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名前が良くない「水ガニ」「ズボガニ」は美味しいカニ 正体は「ズワイガニ」

TSURINEWS

ズワイガニ(提供:PhotoAC)

高級ガニの産地として知られる福井ではこの時期、ちょっと変わった名前のカニが旬を迎えます。

福井で「水ガニ」の漁が解禁

越前ガニなどの高級ガ二で知られる福井県で先月下旬「水ガニ」の水揚げがスタートしました。

水ガニは脱皮してから半年以内のオスのズワイガニで、福井県における隠れた名産となっています。例年2月下旬ごろに解禁され、長くても2ヶ月前後と漁期が限られています。

水ガニ(提供:PhotoAC)

それもあり、県外にはほとんど流通せず、福井県内のみで消費されることから、知る人ぞ知る食材となっています。

「ズボガニ」と呼ばれることも

この水ガニですが、別の名前も持っています。それは「ズボガニ」。「水ガニ」もそうですが、このズボガニというのも一見すると奇妙に見える名前です。これらの名前は、その身の特徴からつけられました。

このカニは前述の通り、脱皮後間もない個体です。カニは成長するために脱皮を行いますが、脱皮直後は殻こそ前より大きくなっているものの、筋肉の方はそれに追いついていません。

ズボガニ(提供:PhotoAC)

そのためこのカニを調理すると、身が水っぽく感じます。そのために水ガニと呼ばれるのです。また水分が多いため調理すると身が縮み、殻からズボッと簡単に身を引き抜くことができます。それがズボガニという名の由来です。

なぜ人気があるの?

さて、これらの名前を聞いた際、ある程度魚介を食べ慣れている人はきっと「あまり美味しくなさそう……」と思ってしまうのではないかと思います。しかし、実際のところこのカニは福井県内ではとても人気のある食材です。一体なぜなのでしょうか。

思い出してほしいのですが、このカニはそもそも「ズワイガニ」です。福井県内ではズワイガニは「越前ガニ」と呼ばれ、安くても1杯1万円以上、高いものでは10万円を上回るような超高級カニであり、県民といえどおいそれと口にすることができません。

越前ガニ(提供:PhotoAC)

しかし、脱皮直後の「水ガニ」「ズボガニ」は越前ガニと同じように販売することはできず、主に地元で食べる用として安価に流通してきました。結果として福井県民の馴染みの味となり「安くて美味しいカニ」として親しまれてきたというわけです。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>

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