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藤澤涼介選手 「上の世界めざす」注目の野手 横浜国立大学硬式野球部 藤澤涼介選手〈横浜市保土ケ谷区〉

タウンニュース

横浜国立大学硬式野球部に所属し2年の春シーズンに3本塁打を放ちフレッシュマン賞を受賞。3年秋のシーズンには打率.311、13打点で打点王を獲得。ベストナインにも選出された。大学日本代表候補合宿にも参加し注目を集める。身長187cm・体重87kg

横浜国立大学硬式野球部に注目の逸材がいる。藤澤涼介さん(3年)はこの冬、大学日本代表候補合宿に参加。全国各地の大学から選抜されたトッププレーヤーにも引けを取らない実力を示した。コロナ禍でめざしてきた甲子園への道が閉ざされた世代。「消化不良」のまま野球を終えられないと、国公立大学への進学という新たな目標を定め、1日10時間を超える猛勉強で入学した横国大でその実力が開花。昨秋の神奈川大学野球リーグでは打点王を獲得し、ベストナインにも選出された。

「見たことのない打球だった。大きな刺激になりました」。今秋のドラフト候補が名を連ねた大学日本代表合宿に参加し同世代のトッププレーヤーたちのプレーを目の当たりにした。控え目に話すが、真直ぐ前を見て語るその目の力強さに芯の強さを感じさせる。

プロ野球のスカウト陣も数多く集まる中、自身はフリー打撃で快音を連発し、紅白戦では6打数2安打1四球1盗塁と活躍。50m走では「武器のひとつ」の快足を披露し、全選手2番目となる5秒97を記録し存在感を示した。

小学3年生の時、父親の仕事の関係で米国で暮らした。広い庭でスポンジバットとスポンジボールで「野球」に触れ、帰国した翌年、クラスメイトに誘われ学童野球チームに入団。受験し進学した中学の野球部が「弱かった」こともあり、硬式野球チームに進んだ。

文武両道を実践

高校は栃木の名門・佐野日大高校に進学。「野球は高校まで。その先の人生も考えて」、大学進学を見据えた特進コースに籍を置きながら甲子園をめざした。

そんな生活が一変したのが高校2年生の冬。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、野球部寮を離れ自宅へ戻った。もちろん練習もできない日々。名門で夢見た「甲子園出場」を手にすることができなくなった。

1日10時間の猛勉強

「野球は高校まで」と終止符を打つ考えだったが、目標を失い「消化不良」の状態に。大学に進み野球を続ける道をめざした。

中学・高校時代とは異なるスタンスで野球を続けたいと、学生主体で野球に取り組む国公立大学への進学を志望。辿り着いたのが横浜国立大学だった。寮を離れ自宅で過ごすことになったこの時期、新たな目標に向かい1日10時間机に向かう生活を続けた。

その後、甲子園大会の代替として行われた栃木県の独自大会は、ベスト8が出そろったところで終了。無敗のまま「最後の夏」を終えた。

MVP級の活躍を

新たな目標に突き進み横浜国立大学理工学部に現役合格。野球部に入部した。実験や実習がある理系学部で学ぶが、1、2年次に多くの単位を取得。3年生になってからは「野球中心の生活」をおくっている。

2年春のリーグ戦では3本塁打を放ちフレッシュマン賞を受賞。3年秋には打点王を獲得し、ベストナインにも選出された。この活躍が評価され、トッププレーヤーが集う大学日本代表候補合宿にも参加。順調にステップアップを重ね、「上の世界」を意識するようになってきた。

「今春のリーグ戦でMVP級の活躍をすることは最低限のライン。夏の日本代表合宿にも呼ばれるような成績を残したい。JAPANのユニフォームに袖を通したいですね」。言葉を選びながら謙虚に話す印象だったが、熱を帯びた雰囲気で雄弁に語るその姿に覚悟の強さを感じさせる。

23年秋のリーグ戦では打点王を獲得した

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