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酒蔵BAR・直売店・見学も!新生開業した“魅せる酒蔵”「伊豆本店」を体験レポ(福岡県・宗像市)

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世界遺産の地・宗像で300年以上に亘り酒造りを続けてきた老舗酒蔵が、2026年1月に「福岡 宗像 酒蔵 伊豆本店」として新生開業。「直売所」「醸造蔵」「酒蔵BAR」「甘味」「歴史展示」の5つの体験エリアを新設した、“魅せる酒蔵”へと生まれ変わりました。宗像の新名所の魅力をレポートします。

伝統を未来へ繋ぐ、新時代の体験型施設へ

福岡市の中心地から車で約1時間、JR・教育大前駅からはタクシーに乗り5分ほど。「武丸」交差点を越えて見えてくる赤煉瓦造りの煙突や凛とした紺地の暖簾がその目印です。

創業1717年の「伊豆本店」は、幻の酒米を復活させて醸した日本酒「亀の尾」で知られる由緒正しき酒蔵。先代蔵元の逝去で一時は存続の危機に直面するも、「歴史を絶やしてはいけない」と助力し支えたのが「茅乃舎」で有名な「久原本家グループ」でした。

オープニングセレモニーの様子。河邉哲司社主や伊豆寛子社長をはじめ、関係者による鏡開きが執り行われた

実は「伊豆本店」は、糟屋郡久山町にある茅葺きの自然食レストラン「御料理 茅乃舎」が生まれるきっかけになった場所でもあります。「久原本家グループ」現社主で4代目の河邉哲司さんが、蔵の母屋の葺き替えを目の当たりし、職人の手仕事に感銘を受けた――そんな原体験が「茅乃舎」ブランドの原点。「歴史や酒造の技術を今後も継承したい」との想いが重なり、此度の再興へ繋がったといいます。

ブランディングおよびロゴデザインは、「くまモン」を手がけたことでも知られるクリエイティブディレクターの水野学氏(good design company)が。施設全体の設計・空間デザインは、空間・プロダクトデザイナーの二俣公一氏(ケース・リアル)がそれぞれ担当し、建築、造園など地元の職人の力も結集。蔵を象徴する茅葺きの母屋や六角形の赤煉瓦造りの煙突など、歴史の趣や美しさはそのままに未来を見据え、進化を遂げています。

「醸造蔵」で酒造りを自由に見学

醸造蔵の入口には、酒米を蒸す際の蒸気や香りが漂う

1650坪の広大な敷地内は5つのエリアに分かれており、まず訪れたいのが「醸造蔵」。ここでは、ガラス越しに酒造りの様子を見学することができます。長い歴史を刻んできた立派な梁は補強して残し、酒造りのための設備はすべて最新のものに一新。杜氏や蔵人の手仕事が生きる小仕込み(※)にこだわり、秋、冬、春と年間を通して醸造できるようになりました。

※小仕込み=少量ずつ精密に管理しながら仕込みを行う、高品質な日本酒の製造方法

北海道・上川大雪酒造からこの道30年の経験をもつ若山健一郎さんを杜氏に迎え、新たに誕生した新銘柄は「宗像」。福岡県産の酒米と宗像の地下水で醸す日本酒で、「地域とともに歩む日本酒を造る」との思いが込められています。

また、これまで愛されてきた代表銘柄「亀の尾」は、ここだけでしか味わえない「酒蔵限定酒」としてお目見えしました。

「酒蔵BAR」で日本酒を飲み比べ

酒造りを見学した後は、醸造蔵に併設された「酒蔵BAR」へ。室内へ入り、まず驚くのはこの特別なスタンディングテーブルです。これは、かつての「伊豆本店」で用いていた「槽搾り」(※)のための設備を再活用し生まれたものだそう。あまりのかっこよさに、思わず見惚れてしまいました。

ここでは「宗像」や「亀の尾」などの有料試飲を楽しむことができます。

※槽搾り(ふなしぼり)=細長い酒槽に、醪を入れた酒袋を重ね、上から圧を掛けて搾る伝統的な手法

この日は「茅乃舎だし」で煮込んだ大根、「椒房庵」の「あごだしめんたいこ」と「イカゆず麹漬」をお供に4種類の日本酒を飲み比べ

「宗像 純米 夢一献」は料理にそっと寄り添うようなピュアで優しい飲み口。「宗像 特別純米 山田錦」は香り、味わい、余韻までエレガント。「宗像 特別純米 寿限無」は甘い香りと旨味がふくらみ、あと口にスキッとキレがある。「亀の尾 純米」は力強さとシャープなキレが持ち味で、柑橘のような香りがふわり。以前より軽快に進化したようにも感じました。――こうして飲み比べると違いがよくわかり、おいしさと楽しさがぐんぐん広がりますね。

素材が香る「甘味」をテイクアウト!

蒸したての花酒まんじゅうはふんわりもっちり。甘みを含んだふくよかな香りも格別!

さらに正面入口の側には、お酒が飲めない方も楽しめる「甘味」ブースを新設。ここでは、酒造りの過程でできる酒粕を使った「宗像 花酒(はなさか)まんじゅう」や、宗像の素材を使ったジェラートをテイクアウト販売しています。

ジェラートは、福岡県産のミルクと宗像市大島の塩を使った「塩ミルク」、宗像産の「あまおう」、宗像や福津産の生トマトで作る「トマト」の3種類を用意。どれも素材の香りや味わいが口いっぱいに広がる滑らかなおいしさでした。

「歴史展示」で300年の趣を感じる

おいしい日本酒や甘味を味わった後は、正面入口から右手にある「歴史展示」の部屋へ。室内には、歴史ある酒造りの道具や伊豆家で代々所有してきた水墨画や巻き物などが展示されています。

今回の改築時に屋根裏から見つかったという、見事な「恵比寿天瓦」も展示されていました。七福神のうち五神の瓦があり、残り四神は敷地内のどこかに飾られているそう。5つすべてを探すことができたら、何かご利益があるかもしれませんね。

「直売所」で酒蔵限定酒をゲット!

九州をはじめ、全国各地の作家が手掛ける酒器も並ぶ

そして最後は、茅葺きの母屋を改装した「直売所」でショッピングを楽しみましょう。代表銘柄「宗像」やここでしか購入できない酒蔵限定酒「亀の尾」「福梅 梅さけ 日本酒仕込み」が並び、「茅乃舎」や「椒房庵」の商品も販売。だしを軸にした和食と日本酒のマリアージュを提案してくれます。

敷地内の奥には大きな甑が設置された、かつての「蒸し場」も残されている

伝統を尊びながら革新し、“魅せる酒蔵”として新たな一歩を踏み出した「福岡 宗像 酒蔵 伊豆本店」。お酒を飲む人も飲めない人も集い楽しめる新名所へ、ぜひ出かけてみてください。

福岡 宗像 酒蔵 伊豆本店
福岡県宗像市武丸1060
0940-32-3001

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