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「野村義男のおなか(ま)いっぱい おかわりコラム」おかわり23杯目は、デビュー35周年記念のアルバムをリリースした森口博子が登場

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野村義男 / 森口博子

ギターをこよなく愛するギタリスト・野村義男が、沢山の仲間を呼んでおなかいっぱいの内容でお送りする対談形式のコラム。おかわり23杯目は、デビュー35周年を記念した24年ぶりとなるオリジナルアルバム『蒼い生命』をリリースした森口博子が登場。

野村:今回のゲストは森口博子さんでございます。よろしくお願いします!

森口:よろしくお願いします!

野村:最後に会ったの覚えてますか?

森口:レコーディング?

野村:あのね、渋谷公会堂だと思います。

森口:渋谷公会堂……あっ、ギターの?

野村:そう、ギタリストいっぱい出てたやつ。思い出した?

森口:思い出しました! 大好きあのコンサート。

野村:その時にね、森口さんきたって思って。あれがね、たぶん最後だったんじゃないかな。もう20年前くらい前だと思う。

森口:えーっ、もうそんなになります? 凄く豪華なコンサートでしたよね、そうそうたる日本のギタリストが集合してて。ギター聴いてるだけでなんかエクスタシーみたいな、会場で興奮してたの覚えてます(笑)。

野村:そういう風に言っていただけると嬉しいですね。その前が曲を書いた時だから……。

森口:93年にリリースしたアルバム『いっしょに歩いていける』に収録されている野村さんに作詞・作曲していただいた「プレゼント」ですね。

野村:そうです、ギターも弾いてました!

森口:めちゃめちゃカッコ良くて、ライブで上がる曲です! 当時のコンサートツアーで、後半衣装チェンジをして、バーっとファンの皆さんの前に出てった1曲目があの曲だったんです。すっごい盛り上がりました。

野村:え~!あれ、グッバイが活動休止したあとだったんで、グッバイ色が強い曲なんだよね。

森口:出てます。よっちゃんの曲~って感じ!

野村:そう、そうなんですよ。そういった意味でグッバイのファンの人たちもみんな大好きでな曲で。

森口:あの曲の歌詞が、大人になると更に、響きます! もちろん当時もピュアな二人の気持ちが溢れててキュンキュンきてたんですけどね。久しぶりにお会いするので、改めて読み返したり曲を聴いたりしてたら、年齢を重ねてからこそあの歌詞が凄く好きだなって思って。

野村:うんうん。

森口:「いつもは内気なあなたの最初のプレゼント」って、それはキスってことなんですけど。内気な彼が最初にくれたプレゼントが、この海でのキスっていうのが、すーっごい!

野村:ふざけた野郎ですよね!(笑)

森口:いやいや!(笑) 素敵じゃないですか、どれだけ勇気を振り絞ってその彼女にキスをしたんだって。それで、彼女が1年たって去年と同じこの海に来て、今年は私からキスのプレゼントをするわよって。すごいなんかキュンキュンきちゃった、ホントに良い曲!

野村義男

野村:ありがとうございます、そんな覚えててくれて逆に嬉しいです。そんな森口さんですが、最近はどうですか?

森口:ちょうど緊急事態宣言が発令された時に、アルバム(『GUNDAM SONG COVERS 2』)のレコーディング中だったんですけど、それでレコーディングも延期になってしまって。そのアルバムっていうのがファンの皆さんから人気投票でいただいたベスト10をそのランキング順に収録するっていう企画だったんです。ファンの皆さんの期待値が高まってるところでおあずけになっちゃって。

野村:うん。

森口:でも、ファンの皆さんからもらったバトンをしっかりと形にしてお返ししなきゃいけないっていうので、その休みの間にどうモチベーションをキープしたらいいかとか、時間を空けたときにレコーディングでちゃんと歌えるのかとか。

野村:そうなるよね。

森口:やっぱり私たちって人前に出て歌って演奏して、それで音が育ったりしていくじゃないですか。その時間が何もなくて、どうやったら輝けるんだろうっていうそのモチベーションが大変でしたね。

野村:実際その期間はどう過ごしてたんですか?

森口:もう音楽の熟成期間だと思おうと、ゆっくりのんびり過ごしてました。それと、アナログなこの私がリモートでボイトレして、色々なことを先生に教わりましたね。あとは、録り溜めしてた懐かしい作品を見たりとか。実際『GUNDAM SONG COVERS』のpart1の時に、忙しさが続いていたのもあって、ちょうど喉と体も休められたっていうのもあったかな。

野村:じゃあ良い時間がとれたっていうことですかね。休める時間になっちゃったけど、常に前に進んでたっていうことだから。

森口:そうです。結局休めたことによって自分のペースで声帯を遣えたから、レコーディングも調子良くて。やり過ぎてきつくなっても、ちょっと休むとまた復活するみたいな。

森口博子

野村:僕は全くギター触らなくなりましたよ。ライブとかが中止になって、レコーディングも密だっていうのでスケジュールがどんどん飛ぶから、気づいたら4カ月くらい触ってなかったです。

森口:えー!ちょっと不安ですよね。

野村:そう。だから4か月後にギターを持った時に、指は動くだろうけど痛かったらやだなぁって、続けたくなくなっちゃうみたいな。でも、触ってみたらそんな心配事もなかったからまた触んなくなっちゃいました。それで、なんかすることないかなって思ったらSNSを始めたんです。

森口:えっ、凄い!4カ月後でも動くなんて。そしてSNSまで。

野村:ただ、今日はどこそこ行きました~とか、誰々に会いました~とか、なんでそんなことをみんなに伝えなきゃならないんだろうって思って、自分が出ない。今日のことを言わない。食べ物を載せない、フォローバックはしない、ハッシュタグは付けないってルールでやってます。

森口:私と一緒です(笑)。ハッシュタグは付けますけどSNSを始める前までは、今日こんなの食べました~とか、こんなの着ました~とか、必要なのかなって思ってた時代がありました。今は楽しさもわかってきましたけど(笑)、SNSは絶対マイペースで良いと思います。エゴサはしないんですか?

野村:エゴサって何?

森口:あ~素敵! よっちゃん可愛いですね、あははは (笑)。エゴサーチって自分のことを検索する事で、「野村義男」で検索したら野村さんについての良いことも悪いことも色々出てくるってやつですね。やだなって思う人は絶対見ないですし、エゴサする人はするしっていう。

野村:その言葉を初めて知りました。

森口:わたしは毎日する。当然良いことも悪いことも出てくるけど、全部受け止めようって。皆にそれを言うと、だいたい絶対見れないって人の方が多いですけど(笑)。

野村:でも、そういうのって自分にとってすごい大事でしょ?

森口:そうなんです、ライブのトークの時にネタにしちゃうとみんなが爆笑してくれたりとか。悪口読んでると書き方上手いなとか。最初はいっぱい傷ついたこともあったんですけど、傷つくのもバカバカしいと思って。

野村:たぶん、僕も見ない方がいいですね。弱虫だからきっと立ち直れない。

森口:でも、一周回ってなんてこっちゃないやって思ったら、もう毎日見る!(笑)

野村:いつぐらいから始めたんですか?

森口:Twitterは10年くらい前かな、最初は1か月限定でブログを勧められて始めました。結局書く事ないからこんなの食べましたとか、こんなの着ましたとか載せてたんです。そうしたら瞬時にバァーって反響があって、繋がれたことがめちゃくちゃ嬉しくなっちゃって。あと、すごく落ち込んだ時にどうして皆私のファンになってくれたんですか?って問いかけたんです。

野村:おお、それ勇気ある一言ですね!

森口:そうしたら、もう泣けるコメントがぶわ~って来て。頑張ろうって泣きながら読んで、SNSって悪いことばかりじゃないんだなって思って。そこから期間限定でなくブログもTwitterも始めるようになったんです。凄い繋がれてる感じ。

野村義男

野村:繋がれてるのは僕もわかりますね。そうそう、MVを見せていただいたんですけど、あれ素敵な場所ですね。お城っていうか、ギリシャの宮殿のような。

森口:嬉しい! あれはどうしても青空と室内の柔らかい世界が両方撮りたいんですって、監督にリクエストをしましたら、「楽曲の壮大な感じにはすごく合うと思います」って、あそこを見つけてくださって。

野村:あの景色というか色合いというか、ブルーな感じは皆さん絶対に1回見た方が良いです。僕も曲を聴いてて気持ちがすごく大きくなりましたし。

森口:ありがとうございます!ファンの皆も荒んだ心がすごく安らぎましたとか、手術を受けたばかりなんですけど元気をもらえましたとか。あとは、1番嬉しかったのが「会いたい人の顔が、真っ先に浮かんで、背筋を伸ばして生きようと思いました。」って大切な人のことを思った感想をたくさんいただいたことです。メッセージが届いたな~って。

野村:楽曲と映像がすごく合ってる感じがして、僕も見ててそれ思いましたね。詞も書かれてるんですよね?

森口:はい、シンガーソングライターのQoonieさんと共作で今回書きました! 今なにを伝えたいの?って言われたら、人と人とが直接触れ合うことができない中で、生きていくことがこんなに閉塞的で苦しかったんだって、すごい感じたんですね。みんなもきっとそう、だと思うんですけど。

野村:うん。

森口:私は84歳の福岡の母親と毎日電話をしてて、爆笑してなんか楽しい話して切った後は、ちょっと泣けちゃう日とかもあったんですね。今すぐ会いたいなとか、笑ってるけど体調ほんとはどうなのかな?とか。でも、いつでも毎日気持ちの中で、繋がってるって思えてることがすっごく心強かったし、自分もちょっとは役に立ててることがあるのかなぁって。

野村:いやいや、あるでしょ!絶対に!

森口:その繋がれてる気持ちが、ほんとに大事なんだなって。母以外にもSNSの声で心が強くなったのを感じて、いつも応援してくれて、まっすぐに歌声を必要としてくれているファンのみんなとも、今まで以上の繋がりを実感できたので、その想いを「蒼い生命」に歌詞として託したんです。親とか、家族とか、九州の友達とか、すぐに会えないファンの皆に会いたい一心で生まれた楽曲です。

野村:いや、とても良いんじゃないですか。ホントすごい大人な感じだなぁって思います。そんなこんなでデビュー35周年ということで、どうでしたか?駆け抜けた感じ?

森口:あっという間ですね、でもまだ通過点というか。駆け抜けた時期もあったし、レギュラーをたくさんやらせていただいた時代はもうほんとに体がもたないんじゃないかって思った時期もありました。でも、そういう忙しかった時期があったからこそ、たくさんの皆さんとの出会いがあって。だからどの出会いが欠けても、今の自分にはたどり着けなかったと思うんです。

野村:なんかいつ見ても森口さんは、ぐれたりすることがない気がするんですよ。いつでも明るく笑ってて、楽しくてみたいなイメージがあるんです。

森口:ありがとうございます! でも、腐りそうな日もありますよ(笑)。つい最近もそのことを話すだけで涙が出ちゃうぐらいのことがありましたし。でも、だいぶ立ち直って、やっぱり生きていくって歌っていきたいって思いました。基本に帰って、わたしは求めてくれてるファンの皆の為に歌うんだって。大人の色々な事情とかに振り回されてはいけないって。

野村:そのファンを大切にする気持ちは尊敬しますね。

森口:その声あってこそなので。あとは周りのスタッフ、キングレコードはデビューから仕事があってもなくても、チーム一丸となってレコードやCDをずっと作り続けてくださってて。音楽関係のスタッフの皆さんも事務所の人たちも、テレビ局やラジオ局、お芝居の世界の人たちも、わたしを信じてくれている人たちの想いを絶対忘れちゃいけないなぁって。

森口博子

野村:そっかそっか。だから今はそんなの振り切っちゃって、とにかくアルバム聞いてくれ~!のほうに気持ちがいってるっていうことですよね。アルバムが8月4日オンセールということで、もう出ているんだね。

森口:そうです。今回デビュー曲の機動戦士Zガンダムのオープニングテーマ(「水の星へ愛をこめて」)の、35人の森口博子によるアカペラヴァージョンっていう、壮大なのがありまして!

野村:良いじゃないですか!すっごい大変だったでしょ?

森口:大変でした! 楽器のパートもすべて自分の口で奏でるので。でも歌うことがやっぱりすごく好きなんだなって。こう、35トラック目指して年をワントラック、ワントラック積み重ねていく作業は、まさに1年1年色々なことを乗り越えてきた人生と重なるようなレコーディングでした。

野村:なるほど、35周年だから35トラックね。どうやって入れたんですか、そんなにパートもないでしょ?

森口:あ、だから新しく作ったりとか。元々ある楽器プラスコーラス入れたりダブルにしたりとか、音楽プロデューサーの時乗浩一郎さんがアレンジを考えてくださって。きつかったけど楽しかった!(笑)

野村:そんなに入れるのは日本では森口博子か山下達郎ぐらいだよね! 大滝(詠一)さんだってそんなに入れない(笑)。

森口:あはは(笑)。がんばりました、35人の森口博子=みんなとの歴史です。

野村:それ良いですね。是非皆さんに聞いていただきたい! アルバム自体はそのタイトルが『蒼い生命』ということですよね。

森口:そうです。この蒼は、緑が青々と生い茂るという意味があるので、まさに地球の色というかブルーだけではない、グリーンとかたくさんの色が混ざって「地球という一つの生命で私たちはこの時代を乗り越えようとしている」というメッセージも込めました。

野村:初回限定盤にはBlu-rayが付いてるということで。ミュージックビデオですか?

森口:そうです、「蒼い生命」と、そのアルバム中に含まれてるシングルの何曲かのミュージックビデオが入ってます。あと福岡の人にはぜひ聴いていただきたい曲があるんです、4曲目の「陽だまりのある場所」は、香椎花園(かしいかえん)という地元の皆に愛されている60年以上歴史のある遊園地が今年閉園されるので、そのやるせない気持ちとかしいかえんの感謝とそしてこんなご時世の中での夢への向き合い方を作詞しました。楽曲はアニソン界の神様と言われている大好きな神前 暁さんです。温かくも切なさの極みの素晴らしい世界なので、コンサートで泣かないで歌う自信がないです……。

野村:歌うのやめましょう。

森口:あはは、頑張って歌います!(笑)

野村:そんな森口さんは10月3日になんと国際フォーラムで35周年のコンサートということで。これはこのアルバムの中からも歌うという事ですよね?

森口:このアルバムと、50代にして初めて2019年に日本レコード大賞企画賞をいただいた『GUNDAM SONG COVERS』とその続編を。久しぶりにオリコンウィークリー2位、3位とランクインさせていただいた感謝も込めてお届けしたいと思います。あとは懐かしいアルバムやシングルも。今は、コンサートでお客様は声を発することはできませんよね。コールアンドレスポンスや会話も。いつもだったら、MCの時のお約束とかもあるんですよ。いつの日かやれる日がくるといいなと。

野村:やりたい、やりたい!

森口:靴の紐結ぶふりして、あれ?今スカートの中……見えた?下着見えた?とかって言うと、皆見えなーいって。嘘、見えてない?……見なさいよ!っていうのを必ず言ってて。今はファンのみんな声を出せない分、リアクションのみで(笑)。そんなコミュニケーションもやりたいなって思ってます(笑)。

野村:そういったコミュニケーションも含めて、皆さんライブ楽しみにしてて欲しいですね。それまではCDを聴いて、Blu-rayを見て気持ちを高めてもらったら良いなと思います。言い残してることないですか?

森口:言い残してること……久しぶりにお会いできてホントに良かったです!

野村:いや、僕も嬉しかったですよ! ということで、今回のゲストは森口博子さんをお迎えしました。ありがとうございました!

森口:ありがとうございました!

撮影=大橋祐希

野村義男 / 森口博子


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