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2026年スタートの新制度!知っておきたい「林野火災注意報・警報」と冬キャンプの安全対策

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2026年スタートの新制度!知っておきたい「林野火災注意報・警報」と冬キャンプの安全対策

キャンプと聞いて多くの方が思い浮かべる楽しみの一つに「焚き火」があります。炎を囲んで過ごす時間は、寒い季節のキャンプを特別なものにしてくれます。一方で、乾燥や強風といった気象条件や、山林火災への警戒が高まるなか、状況によっては火の使い方に注意が必要な場面も多くあります。

昨今の流れを受けて2026年1月から、全国で「林野火災注意報・警報」制度の運用が始まりました。この制度により、地域やその日の状況によっては、屋外での火の使用を控えるよう求められることがあります。焚き火だけでなく、キャンプの過ごし方そのものを見直した方がよい場合もあるでしょう。

当記事では、この新しい制度の基本や背景を分かりやすく整理しながら、キャンプの現場で気を付けたいポイントや、火の使用に慎重な判断が求められるときにどう向き合えばよいのかを紹介します。
これからキャンプを始める方にも役立つ内容として、自然と安全に向き合うための考え方をお届けしましょう。

「林野火災注意報・警報」とは何か

山林と隣接するキャンプ場

「林野火災(りんやかさい)注意報・警報」は、空気が乾燥していたり風が強かったりして、山林火災が起こりやすくなっているときに、自治体が発表する防災情報です。2026年1月1日から全国で運用が始まり、地域の状況に応じて、火の使い方について注意や制限を呼びかける仕組みが整いました。
ここでいう「火の使い方」には、焚き火や炭火調理だけでなく、ガスバーナーの使用、たばこの喫煙、吸い殻の投げ捨てなども含まれます。

注意報が出ている場合は、「今は火を使うと危険が高まりやすい状態」です。焚き火や調理など、屋外で火を使う際には、いつも以上に慎重な行動が求められます。さらに危険性が高まると、警報が発令されます。この段階では、焚き火や炭火調理など、屋外での火の使用が原則として禁止される地域もあります。キャンプ場であっても例外ではなく、管理者の判断で火の使用が全面的に制限されることがあります。

注意報と警報の違い(発令されやすい気象条件)は以下の通りです。

注意報

次のような気象条件が重なった場合に発令されやすくなります。

●空気が乾燥している日が続いている

●雨がしばらく降っていない

●風がやや強い、または風が出始めている

●落ち葉や枯れ草が多く、火が燃え広がりやすい季節

「火の取り扱いに、いつも以上の注意が必要な状態」と考えると分かりやすいでしょう。

警報

注意報よりもさらに危険性が高い、次のような状況で発令されます。

●空気がひじょうに乾燥している

●強風が吹いている、または強風が予想されている

●一度火が出ると、短時間で燃え広がる恐れがある

制度導入の背景と発令されやすい時期

冬から春にかけては木々が乾燥する時期

林野火災注意報・警報制度が導入される大きなきっかけとなったのが、2025年2月に岩手県大船渡市で発生した大規模な山林火災です。乾燥した気象条件と強風に加え、人為的な火の取り扱いが重なり、被害は広範囲に及びました。
この出来事を受け、全国的に山林火災対策の見直しが進められ、火の使用に関するルールをより明確にする必要性が高まりました。

近年、日本各地で林野火災が増えている背景には、いくつかの要因があります。1つは、気候変動の影響による乾燥や強風の日の増加です。加えて、山林管理の人手不足により、下草や枯れ木が残りやすくなっている現状もあります。さらに、キャンプや登山、BBQなど屋外レジャーを楽しむ人が増えたことで、山や森林の近くで火を扱う機会自体が増えています。

実際、林野火災の原因の多くは落雷などの自然現象ではなく、焚き火やタバコ、野焼きなど「人の火」によるものです。アウトドアが身近になる一方で、火に対する意識や判断の重要性は、これまで以上に高まっているといえるでしょう。

乾いた落ち葉は、焚き火の火の粉だけでなく、たばこの火種でもかんたんに燃え広がる

林野火災注意報・警報は、とくに冬から春にかけて発令されやすい傾向があります。(おもに1~5月)。落ち葉や枯れ草が多く、わずかな火の粉でも延焼につながりやすい時期であり、山林に囲まれたキャンプ場ではより慎重な判断が必要です。

キャンパーが知っておくべきルールと罰則

※総務省消防庁、農林水産省林野庁の「林野火災に係る関係法令における規制の概要」}資料を基に作成

注意報・警報が発令されている状況下で焚き火や炭火調理を行った場合、自治体や消防から中止命令や指導を受けることがあります。これに従わなかった場合、火災予防条例違反として罰金や過料などの行政処分が科される可能性があります。

「キャンプ場だから大丈夫」「焚き火台を使っているから問題ない」といった認識は通用しません。同様に、「たばこ1本くらいなら大丈夫」という油断もひじょうに危険です。乾燥した落ち葉や下草の上では、たばこの火種が山林火災の原因になるケースも少なくありません。
制度を知らずに違反した場合でも、責任は行為者にあります。キャンプを楽しむ側が制度を理解し、社会的なルールとして受け止める姿勢が求められています。

注意報・警報そのものに全国共通の罰金があるわけではありませんが、次の法律や条例が適用されます。

・消防法

・森林法

・各自治体の火災予防条例

たとえば、

●火気使用禁止命令に違反 →数万円~数10万円の罰金・過料

●焚き火が原因で山林火災発生 →刑事責任+損害賠償責任

実際には、数100万円から数1000万円規模の損害賠償が発生した事例もあります。軽い気持ちの焚き火が、大きな責任につながる可能性があるのです。

情報はどこで確認すべきか

林野火災注意報・警報の発令状況は、各自治体の公式サイト防災メール、消防本部の発表などで確認できます。合わせて、利用するキャンプ場の公式サイトSNSも必ずチェックし、独自のルールや当日の制限を把握しておきましょう。出発前の情報確認を習慣化することが、安全でトラブルのないキャンプにつながります。

「林野火災注意報・警報」は、自分で確認しなければ気付かない情報でもあります。キャンプ前日と当日は必ずチェックしましょう。

出典:熊本市消防局

①自治体(市町村・都道府県)の公式サイト
最も正確なのはキャンプ場所在地の自治体公式HPです。「防災情報」「林野火災注意報」などの項目を確認しましょう。

②気象庁・防災アプリ

・気象庁ホームページ

・Yahoo!防災速報

・NHKニュース防災アプリ

・自治体の防災アプリ

乾燥注意報や強風注意報と合わせて確認できます。

③キャンプ場の公式サイト・SNS
キャンプ場によっては、当日の対応をSNSで告知しています。

例として、

・「本日は焚き火禁止です」

・「警報発令中のため火気使用不可」

InstagramやX(旧Twitter)で発信している施設も増えています。

キャンプ当日、現地で通達はあるの?

多くのキャンプ場でも現地で案内があると思われます。実際にどこまで制限を設けるかは、現場の状況を踏まえて各キャンプ場が判断するといった具合です。

①受付時の説明
チェックイン時に「今日は焚き火が禁止です」、「ガスバーナーのみ使用可能です」 といった具合で口頭にて伝えられるケース。

②看板・掲示物
管理棟や炊事場、トイレ付近に看板や掲示物が掲示されるケース。

③場内放送・巡回スタッフ
規模の大きな施設では、場内放送やスタッフから声掛けがあるケース。

キャンプ場によっては場内放送用のスピーカーがある所も

重要なのは「自分でも確認すること」。すべてのキャンプ場で必ず通達があるとは限りません。無人キャンプ場や小規模施設では掲示がない場合もあります。「何も言われなかったから大丈夫」ではなく自分で事前に確認することが大切です。

確認のタイミング

おすすめはこの3段階です。

●前日:自治体HP・防災アプリ

●当日朝:キャンプ場公式情報

●現地:受付・看板・スタッフ

万が一に備える装備

●消火用バケツ
焚き火やコンロから火の粉が飛んだ際、すぐに水をかけて初期消火を行うために使用します。また、焚き火終了後に残り火を完全に消火する際にも役立つ、最も基本となる安全装備です。

●火消し壺
燃え残った炭や薪を安全に消火し、密閉して保管するための道具です。水をかけずに消火できるため炭を再利用できるだけでなく、火種を確実に処理することで延焼防止にもつながります。

●耐熱グローブ
焚き火台やダッチオーブン、熱くなった薪や炭を安全に扱うために使用します。火傷を防ぐだけでなく、焚き火の調整や撤収作業を安全かつスムーズに行うために欠かせません。

●スコップ
焚き火周辺の落ち葉や可燃物を取り除き、防火帯を作る際に使用します。また、万が一地面に火が広がった場合には、土をかけて消火する応急対応にも役立ちます。

●懐中電灯
夜間や早朝に焚き火や周囲の安全状況を確認するために使用します。暗闇では火の粉や燃え残りに気付きにくいため、安全確認を行う重要な装備です。

火消し壺と耐熱グローブ(左)、スコップ(右)

火を使わないキャンプ道具という選択

ネットや家電量販店でも、さまざまな小型調理器具が販売されています。所有しているポータブル電源の容量に応じて、使用できる調理器具を選定し使用してください

近年は、火を使わずにキャンプを成立させる道具が充実しています。
ポータブル電源を活用すれば、LEDライトによる照明や電気ケトル、小型調理器具などを使用することができます。事前に調理した食事を持参し、現地では温めるだけというスタイルも安全性の高い選択肢です。火を使わないことで撤収時の手間が減り、自然への負荷も抑えられます。
これは制限ではなく、新しいキャンプの形ととらえることができます。

林野火災警報発令中の冬キャンプは「火を使わない」が基本

警報発令中のキャンプでは、焚き火調理や直火はもちろん、焚き火台を使った料理も避けるのが大前提です。
料理は加熱済みの惣菜やレトルト食品、パンやおにぎりなど、火を使わずに食べられるものを中心に選びましょう。どうしても温かい食事が必要な場合は、事前に自宅で調理したものを持参し、現地では保温容器やポータブル電源を使った電気調理で温める方法が安全です。

火を使わずに電源で調理できる、クッキングライスクッカー(左)とホットプレート(右)防寒対策も「火に頼らない」工夫を

防寒対策も同様に、火に頼らない工夫が重要になります。基本は、−10℃以上対応の冬用シュラフにインナーシュラフ(出来れば春秋用5℃以上対応のもの)を組み合わせ、保温力を確保すること。さらにコットを使用し、銀マットやクローズドセルマットを併用することで、地面からの底冷えを効果的に防げます。
就寝時には湯たんぽを活用すると、電源や火を使わずにシュラフ内をしっかり温めることができます。加えて、ネックウォーマーやニット帽、厚手の靴下など、首・手首・足首を冷やさない装備を整えることで、体感温度は大きく変わります。

※寒さの感じ方には個人差があると思いますので、ご自身に合った調整を行ってください

インナーテントの床に銀マットを敷きコットを設置。コットの上にクローズドセルマットを設置した状態

寝袋(マミー型、-15℃以上対応)

寝袋の中にフリース素材のシュラフ(封筒型、10℃以上対応)を1枚入れた状態。厚すぎない毛布などを入れてもよいと思います。撮影時は外気温が-2℃ほどでしたが、これで十分寒さを凌げました

足元に湯たんぽを入れておけば、足先も冷えにくくなります

服装はダウンウェアを中心にレイヤリング(重ね着)し、就寝時も着用できるスタイルがおすすめです。冷えが強い場合は、フリースや化繊インサレーションを中間着として重ねることで、保温力を調整できます。
余裕があれば、ポータブル電源と電気毛布を組み合わせることで、電源のない環境でもより快適に過ごすことが可能です。

フリース(左)と化繊インサレーション(右)

林野火災警報発令中のキャンプでは、「暖を取るために火を使う」のではなく、装備と工夫で寒さを分散させることが安全につながります。火を使わない料理と防寒対策を徹底することは、自然を守りながら冬キャンプを楽しむための、キャンパーとしての責任ある選択といえるでしょう。

テント泊にこだわらないという考え方もアリ

焚き火が使えない状況では、テント泊以外の選択肢も視野に入れてみましょう。車中泊やバンガロー、コテージ泊であれば、屋外での火気使用を避けやすくなります。

バンガロー

コテージ

ただし、車内であれば火の管理が不要になるわけではありません。ガス調理やストーブの使用は、火災や一酸化炭素中毒の危険をともないます。あくまで「火を使わずに済む環境を選びやすい」という点がメリットであり、火を使わない前提での過ごし方が重要です。

警報が出ているなら「中止」「延期」も選択肢の一つ

林野火災警報が発令されているときは、キャンプそのものを中止、延期するという選択も、大切な判断のひとつになります。とくに強風が予想される日や、山林に囲まれた環境では、リスクを抱えてまで滞在する理由はありません。
また、強風時は火災のリスクが高まるだけでなく、テントやタープが煽られて倒れたりポールが破損したりすることで、思わぬケガにつながる別の危険もあります。自然条件が厳しいときほど、「今日はやめておこう」という判断が、安全につながる場面も少なくありません。

キャンプを中止したり日程を改めたりすることは、楽しみを手放すことではありません。また安心して自然を楽しむための、前向きな準備期間と考えることもできます。安全を最優先に考える姿勢こそ、これからのキャンパーに求められています。

「林野火災注意報・警報」は2026年から始まった、森林火災を防ぎ、人と自然を守るための新しい制度です。キャンプを一律に制限するものではなく、その時々の気象条件や環境リスクを知り、行動を見直すための目安となり得るものです。
火の使用を控える工夫や、車中泊、バンガロー・コテージ泊への切り替え、そして状況によっては中止や延期を選ぶことも、キャンパーにとって大切な判断のひとつです。

無理をしない選択が、自然と自分自身、そして大切な人を守ることにつながります。その日の状況を正しく見極め、安全を最優先にしながら、これからも安心してキャンプを楽しんでいきましょう。

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レポーター

プロフィール:O-chan
オートキャンプが大好きな九州在住の50代のオジサンです。おもに九州地方のキャンプ場へ、愛車を自由に転がしながらキャンプを楽しんでいます。グループやファミリーキャンプの際は、私が作った料理が美味しいと喜んでもらえるよう、日々キャンプ飯の勉強をしています。その分、ソロのときは手抜きしまくりですが(笑)。「手軽に本格的」がモットーで、これまでの経験で喜んでもらえたメニューの紹介や九州地方中心のおすすめのキャンプ場の紹介など、何か少しでもみなさんにオートキャンプでの楽しみを伝えることができればよいかな…と思ってます。

 【肩書】
 ・日本オートキャンプ協会インストラクター

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