「芹沢暗殺編」は芹沢さんが間違いなく主役だと思いました――『青のミブロ—芹沢暗殺編—』ちりぬにお役・梅田修一朗さん×芹沢鴨役・竹内良太さんが語るキャラクターの生き様【インタビュー】
2025年12月20日(土)より『青のミブロ—芹沢暗殺編—』がスタートしています。
ひとりの心やさしい少年「にお」が加わり、 戦いの日々を通して、絆を深めていく壬生浪士組、通称“ミブロ”。新たな仲間を募集し、組織の拡大に挑む中、筆頭局長である芹沢鴨の存在により、 隊内に亀裂が生じていき……。
アニメイトタイムズでは、アフレコが始まる直前のタイミングで、ちりぬにお役・梅田修一朗さんと芹沢鴨役・竹内良太さんへのインタビューを実施。
第1期の振り返りや第2期に向けての想い、それぞれのキャラクターの生き様について、お話を伺いました。
【写真】『青のミブロ—芹沢暗殺編—』梅田修一朗×竹内良太インタビュー
生と死の意味をどう見つめていくのか
ーーインタビュー時点ではアフレコ前になりますが、まずは第2期に向けての想いをお聞かせください。
ちりぬにお役・梅田修一朗さん(以下、梅田):第1期のアフレコからだいぶ時間が経ちました。第1期のアフレコでは、におとして毎週ミブロのキャストの皆さんに会うのが日常だったんです。におにとっては辛いことも多かった中で、ここから「芹沢暗殺編」という……。
芹沢鴨役・竹内良太さん(以下、竹内):芹沢は暗殺されてしまうの……!?(笑)
梅田:どうでしょう(笑)。
竹内:死にたくない!
梅田:(笑)。原作コミックでもかなり重厚なストーリーになっています。
竹内:そうだね。原作を知っている方もアニメで初めて触れられる方も感じていると思うんですけど、物語がどんどん重くなっていきます。歴史上の事件などの要素が含まれているので、第1期とは違って緊張感のあるアフレコになる気がします。
しかも、サブタイトルに「芹沢暗殺編」と付いているので、竹内個人としては、「どう生きていこうか」と(笑)。やっぱり恐怖はあるんです。そういうサブタイトルが付いているぶん、その時が来るまで、芹沢鴨さんの生きる意味をどう見つめていくのか、死ぬ意味を見つめていくのか。ここまで熱い人物を演じる機会は少ないですし、ほかの熱いキャストの皆様と一緒に、芹沢の人物像を描いていきたいという想いが強いですね。
ーー第1期を通して、芹沢鴨というキャラクターを作ってきたと思います。第1期と第2期の境目に立った今、彼はどのような人物に見えていますか?
竹内:この段階で思うことは芹沢は「悪役的カリスマ」と言いますか。我が道をゆく、自分の信念を貫いていくという印象が強いです。
外から見ると、なかなか近づき難かったり、恐れられたりする存在ではあるんですけど、実は背中で語るタイプでもあって。粗暴な言動をしていても、付いてくる仲間たちがいるというところは魅力の一つだと思います。
人情で引っ張っていく近藤さんや土方さんがいる中で、芹沢さんは別のベクトルで人を惹きつけるものがある。それが第1期を終えた段階での芹沢の立ち位置じゃないでしょうか。ここからさらに変化していくとは思いますが、今の芹沢にはぴったりな表現だと感じています。
ーーちりぬにおというキャラクターの解釈や魅力についてもお聞かせください。
梅田:最初は何もできない自分に対する憤りを抱えている、その時代の等身大の少年でした。第1期の中で、近藤たちとの出会いから始まり、血の志士団との対峙などを通して、自分たちの世界を守ろうとしたというか。自分とは違った正義を持つ人たちと向き合って、ナギさん(京八ナギ)というすごく大きな存在だった女性が亡くなってしまって。
「明日死ぬかもしれない」という厳しい時代を生きる中で、自分に対しても世の中に対しても成長した目線を持つようになったと思います。「何が正しいか」ではなく、一人ひとりの想いをより深く考えるようになった。自分としてもアフレコから1年経っているので、自分自身の成長をにおに乗せてアフレコできたらいいなと思います。今回は「芹沢暗殺編」と銘打たれているので、芹沢さんの様子が変わっていくところというか……。
竹内:そうだね、どんどん変わっていくと思う。
梅田:芹沢さんの変化と同時に、におが何を見つめて動いていくのかを観ていただきたいです。
アフレコから垣間見える作品の奥深さ
ーー第1期のアフレコはどのような雰囲気だったのでしょうか?
竹内:……むさくるしい(笑)。
一同:(笑)
梅田:部活ですね。僕が1年生で12年目の先輩もいる「12年制の学校」というか。
竹内:たしかに。それくらい壬生浪士組が出来上がっている感じはあったよね。
梅田:例えばですけれど、12年生の先輩方は『青のミブロ』の収録に至るまで色々な先輩と関わり合いがあって、その中に自分が入っていくのは緊張しました。個人的にも、におというキャラクターを演じるうえで「頑張るぞ」とかなり気負っていたんです。
竹内:そうか。僕もすごく緊張していました。ただ思い返すと、苦しいというよりは楽しい思い出の方が多いですね。物語的にも要所要所で締まる場面があるし、各キャストさんの素敵なお芝居を間近で聴けて。キャスト陣が各々しっかり作り上げてきたものをアフレコで出すからこそ、自分自身もマイク前で自然と作品の世界に入れた気がします。すごく素敵な現場だと思いながら、24話をやらせていただいた記憶があります。
24話の中でにおと会話するシーンは多い訳ではないですけど、一緒に会話をして息遣いを聴いてお芝居ができたのは嬉しいことでした。
梅田:こちらこそです。芹沢さんがしゃべるシーンになる直前は、「どんな芹沢が見られるんだろう」と毎回ワクワクしていました。
竹内:ありがたいですね。
ーー におの成長についてのお話がありましたが、さまざまな経験を経ていく中で、悩まれた台詞はありましたか?
梅田:におが土方さんに対して感情をぶつけるシーン(第1話)があったんですけど、物語としてもすごく大事なシーンなので、感情の出し方がすごく難しかったです。におは全力で思いをぶつけているのに、僕自身が彼の感情に乗り切れなくて。その時、阿座上さん(土方歳三役・阿座上洋平さん)が「少し力を抜いてみたらいいんじゃない?」と、土方さんのようにアドバイスしてくださったことがとても印象に残っています。
ほかにも、にお自身の成長を感じた場面といえば、第1期の最後ですね。ナギさんとのやり取りは、「正しさをどこまで広げていいのだろう」とすごく考えさせられました。にお自身は「正しさ=世の中」と大きく捉えていた中で、ナギさんの「畳一枚分のことしか私は考えられないのよ」という言葉を聞くんです。におはその言葉とナギさんの死について、何日も考えるわけですが、その後の太郎との会話も、におが辛いものを背負った上で成長した後のやり取りとして印象的なシーンだったりします。
ーー回を重ねていくうちに、におというキャラクターが馴染んでいくような感覚もあったのかなと。
梅田:そうですね。におが経験したことを自分自身の経験のように感じる瞬間もありました。におの経験が蓄積されていくような感覚があったからこそ、自然と演じられるところもあったと思います。
ーー竹内さんの中で印象的だった台詞やシーンもお聞かせください。
竹内:僕が印象に残っているのは「血の志士団」の京八直純との対決のときに言う「芹沢鴨がいるところが唯一絶対の正義」という台詞です。個人的にもすごく思い入れがあって、実はオーディションのときの台詞だったんですよ。
悪魔のような表情から、いわゆる「正義の在り方というのは如何様にも変わるよ」ということを自信を持って言えるのは「羨ましい」と感じていました。僕自身はどちらかというと、感情を飲み込んでしまう人なので、憧れを持って芹沢鴨さんに接していた気がします。特にあの言葉を吐くときは自信を持って自分の感情を伝える必要があるので、「自分とは真逆だったからこそしっかり表現できたな」と思います。側から見たら芹沢さんは正義ではない一方、におから見ると頼もしかったりもするので、立ち位置によって変わってくる感じがして、結構印象深いところでしたね。
梅田:僕も芹沢さんの思い出はいっぱいありますけど……。
竹内:あるの?(笑)
梅田:におといないシーンも多いので、アフレコを通しての思い出になりますが、今おっしゃっていたシーンに加えて、意外と人情派なところもあったりとか。
竹内:まんじゅうをあげるところとか?
梅田:そうですね。まんじゅうをあげるところは……。
梅田・竹内:(声を揃えて)「どこから出てきたの?」(笑)。
梅田:あと、藤堂平助さんに着物を貸すシーンも大好きなんですよ。(藤堂平助と一緒にいた)におが「これは恋なんです」というと、「羽織を持ってけ!」といって貸してくださるという(笑)。芹沢さんにもそういう一面があるんだなと。
竹内:あそこでちょっと朗らかな空気になるよね。
梅田:あれもギャグシーンのようで、芹沢の側面の一つなんじゃないかなと。
ーーシリアスな物語が展開される第2期では、アフレコ現場の雰囲気が変わりそうな予感もあるのでしょうか?
梅田:ベテランの先輩方が多い現場なので、本編と休み時間のギャップがすごそうです。
竹内:たしかに。
ーータイトルに「暗殺」という言葉も含まれていて、物語の結末を予感させる作品は珍しいような気がします。
梅田:歴史物ならではですよね。いち読者として読んだ時に、「芹沢暗殺編」は芹沢さんが間違いなく主役だと思いました。というのも、近藤さんやにお、太郎など、それぞれの目線で芹沢さんにどういう一面があるのか、どういうやり取りがあったのかが描かれていくんです。いろんな目線から芹沢さんという人物を一緒に観ながら感じていただけると、その存在の大きさも感じていただけると思います。
におも芹沢さんの姿を見て「この行動や言葉には何か意味があるはずだ」と前より狼狽えずに見つめるようになっていく。だからこそ、より辛いものを背負えるようになってしまうということでもあるんですけど、きっと心に残る物語になると思います。
竹内:もちろん原作を読んでいて結果は知っています。ただ、現代とは死生観がまったく違うので、芹沢としての死に際で後悔しないことだったり、何を遺すのかというところを考えながらやっていきたいです。死への恐怖というよりは、死ぬからこそ、どう立ち振る舞って行けば良いのか。第1期とは違って、芹沢の中にも焦りなどの複雑な感情があると思うので、そこもしっかり出していけるんじゃないかと思います。
みんなが良い意味でも悪い意味でも成長していく物語
ーーにおと芹沢の関係性についてはどのように感じていますか?
梅田:芹沢さんは、におだけではなく壬生浪士組全体を見ていますよね。観察しているというよりは、おそらく日頃みんなのことを見つめるだけで本質を見抜けるというか。この中でどうしていくのが正しいかを常に考えている人だと思うんです。におもその中に含まれているから、一方的に語らずとも分かるのではないかなと。
竹内:そうですね。なかなか深い部分までは語らないですけど、物語が進むにつれて言葉から仄かに滲み出てくるというか。それこそ背中で語るスタイルを貫いているんじゃないかな。第1期の時も感じましたけど、本当に視点が広いですよね。中でも、におや太郎を含むこれから成長していく三人組に対しては、しっかりと目を向けている気がします。
梅田:本人は絶対に認めないと思いますけど、三人組に対しては特別な感情があると思います。どこかで親のような感情があるんだろうなと。
ーー最後に、今後のにおと芹沢さんの掛け合いや注目していただきたいシーンを教えてください。
竹内:やっぱり、あれですよね。
梅田:雨の日ですね。
竹内:そこに至るまでの物語にも熱く重いものがあると思うので、各キャラクターの葛藤にもぜひ注目していただきたいです。それぞれが色々な考えを持って「自分たちはどうすれば良いのか」と。それが組織に属している中で制限されたり、感情を抑えたり出したり、そういった部分は見どころの一つです。良い意味でも悪い意味でも、成長していく物語になっていると思います。
梅田:信念を持つというのは、誰かと対立することにも繋がっていく。におが見つめてきたことを、今度はにお自身がその立場に立つことで、より物語が重厚になっていきます。
ぜひ観てほしい芹沢さんのシーンもたくさんあって、ある小さな女の子と関わった後、田んぼで1人で過ごすシーンは観てほしいです。
竹内:グッとくると思います。
梅田:苦しくなるから明るい話もしましょう(笑)。太郎に“あるもの”を買ってあげるシーンもありますよね
竹内:おお! 買うね。
梅田:そのシーンも熱いので見どころです!
[インタビュー/笹本千尋 撮影/MoA]