残業削減から始まった働き方改革 情報共有・生成AI活用で進める業務改善の実践例
医療事務アウトソーシングの日本ビジネスデータープロセシングセンター(兵庫県神戸市)は、同社の全従業員が参加する改善運動「ハタキャン2025」に取り組み、8年目で初めて対面表彰式を開催した。
残業改善を目的に始めた活動は、情報共有やチームワーク強化、新人研修、生成AI活用などへと対象を広げ、2025年度は全国約5000人、163チームが参加した。
残業削減が原点、チームで改善案を実行する「ハタキャン」
「ハタキャン」は、2018年に始めた残業削減の全社活動「残業ゼロキャンペーン」を原点とする。働き方改革を進めるにあたり、同社は「会社から残業時間の削減を指示するだけでは、現場の本質的な課題解決にはつながらない」と考え、日常業務の中にある無駄や重複作業を見直し、残業時間の削減につなげるキャンペーンを実施。現場の従業員が自ら課題を見つけて改善に取り組む機会とした。現場では、業務の属人化を防ぐジョブローテーションや、定時退社を促すノー残業デーの実施などに取り組んだ。
現在は働き方改革に加え、従業員の働きがいの向上も目指している。契約社員やパート社員を含む全従業員を対象とし、部署や役職、雇用形態を問わず、日々の業務の中で感じる不便や非効率、情報共有や人材育成に関する課題を持ち寄り、チームで改善案を実行する仕組みだ。
取り組みを継続できた理由として同社は、現場の工夫が従業員の働きやすさだけでなく、業務品質や顧客サービスの向上にもつながることを、従業員自身が実感してきた点を挙げる。
初の対面表彰式開催で改善活動の過程や思いを共有
2025年度は初の試みとして、全国各地から受賞チームの代表者を神戸本社に招き、7月31日に対面表彰式を開催した。
これまでもeラーニングを通じて受賞事例を共有してきたが、実現に向けた努力や工夫にも目を向け、改善活動の過程や思いを共有するとともに、受賞者へ直接感謝と敬意を伝える機会を設けた。懇親会は、普段は接点の少ない従業員同士が交流を深め、部署や事業を越えて相互の取り組みや知見を共有する場となった。
「ハタキャンをきっかけに実現できた」フロー再設計や業務負荷の平準化などを表彰
表彰式では、「いずれやろう、いずれやろうと思っていたことを、ハタキャンをきっかけに実現できました」「今では、みんなから声が上がる組織になりつつあります」「みんなの頑張りが、こうして形に残るのが本当にうれしい」といった声が寄せられた。
2025年度は、医療現場の受付フローを再設計し、患者サービスの向上と病院職員の業務負担軽減を同時に実現した事例や、既存のWebカメラとMicrosoft Teamsを活用し、現地勤務者に集中していた業務負荷を平準化した事例、チーム全員が当事者として参加できる雰囲気づくりと生成AIによる介護保険業務の工程分析を組み合わせた事例などが受賞した。
同社は、受賞者が優れた事例や学びを各現場に持ち帰り、新たな改善の輪が広がることを期待しているとしている。詳細は同社の公式リリース(PR TIMES)で確認できる。