浅川の砂鉄から日本刀!?八王子は刀鍛冶の里だった【下原刀展】
八王子が「刀鍛冶の里」だったって知ってましたか? 戦国の時代、この地では浅川の砂鉄を使って刀が作られていました。北条氏に仕えた刀工たちが技を磨き、武士たちを支えた名刀「下原刀(したはらとう)」。『八王子の郷土刀 下原刀展』が、いちょうホールで開催中です。これを機に、地元の知られざる歴史をのぞいてみませんか?
気軽に刀剣鑑賞
『八王子の郷土刀 下原刀展』が八王子いちょうホールで開催されています。会期は2025年10月30日(木)〜11月2日(日)の4日間。歴史ある刀剣を身近に感じられるチャンスです。
会場は2F第二展示室。初めて刀剣を鑑賞する方でも、気軽に立ち寄りやすい雰囲気!入場料は300円です。
下原刀の起源と北条氏との絆
下原刀は、鎌倉以来の「相州伝(日本刀の作刀法)」の技を継いだ刀工たちが、小田原から八王子へ移り住んだことが始まりとされています。のちに北条氏がこの地を治めると、刀工たちは厚く信頼され、「康重」「照重」など主君ゆかりの名を授かりました。技と名跡が継がれた系譜は、会場の図で分かりやすく紹介されています。
浅川の砂鉄が生んだ刀
下原刀は、八王子を流れる浅川の砂鉄を原料に生まれた刀です。展示には、室町から江戸までの刀や槍、薙刀が24点並び、時代とともに変化する姿をじっくり鑑賞できます。知られざる歴史ロマンがしっかり詰まっていますね!
刀工の技と息遣いを感じる展示
ケース越しに見ても伝わる迫力!刃文や反りの違いなど、作品ごとの特徴をじっくり眺められます。すべてが八王子ゆかりの刀工によるものです。
地鉄が少し黒みがかるのが、下原刀の特徴のひとつ。こちらは室町時代につくられた脇差で、歴史の重みを感じます。
光に照らされると浮かび上がる美しい刃文。刀工の技と息遣いが伝わってきます。こちらは安土桃山時代の作品。
槍や薙刀も展示されています。関ヶ原の合戦では槍千本を納入したという記録が残っています。八王子が武器生産の重要拠点だった証ですね。
下原刀は、八王子で戦国を駆け抜けた刀工たちの魂そのもの。浅川の砂鉄から生まれたその刃には、北条氏や武士たちが生きた時代の空気が刻まれていました。地元の歴史を知る他にはない機会、ぜひ会場で体感してみてください!