犯人の顔を再現するのに使われる「モンタージュ写真」より「似顔絵」の方が犯人検挙に効果絶大な理由とは?【図解 犯罪心理学】
犯人検挙に効果絶大な 「似顔絵」【図解 犯罪心理学】
事件を解決するため、目撃者の証言によって犯人の似顔絵を作成する。誰でも刑事ドラマなどで一度は見たことのあるシーンではないでしょうか。この似顔絵、現在の捜査においても、多く使われています。
犯人の顔を再現するのに使われる方法にはモンタージュ写真もあります。これは、さまざまな人物の顔のパーツを組み合わせて、人物の顔を作り上げていく方法です。
一見、似顔絵よりも精度の高い画像が作れそうですが、実はそうではないことがわかっています。その理由はいくつか考えられますが、大きいとされているのは、顔を再現する途中で候補となるいろいろな人のリアルな顔のイメージを見てしまうことです。このような状況になると、本来の顔の記憶をゆがめてしまったり、かえって忘れさせてしまったりすることがあるのです。
事実、1968年に東京府中市で発生した3億円強奪事件では、公開された犯人のモンタージュ写真によって見る人に先入観を持たせてしまい、かえって捜査を妨害したのではないかと指摘されています。
一方、似顔絵は似顔絵画家が目撃者からの情報を聞き取りながら、特徴をうまく捉えて犯人の顔を再現していきます。そのため、先入観なしに犯人に似た画像を作ることができるのです。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 犯罪心理学』