にぎわい創出!釜石大観音仲見世通り 出店促す〝縁結び〟 5回目マルシェ盛況
釜石市大平町の釜石大観音仲見世通りで25日、地域活性化イベント「えんむすびマルシェ」が開かれた。さまざまな出会いの場を提供しようと、釜石大観音仲見世リノベーションプロジェクト(宮崎達也代表)が主催し、5回目。飲食や手作り雑貨などの出店のほかステージイベントもあり、親子連れら多くの来場者でにぎわった。
市内外から28の団体・個人が出店した。パンやスイーツ、手作りアクセサリー、木工製品などバラエティーに富んだ品ぞろえ。訪れた人たちは店主らと会話を弾ませながら品定めを楽しんだ。クレープやコーヒーなどを提供するキッチンカーも並んだ。
地元釜石の漁師久保宣利さん(51)、翼さん(20)親子はホタテやカキなどが盛りだくさんの海鮮焼き、串焼きを販売。「お客さんとじかに顔を合わせ、反応を見ることができて楽しい」と腕を振るった。「両石港 隆丸」と旗印を掲げ、週末にはイベント出店。自分たちが養殖したり、仲間から買い付けた魚介や海藻を使って地域の海の魅力を発信する。「魚を通して、人とつながれる」。そう実感する親子は、漁業と出店、どちらも本業の“二刀流”でゆく。
大漁旗柄のフラッグを用いた元気なパフォーマンスで会場を盛り上げたのは、釜石を応援するカラーガードチーム「ちあ釜」。4月に立ち上がったばかりで、地元メンバー4人はこの日が初舞台となった。
小学校教諭の兼澤桃花さん(27)は「青空の下、気持ちよく踊れた」と晴れやかに笑った。佐久間桜音さん(11)、森美惠さん(17)は「緊張したけど楽しかった。かっこよく踊れるよう、もっと練習する」と意欲がアップ。60代のメンバーは「私でもできるので!」と仲間が増えることを期待した。代表の葛巻舞香さん(39)=ラグビー・日本製鉄釜石シーウェイブスオフィシャルサポーター、モデル、フリーアナウンサー=は「笑顔をつないで、みんなでまちをポジティブにしていきたい」と展望した。
家族で訪れた同市平田の大和田崇士さん(47)は「正月に初詣で訪れた時より、にぎわっている。このイベントには初めて来たが、市外の人やものと触れ合えていい。続けてもらえれば、客として出店者たちの活動を応援したい」とうなずいた。
同プロジェクトは、「釜石○○(まるまる)会議」から生まれた市民グループで、空き店舗が目立つ同通りを再生させ、にぎわいや交流の場を創出する活動を行う。大観音は「恋人の聖地」にも選定されていて、人のつながりや縁を広げる機会になればと2018年からマルシェを実施。新型コロナウイルス禍で数年見送ったが、23年に再開した。
幅広い年代、業種の人たちの縁を生み出す活動は続く幅広い年代、業種の人たちの縁を生み出す活動は続く
空き家となった遊休不動産の利活用を中心に、地元高校生と連携した催しや岩手県内・三陸沿岸地域で活動するアーティストらの展示などの企画にも力を入れる宮崎代表(52)。多様な取り組みを打ち出すことで、「出店したくなるようなまちづくり」を進めていく。