【ライブレポ】韓国のトップクラスのバンド・LUCYが見せたジャンルレスな魅力 待望の来日公演をレポート!
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K-POPでは今、“バンド”が熱い! メジャーシーンからインディーズまで幅広いジャンルが楽しめる韓国のロック/ポップスシーン。中でも4ピースバンドLUCYが奏でる華やかなサウンドは、日本のリスナーを魅了すること間違いなし。7月13日(日)に行われた彼らの来日公演のレポートとともにその魅力に迫ります!
めくるめく音の渦にオーディエンスが熱狂!
多彩なサウンドで韓国のロックシーンに新風を吹き込むバンド、LUCYが7月13日(日)、東京・Zepp Hanedaで待望の単独ライブ『2025 LUCY CONCERT‘CHECK IN:TOKYO’』を開催した。
LUCYは人気オーディション番組への参加を機に2019年に結成。音楽的な背景が異なるメンバーたちによるオリジナル曲の数々は、ポップでありながらアグレッシブでマニアックな面もあり、国境を越えて多くの音楽ファンを虜にしている。
ライブ演奏でも定評のある彼らは、この日も確かな技術が生む“揺るぎない個性”で客席を魅了。おそらく会場を訪れた誰もが満足したに違いない。同公演は昼夜2部制で行われたが、ここでは夜の部の様子を紹介する。
チェ・サンヨプ (Vo/G)©MYSTIC STORY
クラシカルなメロディをバイオリンで弾きながら登場したシン・イェチャン、その華麗なソロ演奏に刺激されるようにベースをかき鳴らすチョ・ウォンサン、そしてゆっくりと舞台中央に現れてギターを奏でるチェ・サンヨプ。最後にサポートドラマーがタイトなリズムを叩きだすと、LUCYのライブがついに幕を開けた。
まずは挨拶代わりにと『I Got U』と『Hot!』の合わせ技でスタートした熱いステージは、簡単な挨拶を挟んでいったんクールダウン。「この勢いに乗ってお届けしましょう」(サンヨプ)と『Wonder』、『Haze』といったソフト&メロウなナンバーを届けると、ちょっとしたトークコーナーへ。
ウォンサンのお気に入りの日本語に爆笑
ウォンサンのお気に入りの日本語は「~ござる」ということで、「おなかが減ったでござる」と言って笑わせると、「感動した」と無愛想に返すイェチャン。そんなやりとりを横目で見ながらサンヨプが冷静に「準備はいいですか?」と声をかける——。各メンバーのキャラクターの違いが分かるこうしたやりとりもLUCYの良さのひとつだろう。
ウォンサンが6弦ベースを駆使したプレイを見せる『Straight Line』、イェチャンが弾く軽やかなピチカートが心地よい『bleu』、サンヨプの美しいファルセットが堪能できる『Why you hate…』など、それぞれの持ち味をしっかりアピールできる楽曲を持っているのも、このバンドならではの強みだ。
ライブの中盤は、音の引き出しの多さを痛感させるナンバーが次々と披露されていく。凝ったメロディラインとアレンジで一気に聴かせるダンサブルな『Wakey Wakey』、ファンキーなリズムと切ない旋律が違和感なく融合したポップス『Hippo』、各楽器が疾走感のある音を響かせる『Unbelievable』、ダークでファンタジー的な要素を加えたオルタナティブロック『The knight who can't die and the silk cradle』など、ジャンルにこだわらずに“良い曲”を届けたいという思いが伝わってくる曲ばかり。彼らの一貫した創作姿勢はもっと広く知られてほしいと思う。
美しい旋律とエモーショナルなサウンドはバンドの真骨頂
「(立ちっぱなしで)大変だったでしょう? ちょっと だけ座ってくださいね!」
ウォンサンの呼びかけで落ち着きを取り戻した客席。その直後に演奏されたのは『人生のメリーゴーランド』だ。大ヒット映画『ハウルの動く城』で流れるこのリリカルな楽曲を、イェチャンの繊細な弓さばきとウォンサンのクラシカルなベース演奏で表現すると、この日一番の歓声と拍手が沸き起こった。
さらにマカロニえんぴつの『恋人ごっこ』などをサンヨプが弾き語りで歌った後は、バンド編成でアップテンポのナンバーを立て続けに演奏。『Doggaebi Dance』でのエッジの利いたギターカッティング、『Outsider』では情熱的なソロパートで盛り上げるベースとバイオリンといったふうに聴きどころの多いオリジナル曲の連続で、観客の動きも次第に熱を帯びていく。
激しい展開の『Boogie Man』で汗びっしょりになった3人のメンバーは、さらに盛り上げようと『Villan』『You're Right』『So What!』の3連発で完全燃焼。白熱のライブの本編はここで終わりとなったが、ファンのボルテージが下がる気配はない。
しばらくすると美しいストリングスが響き渡り、〈LUCYの音楽が私の翼になってくれた〉と書かれたスローガンを手にした観客が『Falling Flower』を合唱すると、メンバーが再びステージへ。ファンの気持ちをダイレクトに受け止めたLUCYは『Flowering』と『Falling Flower』の演奏で応え、ウォンサンの「なぜ僕が音楽を続けているのか、(その理由を)感じることができる瞬間でした」という熱いコメントで公演を締めくくった。
今回の来日公演を振り返り、イェチャンは「すごく楽しかったです。お客さんも予想よりたくさん来てくださって、しかも合唱もしてくれたので感動しました」とうれしそうに語り、サンヨプは「昼夜2公演、どちらもエネルギーをたくさんもらえた」と満足げ。
そんな等身大の言葉が満載のLUCY単独インタビューは、9月22日発売の『韓流ぴあ』11月号に掲載が決定! 彼らを含む旬の韓国バンドの動きが分かる特集もお届けします。お楽しみに!
LUCY(ルーシー)
シン・イェチャン(バイオリン)、チェ・サンヨプ(ボーカル/ギター)、チョ・ウォンサン(ベース/プロデュース)、シン・グァンイル(ドラム/ボーカル ※現在兵役中)の4ピースバンド。2020年5月8日にシングルアルバム『DEAR.』でデビュー。チョ・ウォンサンを筆頭に、メンバー全員が楽曲制作に参加し、幅広い音楽ジャンルとスタイルで韓国の若い世代を中心に絶大な人気を誇る。学園祭や大型フェスに多数出演したほか、2024年に初のワールドツアーを敢行し、海外のファンも増やしている。
■SETLIST
『2025 LUCY CONCERT ‘CHECK IN:TOKYO』
2025年7月13日(日)@Zepp Haneda
<第1部セットリスト>
1. I GOT U + Hot!
2. Magic
3. Haze
4. Straight Line
5. One by One
6. bleu
7. Why you hate…
8. Wakey Wakey
9. Hippo
10. Unbelievable
11. Opening
12. The knight who can’t die and the silk cradle
13. Doggaebi Dance
14. Complex
15. Outsider
16. Boogie Man
17. Villan
18. You’re Right
19. So What!
20. Flowering
21. Falling Flower
<第2部セットリスト>
1. I GOT U + Hot!
2. Wonder
3. Haze
4. Straight Line
5. One by One
6. bleu
7. Why you hate…
8. Wakey Wakey
9. Hippo
10. Unbelievable
11. Opening
12. The knight who can’t die and the silk cradle
13. Doggaebi Dance
14. Complex
15. Outsider
16. Boogie Man
17. Villan
18. You’re Right
19. So What!
20. Flowering
21. Falling Flower
(韓流ぴあ/まつもと たくお)