内野聖陽主演、こまつ座『芭蕉通夜舟』が開幕 舞台写真&コメントが到着
2024年10月14日(月・祝)紀伊国屋サザンシアターにて、井上ひさし生誕90年『芭蕉通夜舟』が開幕した。
『芭蕉通夜舟』は、1983年に初演された井上ひさし作の舞台。40年にわたる芭蕉の俳人としての人生を、一人語りを中心に富士三十六景になぞらえて全三十六景で描く。主演・内野聖陽、演出・鵜山仁を迎え、11年ぶりに上演される。
ほぼ一人芝居とはいえ、めまぐるしい舞台転換、さまざまな景(シーン)を支える黒子とも、芭蕉は絶妙な会話を重ね、その人生を彩り豊かにあぶりだす。苦悩する芭蕉がやがて到達した視点を描くだけではなく、人生の豊かさや、その可能性の大きさを伝え、「“人はひとりで生き、ひとりで死んでゆくよりほかに道はない”ことを極めるために苦吟した詩人」と称した芸術家の苦悩を追体験する、井上評伝劇の快作となっている。
開幕に寄せて、演出の鵜山仁、主演の内野聖陽よりコメントが到着した。
演出:鵜山仁コメント
芭蕉は俳句の名人であると同時に、ハイク(旅)の達人でもありました。 今回、稽古場では、内野聖陽君と四人の若者たちと一緒に、とても刺激的な旅を楽しむことができました。 お客様という得体の知れない大海、果てしない大平原への旅が、いよいよ今日から始まるわけですが、是非この旅路を極め尽くし、芭蕉・井上ひさしのたどり着いたバショーに、さらに肉薄したいと願っています。
内野聖陽コメント
ようやくというか、無事に初日の幕が開きました! 最初は、ほぼ一人で回して行く独り芝居という感覚が大きかったのですが、こうして稽古をしてきてみると、本当にチームワークの賜物という感が強い作品となりました。 そして、やはりお客様がご覧になって初めて、僕らの芝居に画竜点睛を付けて下さるというような感がいたします。これから、毎日お客様との交流の中で、この『芭蕉通夜舟』という作品はまた違った形で変化し、成長していくのだろうなという感慨を持ちました。 本日、初日に僕らの創作活動に新しい幕を開けてくださったこと心より感謝しております! これからも、舌頭千転、この作品を最後まで育て上げて参ります! ほんとうにありがとうございました!