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日常系&2.5次元ドラマ「ゆるキャン△」には心地良い日常をおくるヒントが詰まってる

エキレビ!

原作

アウトドア趣味を満喫する女子高校生たちのゆるい日常を描く木ドラ25「ゆるキャン△」(テレビ東京系、木曜深夜1時)。あfろによる原作とその後のアニメ版を忠実に再現した「2.5次元ドラマ」だ。

女子高生たちのゆるい日常を描くわけだから「日常系ドラマ」とも言えそう。細かいことを気にせず、深夜にのんびり見るのに適した作品だと思う。

先週放送された第6話はシリーズの折返しにさしかかったあたり。リン(福原遥)となでしこ(大原優乃)の距離がグググッと近づいてきた。

温泉を楽しむ女子たちの姿は尊い


先々週放送された第5話は、「野クル」の大垣千明(田辺桃子)、犬山あおい(箭内夢菜)、なでしこの3人が初めてのキャンプに挑み、別の場所でリンがソロキャンプをするというエピソード。

冒頭、いきなり千明、あおい、なでしこの3人が温泉に入っているところから始まるのがニクい。つまり「温泉回」。富士山の絶景を見ながらお湯に入ることができる「ほったらかし温泉」を堪能する。「こっちの湯」と「あっちの湯」に分かれており、「あっちの湯」は日の出前から営業していることで知られている。

無用な露出は抑えられ、澄んだ空気の中で旅の疲れを癒やす温泉がひたすら気持ち良さそうに描かれていた。ああ、温泉終わりか……と思っていたら、リンの想像の中でもう一度出てくるサービスっぷり。お湯の音と女子たちの楽しげな声のカップリングは最強。

一方、高ボッチ高原を一人走るリンも寒さに震えながら温泉を目指すが、無情にも臨時休業で入れず。原作(アニメ版)に登場した高ボッチ温泉(ホテル鳴神)は2010年にすでに廃業しているためか、ドラマ版には崖の湯温泉(薬師平茜宿)が登場した。高ボッチ高原からは8キロぐらい。スクーターなら20分ぐらいの距離だろうか。原作とは関係なく、入れてあげたかった……。

その代わり、リンは高ボッチ山頂から諏訪湖と富士山を一望できる素晴らしい眺めをゲット。ドローンの威力が十分に発揮されたシーンだった。余談だが、諏訪湖の風景は映画「君の名は」の糸守湖のモデルとされている。

ずっと食べてる女子たち


温泉の次は食欲だ。なでしこたちは並んで温玉揚げを頬張る。シャクシャクジュルリとしたシズル感が強調された演出は実写ならでは。大原優乃の口から半熟の黄身があふれ、恍惚の表情を浮かべた唇にはしっかり黄身の跡がついていた。

一方、リンはコッヘル一つで作るスープパスタに挑戦。これが記念すべき初めての手作りキャンプ飯ということになる(これまではカップ麺ばかりだった)。リンは早くゆでるために細麺のパスタを使っていたが、ジップロックに入れた水戻しパスタを持参すればもっと早く茹で上がってモチモチの麺が楽しめるよ(マンガ「山と食欲と私」情報)。

出遅れた野クル側は、なでしこがつくった土鍋を使ったとんこつ煮込みカレー(粉末のラーメンスープが入っている)を仲良く頬張る。あらかじめ材料を素揚げしておくあたり、なでしこは料理慣れしてるなー。

ずっと温泉に入っているか何かしら食べていた第5話だったが、最後はリンとなでしこがメッセージアプリでほのぼのとしたやりとりを続ける。お互いがわざわざ寒くて暗い夜道を歩いて撮った夜景の写真は、それぞれへの心づくしのプレゼント。ソロキャンプだってひとりじゃない。

メタル賽銭箱「B-6君」登場!


先週放送された第6話は、リンが「メタル賽銭箱」ことコンパクト焚き火グリル「B-6君」をゲットする。これは畳むとB6サイズ(文庫本と同じ)なのに、焚き火や炭火が楽しめるというすぐれもの。リンのアウトドア料理熱が一段上がったことの証明だ。

リンの想像焼き肉がこれまた食欲を刺激しまくる。スーパーで売っている肉を外で焼いて食べるだけなのに、なんでこんなに美味しそうに見えるんでしょうかね……? これがアウトドアの魔力なのかもしれない。

リンはなでしこにチョコのお土産を買ってきて渡す。飛び跳ねて喜び、チョコを頬張るなでしこにリンはこう提案する。

「あのさ、今度これで肉焼いてみない?」
「やる! やる! 焼肉キャンプ!」

なでしこの即答ぶりと話の飛躍ぶり(いきなりキャンプに行くことになっている)に戸惑うリンだが、なでしこはすかさず週末の予定まで抑えてしまう。さっきまではリンと恵那(志田彩良)の会話に入って来ずに外から見ていたのに、いけると思ったら一気に距離を詰めていく。前にも書いたが、間違いなくなでしこはコミュニケーション強者だ(もちろん、それを受け入れるリンの気持ちも大切)。

日常を心地よく過ごすヒント


「またやろうね、まったりお鍋キャンプ」

これは、なでしこがリンに以前言っていた言葉。ゆっくり2人の距離が縮まって、ついにお鍋キャンプならぬ焼肉キャンプが実現する。なでしこの姉・さくら(柳ゆり菜)の運転で、四尾連(しびれ)湖にあるキャンプ場にやってきた。「♪しっびれこ、しっびれこ、しびれるぜい」となでしこは上機嫌だ(いつも上機嫌のようにも見えるけど)。

後半、リンが語る「日本今昔牛鬼伝説」は四尾連湖に実際に伝わる民話。リンは武士に斬り殺された牛の怪物「牛鬼」の亡霊が湖面に現れると話していたが、「ふるさとやまなしの民話」(山梨県連合婦人会・編集発行)によると、武士が放った矢で死んだ怪牛の血が湖面を真っ赤に染め、矢を放った武士もそのまま死んでしまったという。四尾連湖はその後、牛の頭の骨を使った雨乞いの儀式が行われるようになったのだとか。

……牛鬼伝説はともかく、「ゆるキャン△」を見ていて心地良いのは、誰かが誰かを否定したり、批判したり、足を引っ張ったりすることがない世界だからだと思う。逆に言えば、否定や批判をしたくなるような相手には近づかない、というセオリーをみんなが守っているようにも見える。

ソロキャンプが好きなリンは、ノリが合わない野クルには近づかない。なでしこもリンを無理やり野クルに近づけない。だから、リンが野クルを批判するようなことにはならない。だから、誰もが自分の気持ちにウソをつかなくて済むし、平穏な気持ちでいることができる。

無論、長い人生はそんなことだけでは済まないのだが、合わない人間と一緒に過ごしてトゲトゲした気持ちを抱くよりは、こうして平穏な気持ちで日々を過ごすほうがよっぽど健康的だ。そのためには、相手との距離を見誤らない、自分の気持ちにウソをつかない、ひとりを恐れない、という3つが大切なのかもしれない。心地よい日常をおくるヒントが「ゆるキャン△」には詰まっている。

本日放送の第7話は、四尾連湖キャンプ後編。鳥羽姉妹が登場するよ! 深夜1時から。
(大山くまお)

作品情報
木ドラ25「ゆるキャン△」
原作:あfろ「ゆるキャン△」
監督:二宮崇、吉野主、玉澤恭平
脚本:北川亜矢子
音楽:小田切大
出演:福原遥、大原優乃、田辺桃子、箭内夢菜
主題歌 - LONGMAN「Replay」(ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ)
オープニングテーマ - H△G「瞬きもせずに」(ドリーミュージック)
プロデューサー:藤野慎也、熊谷喜一、岩倉達哉
制作:テレビ東京、SDP、ヘッドクォーター
製作:ドラマ「ゆるキャン△」製作委員会

※放送後にTVerで配信中
※放送後にAmazon Prime Videoで配信中

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