け、最新の刺繍ミシンを用いて製品化する仕組みなどを整える。

スカジャンの図柄をデザインする「スカジャン絵師」を名乗り、”発祥の地”であるドブ板通りを拠点に活動している横地さん。そのスカジャンは全国的な知名度を誇る一方、商店街に並ぶ商品のオリジナル比率は20%程度であることに着目。大半が大手メーカー製造の量産品であり、「わざわざ横須賀を訪れて買う意味」がなくなっていると指摘する。商店街では店主の高齢化と後継者不足も深刻度を増しており、「かつての名店もオーダーの規模を縮小するなど、街全体の賑わいが失われつつある」と危機感を募らせている。

こうした背景を踏まえ、ドブ板をスカジャン文化の「聖地」として再び輝かせるビジネスプランを提案した。

具体策として、少量生産の最大の障壁だった刺繍のデザインを内製化。最新鋭の刺繍ミシンを導入することでコスト削減を図り、オンラインオーダーシステムも導入する。特別なデザインを要する依頼はこれまでの人脈を生かして職人につなぎ、デジタルと伝統技術を共存させていく。

スカジャンの原点にも立ち返る。戦後に駐留米兵が日本に滞在した記念品として、様々なものにオリエンタルな刺繍やワッペンを施して持ち帰ったルーツを掘り起こし、Tシャツ、キャップ、クッションなど日常的に使えるアイテムにも刺繍を展開。商店街の店舗ごとで異なるオリジナル図柄を供給して客層を広げるとともに、街全体の特色を打ち出す。

「来街者を増やすにはここでしか買えない独自の商品を揃えることが肝要。最新技術と職人技の橋渡しで、スカジャンアイテムを持ち帰る文化の再構築をめざす」と意気込む横地さん。11月1日(土)に同商店街に新店舗をオープンさせ、プランを戦略的に仕掛けていく。

同オーディションではこのほか3組が入賞。ペットの医療情報の共有化による飼い主の支援事業((株)e-PON)、市内の農業残渣を利用した循環型バイオプラスチック事業((株)ヘミセルロース)、自治会・町内会業務DX化による地域コミュニティ支援事業((株)タウンニュース社)がある。

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