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万年筆が心に刺さる!平山萬年堂の秘密基地「久三郎」探検レポート

まるごと青森

万年筆が心に刺さる!平山萬年堂の秘密基地「久三郎」探検レポート

前回の投稿「創業大正2年!平山萬年堂のインク沼にハマる(今のところは片足だけ)」以来ずっと、バムセの心に刺さっていたもの・・・それは、万年筆。

そんなわけで、先日また平山萬年堂セレクトショップ「久三郎」へ行き、今度はじっくりと探検して参りました。私にとってそこは「万年筆の小さな秘密基地」。四代目店主幸一さんに、歴史を感じる貴重な万年筆をあれこれ見せていただいた中から、特に印象的だった物をご紹介いたしましょう!

🖋PARKER(パーカー)社 DUOFOLD(デュオフォールド)
大正10年 (1921) にPARKER(パーカー)社が発表したDUOFOLD(デュオフォールド)!従来の万年筆に比べ軸が太くて大型です。「DUO(デュオ)」とは、インキ容量も耐久性も「2倍」という意味でのネーミングだったそうです。また、ご覧の通り、当初万年筆には、ポケットに引っ掛けるためのクリップは備わっていませんでした。

PARKER(パーカー)社DUOFOLD(デュオフォールド)

使い込まれたエースマークのペン先。DUOFOLDの文字が見える

DUOFOLD(デュオフォールド)シリーズでは、それまで黒一辺倒だった万年筆に鮮やかな色がつき、人気を博しました。とりわけオレンジ色の通称「ビッグレッド」が好評だったそうです(うっとり)。

PARKERパンフレットより

PARKER(パーカー)社は、ビルや飛行機の上から落としたりとユニークな耐久テストを行ってPRし、見た目だけでなく末長く愛用できる点を強調したようですよ。

Pilot(パイロット)の前身 Namiki(並木製作所)螺鈿(らでん)桜模様
下の写真、目を凝らすと中央の万年筆の首軸に、小さな赤い点が二つが横に並んでいるのが見えますか?この胴軸を少し回し、点の位置をずらすとインクが出なくなる構造で「首旋回インキ止星合わせ万年筆」と呼ばれるそうです(ながっ!)。仕組みもさることながら、大正浪漫感満載の繊細な螺鈿細工が素晴らしいですね!

並木製作所  首旋回インキ止星合わせ万年筆 螺鈿桜模様

螺鈿細工のきらきらとした万年筆は、他にもいろいろ・・・。

こちらは、何かの歌が手作業で掘り込んであり、幸一さんが当時の職人の高い技術力に感服してしまう一本だそうです。確かに!

🖋SAILOR(セーラー)天然素材すす竹万年筆
知る人ぞ知るペン職人、長原宣義氏による万年筆です。なんと、古民家の囲炉裏で使われていた天然のすす竹から作られているそうです。

純金のパネルに「長原宣義作」と彫られています

無骨なように見えますが、優雅な品格がありますね。時代を感じる風合いがなんともいい感じで、このまま持って帰りたくなってしまいました(ダメです)。

SAILOR(セーラー)天然素材すす竹万年筆

🖋Pilot(パイロット)の前身 Namiki(並木製作所)蒔絵シリーズ
Pilot は、大正15年 (1926) から、ニューヨーク・ロンドン・上海・シンガポールに支店及び海外販売拠点を開設し、蒔絵を施した高級な万年筆を展開しました。

Namiki(並木製作所)蒔絵シリーズ

蒔絵万年筆は世界中で人気を博したそうです。昭和5年 (1930) 、Pilot はイギリスのダンヒル社と欧州販売代理店契約をし、「ダンヒル・ナミキ万年筆」を欧州で販売しました。あの、ダンヒルですよ(驚)!

その他にも、平山萬年堂セレクトショップ「久三郎」には、津軽塗の万年筆や錫製、セルロイド製、弘前城の桜材を使用したものなど、魅力的な万年筆が溢れており、ただただ見惚れるばかり。

右三本は、弘前城の桜材を使用して作られた万年筆。一番左が津軽塗

🖋平山萬年堂オリジナル万年筆 RIPE(ライプ)ブランド
そして特筆すべきは、こちらのRIPE(ライプ)!大正初期にどこよりも早く、創業者の久三郎さん(幸一さんの曽祖父、当時16歳)が販売していた平山萬年堂オリジナル万年筆なのです。胴軸に店名とブランド名が刻まれていて、最高にカッコいいです!

平山萬年堂オリジナル万年筆RIPE(ライプ)。(写真背景のWATERMANとは関係ありません)

久三郎さんは大変な趣味人で、東京の棋士を弘前に招いて囲碁の対局を行ったり、バイクに熱中したりしながら、数人の職人と共に店を切り盛りしていました。ところが、42歳の若さで突然病没してしまったのです。

二代目として店を継ぐ決心をしたのは、妻のキサさん。万年筆を売ったことも修理や調整の経験もなく、幼子二人を育てながらのやり繰りはさぞ大変だったことでしょう。それでも、美人で人柄が良く、土手町小町と親しまれていたキサさんは、数年後には万年筆の軸にネーム彫刻を始め、平山萬年堂を盛り立てて行ったそうです(参考:「趣味の文具箱」vol.26、2013年7月初版)

その後平山萬年堂は、キサさんの長男壮三さんと奥さんの綾子さんが継承なさいました。そして綾子さん亡き後は、当時プラチナ万年筆で働いていた幸一さんが弘前市に戻り、現在までお父さんの壮三さんと仲良くお店を続けていらっしゃるのです。

当時店頭でのキサさん(幸一さんの曽祖母)

繊細で美しい書き味の「万年筆」。時代やメーカーによって、ペン先、材質、色、サイズ、インクの吸入構造などが違い、本当に奥深く、興味は尽きることがありません。構造から修理まで、専門的に知り尽くす幸一さんに相談できるので、万年筆をお探しの方は、あなたにぴったりの一本を見つけることができるでしょう。

また、希少価値の高い万年筆以外にも、さまざま面白いものがたくさん。例えば・・・

万年筆かと思えばブラシ!

野球のバットかと思えばシャーペンと芯入れ!

プラチナの歌「マイ・プラチナ」レコード

その他もろもろ非売品コーナー

ぜひあなたも久三郎の引き戸をくぐり、秘密基地を探検してみてくださいね!

By バムセ

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