横須賀市 7年ぶり給食費値上げ 物価高騰影響、負担軽減策も
横須賀市は9日、市立学校の給食費を4月から値上げすると発表した。小学校は現在の月額4500円から5700円に、中学校は5400円から6500円に改定する。近年の物価高騰を背景に、食材費が上昇していることが主な要因。小学校では1977年以降最大の値上げ幅で、市は過度な保護者負担増にならないよう、2025年度予算案で軽減策を検討するとしている。
小学校の給食費値上げは2018年以来7年ぶり、中学校は給食が始まった21年以来初となる。養護学校でも4500円を5700円に、ろう学校(中学部・高等部)では5300円を6500円に改定する。教職員も同様に値上げする。
市教育委員会学校食育課によると、食材費の高騰が続く中、食材の種類を変更したり量を減らすなどして調整してきた。
また2022、23年度には国の地方創生臨時交付金を活用し、食材費の不足分を補填。24年度は市が補正予算で約9900万円を充当したが、今後も物価上昇した場合に提供が困難になることが予想されたため、改定に踏み切った。同課は「社会情勢の急激な変化で対応が限界に達した」と説明する。
24年度の1食あたりの単価(想定値)は小学校が約281円(21年度比約21円増)、中学校が約355円(同比約25円増)。近年特に値上がりが大きいのは主食の米と毎食提供される牛乳で、24年度は同年比で1本あたり9・16円上がった。
こうした状況を踏まえ、市は昨年9月、学校関係者や保護者らから成る市学校給食運営審議会に給食費について諮問。同12月に値上げは妥当との答申があり、市長や教育長が参加する総合教育会議で値上げをすることで意見が一致した。
市は2025年度予算案で給食費の値上げ分の一部を補填する方針で、急激な値上げが過度な負担にならないよう支援措置を図りながら、保護者らに理解を求めたい考えだ。同課では「物価高騰の中での値上げは苦渋の判断。市民の理解が得られるよう丁寧に説明していく」と話した。
三浦市では
物価高騰による学校給食費の改定は近隣自治体でも同様の対応が相次ぐ。三浦市では昨年11月に小学校を4400円から5000円に、中学校では5200円から6200円に値上げした。