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オレは自分だけの安保をやるって“写真行為”を始めたんだ【天才アラーキー傘寿を語る】

日刊ゲンダイDIGITAL

地下鉄の中で、森山大道と荒木(1973年ごろ撮影)/(提供写真)

【天才アラーキー傘寿を語る】#34

鈴木いづみとはお互いの勘が通じ合ったっていう感じだね【天才アラーキー傘寿を語る】

 オレと森山大道さん(写真家)が一番最初に会ったのはいつかってよく聞かれるけど、森山さんとの最初の出会いというのは、オレの場合、写真家との出会いっていうのは、本人と会ったときではなくて、写真を見たときなんだよね。写真から付き合っている。写真を見ると本人がわかる。これは相性が良いっていう、何かを感じる。それを一番感じたのが大道さん。そうすると、向こうにもこっちの思いが通じていて、何かのときに声をかけてくれる。東松照明さん(写真家)もそうだね。

 そういう意味で森山さんの写真と出会ったのは、『プロヴォーク』。「エロス」が特集されていた『プロヴォーク』(第2号)で、森山さんが撮ったヌードを見て嫉妬したんだよね。その頃、自分もさ、「写真はエロスだ」って考えていたからね。やっぱり「エロスがなかったら写真じゃない」と思っていたからさ。写真というのは、死をね、タナトスを含んでいないと、写真としてのエロスにはならない。そういうときだったからね。森山さんの写真に出会ったのは。(『プロヴォーク』は1968年に写真家の中平卓馬と評論家の多木浩二を中心に、岡田隆彦〔詩人〕、高梨豊〔写真家〕が加わって創刊された写真同人誌。翌年刊行の2号より森山大道が参加。雑誌の副題に「思想のための挑発的資料」を掲げ、政治や革命の季節である1960年代の思想状況を色濃く反映。写真が表現として成立する根源を問い直すメディアとして大きな影響を与えた)

オレは電通でさ。仲間になる要素はないわけだよ

『プロヴォーク』に嫉妬しているところがあったし、惹かれていたんだよね。今、こういうときなんだって。オレは電通でさ。広告社会とか、ダメな社会に関わっているからっていう思いがあったからさ、仲間になる要素はないわけだよ。仲間になるなら、やめなくちゃならない。そういうジレンマがあった。だから、そういうのがあったおかげで、オレの場合は、すぐそばにあった会社のゼロックス(コピー機)を使って写真集を作るというのが始まったんだよ。世間は安保で、オレは自分だけの安保をやるって写真行為を始めたんだ。会社にゼロックスの機材が入ってきて、これがいいわけだよ。すぐに自分で写真集が作れる。トーンとかも変えられてさ。それでゼロックスを使って『ゼロックス写真帖』(25巻)を作ったの。受付嬢とかを口説いてさ、女子社員たちに作業をしてもらってたんだ。女工哀史だよね(笑)。1970年だからダジャレで70部作って、オレが気になるヤツらに勝手に送ってた。森山さんにも送ってたんだよね。

(構成=内田真由美 荒木経惟/写真家)

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