「トイレハイター」で素材が傷む!使ってはいけない“NGな場所3つ”「うっかりに注意」
お掃除スペシャリスト(クリンネスト1級)の三木ちなです。除菌・消臭に優れた「トイレハイター」は、トイレ掃除の強い味方。しかし、トイレの汚れをすべて落とせるわけではありません。素材によっては、変色やサビの原因になってしまうことも……。ここでは、トイレが劣化しかねない「トイレハイターの使用NGな場所」を3つご紹介します。
NGその1.温水洗浄便座
温水洗浄便座の内部には、たくさんの金属・電子部品が入っています。見た目にはそう感じられないかもしれませんが、温水洗浄便座は「電気製品」なのです。
便座と本体をつないでいる金属の部品や電子部品がトイレハイターの影響を受けると、腐食したり劣化したりする可能性があります。その結果、発火や発煙を引き起こすリスクが増して、危険をともなう場合があるのです。
トイレを安心・安全にお手入れするためにも、温水洗浄便座の掃除は中性洗剤だけにとどめましょう。間違ってもトイレハイターを使わないよう、十分に注意してください。
NGその2.床
トイレの床掃除にもトイレハイターを使いたくなりますが、これも注意が必要です。特に大理石や光沢のあるコーティング床に使用すると、変色やツヤ落ち、シミの原因になることがあります。そもそも、トイレハイターは頑固な黄ばみや黒ずみを落とすための強力な洗剤。床をお手入れすることを想定してつくられていません。
劣化リスクを避けるためにも、床掃除には床材に対応した中性洗剤を使い、乾いた布で仕上げるのが基本です。素材に合う、劣化のおそれがない方法でお手入れしましょう。
NGその3.便座の樹脂部分
便座にトイレハイターを使うことは、一見問題なさそうにも感じますが、じつはこれもNG行為のひとつです。便器は陶器ですが、多くの便座は樹脂でつくられているため、トイレハイターを使うと変色や変質するおそれがあります。表面のコーティングを傷めてしまい、変色やひび割れ、さらには故障するリスクも……。
便座のお手入れは、薄めた中性洗剤で行うのが適切です。やわらかい布に希釈液をふくませて、ていねいに水拭きしてください。洗剤を薄めて使用するのが面倒な方は、便座にも使える専用の中性洗剤や掃除シートが便利です。
パワーのある洗剤だからこそ、使い方に注意を
トイレハイターは便利ですが、金属・床材・便座などデリケートな部分には不向き。素材を傷めないよう、中性洗剤や専用クリーナーとの使い分けが大事です。
大切なトイレを長持ちさせるためにも、正しい使い方を今一度見直してみてはいかがでしょうか。
三木ちな/お掃除クリンネスト1級、整理収納アドバイザー1級、節約生活スペシャリスト、歴20年業スーマニア